源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義 の商品レビュー
QEDシリーズは読んでしましたが、殺人事件のない推理は初めて。源平時代は興味がなかったが、大河の影響でいろんな本を読んで多少わかるようになってきました。
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QEDシリーズ 源氏の神霊の姉妹作(多分) 両作品に共通するのは(作中設定) 1.安徳天皇は女性 2.頼朝は北条氏の傀儡 3.義仲は征夷大将軍で正論を言う武将だった (旭将軍は否定して、朝比奈義秀は和田義則の 実子ではなく巴御前と義仲の子=旭とこじつけ) 鎌倉が鄙びた田舎で、誰も領地にしたくない不 要な土地だから上総介は拠点に勧めた説w 時政が陰謀の中心か・・・(´・ω・`) ま、地方豪族としての描き方ではなく、平維将 の血脈を誇りに頼朝を人形の様に使い、良文流 ・三浦・大庭・梶原など平氏血脈を滅亡させた
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源平合戦は源平の戦いではない。では何の戦いか。なぜ頼朝は殺されずに生かされたのか。黒幕が生き残る結末はどこから始まっていたのか。 一般的にハイライトされる源平の歴史を見ているだけでは分からない、たくさんの「なぜ」が一つ一つ理論的に解き明かされる。後半はページをめくる手が止められな...
源平合戦は源平の戦いではない。では何の戦いか。なぜ頼朝は殺されずに生かされたのか。黒幕が生き残る結末はどこから始まっていたのか。 一般的にハイライトされる源平の歴史を見ているだけでは分からない、たくさんの「なぜ」が一つ一つ理論的に解き明かされる。後半はページをめくる手が止められない。きれいな解釈に読後感が心地よい。
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重厚で多岐にわたる内容ながら、トラベルミステリー仕立てでなかなか楽しく読める。 源平合戦から鎌倉幕府の滅亡までを、平家物語や能、歌舞伎、和歌集、寺社縁起等の資料を縦横に駆使して描き出す。 これを歴史小説仕立てとすれば、また趣きも違ってくるのだろうが、現代の大学教授が若手教員、学生を相手に分かりやすく指南する体裁としているのが妙味。遠い昔によく読んだ学研か小学館の子ども向けの学習マンガの設えだ。先生や博士が、男子生徒、女子生徒を相手をフィールドワークに付き合わせながら、物事の本質を分からせていくという懐かしい構成。 先生(小余綾俊輔俊輔助教授)の教えに従い、教え子の二人(誠也、橙子)が京都や鎌倉へと日帰り旅行で飛び回る。 先生の教えは、大きく2つ; ①史学のみならず、文学も民俗学も、地方史を彩る言い伝えも「全てで一つの「歴史」なのだから。学問的な分野など関係ない」。 ②神社仏閣の神徳、御利益は、御神体が生前「自分の叶わなかった望みや、自分たちを襲った不幸が我々に降りかからないようにしてくれる」もの。 に加え、日本は古来怨霊(慰撫)信仰が根底にあるというあたりか。 そして、体制側が残した資料に頼らず、ありとあらゆる痕跡を辿り、歴史の闇に埋もれた事実を暴き出そうとする。本書の中にも紫式部が『源氏物語』の中に残している、 『日本書紀などは、ただかたそばぞかし。これらにこそ道々しくくはしきことあはあらめ』 を引用し、「官撰の歴史書などは、世の中の出来事のほんの一部を記した物であるに過ぎず、むしろ物語(フィクション)の中にこそ真実がある」と教える。 はたして、この物語(=本書)の中に真実があるのかどうかは読者の判断に委ねられるところではあるが、平清盛の義母(池禅尼)が、なぜ敵方源氏の嫡子頼朝、義経らの助命嘆願したのか、果たして義経は稀代の英雄であったか否か、なぜ鎌倉幕府は僅か三代で終焉を迎えたのかを、通常語られる史実の、その裏に流れる大きな陰謀ともいえる歴史絵巻を最終的に描いてみせる。読後感は「お見事」と膝を打てるレベルであり、満足満足。 もちろん、その「陰謀」を、さもありなんと立証するために都合の良い資料、見解、解釈を採用しており、ある意味「とんでも本」の類ではある。カッパかワニの出版社が出しても良さそうなお安い話もテンコ盛りだ(既にその手の類書は存在していそう)。 使える資料は大いに使う一方で、本書の趣旨に反するエピソードに対しては「それは騙りだね」と軽くいなすお手軽さはある(否定はしない。そう騙ることで何か真実を隠そうとしている、と含みは持たせるが)。 まさに歴史は然様に作られていくものだということを図らずも本書が証明しているとも言える。 なにが真実ということよりも、時空を超えて人の思いは面白いということなのかもしれない。 その情念は歴史をも変えるほどに強いと、そんなことにも思いを馳せて読むなら、平安末期から鎌倉時代までを楽しく俯瞰できる良い歴史入門書になっている。
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面白かった。読みごたえもあった。 小余綾さんは准教授ではなくて助教授なんですね。是非ともシリーズになってほしいと思いました。現代での登場人物が3人(4人かな)で現代に事件がない分、すっきりとしていて歴史ミステリに没頭できました。 謎の解明についても、なるほどなるほど、と納得しなが...
面白かった。読みごたえもあった。 小余綾さんは准教授ではなくて助教授なんですね。是非ともシリーズになってほしいと思いました。現代での登場人物が3人(4人かな)で現代に事件がない分、すっきりとしていて歴史ミステリに没頭できました。 謎の解明についても、なるほどなるほど、と納得しながら読み進めました。 それにしても、歴史に関する考察を語る人は、みな酒豪なのですね。あの薬剤師と助教授が蕎麦屋で一緒に酒を飲み、バーに移動してカクテルを飲みつつ、歴史を誰かに語るところを見てみたい、でも、ちょっと怖い。 内容に納得しながら読んだものの、源平ですから登場人物が多く、中でも頼○とか義○とか、○盛とか、似た人名がたくさん出てきて、途中で系図を出してくれているので、そのページに付箋を貼ってことあるごとにそこを開きながら読みました。系図がもっと開きやすいところにあったらちょっと楽になったかな。 もうちょっと経ったら、復習の意味でもう一回読み直そうと思います。そうしたら人名(源平の系図・人間関係)が頭の中で整理されてスッキリするような気がします。 助教授と薬剤師の邂逅を切に願います。(神社の境内ですれ違うだけでも満足です)
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うまくなったって言うのも変だけど、無理にサスペンスにしない方が。 歴史の謎解きは、とてもすっきり。
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非常に面白かった、大満足。個人的にこの数年、鎌倉や京都福原屋島など源平の古戦場などを巡ったりして色々と考えてたのをほぼまとめてくれている感じ。ところどころ、違う感想や感情もあるが、おおよそ言わんとしていたモヤモヤもうまく表現してくれていてスッキリ爽やかな読了感。平家物語だけでなく...
非常に面白かった、大満足。個人的にこの数年、鎌倉や京都福原屋島など源平の古戦場などを巡ったりして色々と考えてたのをほぼまとめてくれている感じ。ところどころ、違う感想や感情もあるが、おおよそ言わんとしていたモヤモヤもうまく表現してくれていてスッキリ爽やかな読了感。平家物語だけでなく、保元の乱、崇徳天皇のごちゃごちゃから鎌倉時代終焉まで効果的でわかりやすい系図と年表、箇条書きなどもあり誰でも簡単に理解できる仕掛けになっている。読み応えのある上質の歴史ミステリ。2019年私的ベスト3にランクイン必至であろう。
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