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線は、僕を描く の商品レビュー

4.2

584件のお客様レビュー

  1. 5つ

    235

  2. 4つ

    217

  3. 3つ

    89

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2024/05/13

 水墨画の世界…今まで生きてきて縁遠かったこともあって、この作品を読まれた方は結構高評価にも関わらず、読むのを躊躇してしまっていた作品です。今回この作品と、この続編である「一線の湖」を2作品とも図書館から借りられるチャンスに恵まれたこともあって、読んでみました。  主人公の青山...

 水墨画の世界…今まで生きてきて縁遠かったこともあって、この作品を読まれた方は結構高評価にも関わらず、読むのを躊躇してしまっていた作品です。今回この作品と、この続編である「一線の湖」を2作品とも図書館から借りられるチャンスに恵まれたこともあって、読んでみました。  主人公の青山霜介は、両親を事故で亡くし生きる希望を見いだせないまま大学生に…。友人の古前から、誘われた展示会設営のバイトで、日本を代表する水墨画家の篠田湖山と運命の出逢いをします。湖山の一存で弟子になった霜介は、湖山と湖山がその力を認める藤堂翠山、門下の水墨画家と共に過ごす時間を得ながら、水墨画を通して自らの生き方を模索していくストーリー。  「…まじめというののはね、悪くないけれど、少なくとも自然じゃない」  「君は今日、挑戦した。それが、まずはとても大事…挑戦と失敗を繰り返して楽しさを生んでいく…」  「できることが目的じゃないよ。やってみることが目的なんだ」  この作品を読んでも、正直水墨画のことは私の想像力が欠如しているのか、あまりピンとくるものはなかったんです。普通の大学生である霜介が、今までまるで縁のなかった水墨画の世界に飛び込み、短期間で誰もが認める水墨画家になれるものなのかな??とか、どうしても思ってしまったので、この評価です。だけど、上記にあげた作中の所々に胸に染み入るような文章があって…それがすごくよかったし、一瞬、自己啓発本なのか??と感じてしまったくらいです。

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2024/04/03

私はこういう『ある世界を極める』お話が好きだ。 自分の知らなかった世界の奥深さを疑似体験できるから。 きっと、この先、私が水墨画を描くことはないだろう。 でも、今までまるで興味のなかった水墨画を、今度は立ち止まって、鑑賞するだろう。 そして、無機質な物に囲まれている気でいた自分の...

私はこういう『ある世界を極める』お話が好きだ。 自分の知らなかった世界の奥深さを疑似体験できるから。 きっと、この先、私が水墨画を描くことはないだろう。 でも、今までまるで興味のなかった水墨画を、今度は立ち止まって、鑑賞するだろう。 そして、無機質な物に囲まれている気でいた自分の周りの生命に、ふと心を寄せるだろう。 この本を読んで良かった。

Posted byブクログ

2024/03/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

失敗することが楽しければ、成功したらもっと楽しいに決まってる また新しい世界を知れた。水墨画! 著者も水墨画家なんだね。 湖山先生が青山くんを見つけてくれてよかった。たくさんの金言に出会えてよかったー。メモしたからたまに見返そ。続編も読む!

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2024/03/24

2019年刊。水墨画の世界が舞台、という珍しい?小説。想像していたようには展開は進まなかった、ステレオタイプでは無かった。真っ白な紙の上に世界を描き出すと言う点では、水墨が特別では無いと思うが、「修正出来ない」「ほぼ一気呵成に描き上げる」と言う点で、本書にもあるがアスリートの要素...

2019年刊。水墨画の世界が舞台、という珍しい?小説。想像していたようには展開は進まなかった、ステレオタイプでは無かった。真っ白な紙の上に世界を描き出すと言う点では、水墨が特別では無いと思うが、「修正出来ない」「ほぼ一気呵成に描き上げる」と言う点で、本書にもあるがアスリートの要素は確かにあると感じる。両親の不幸から、命の大きな流れから孤立してしまった主人公。水墨を通し、関わる人々との関係性を含めて、命の流れに帰っていく物語、と言うふうに理解した。面白かった。

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2024/03/14

墨のにおいがしてくるような、そんな素敵な本だった。心の中で、水墨画を想像しながら、読んだ。何か描きたくなった。

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2024/03/09

両親を交通事故で亡くした喪失感から立ち直れないままでいる大学生・青山は、偶然手伝ったバイトによって水墨画の巨匠・湖山と出会う。 彼に才能を見出した湖山は直々の弟子として青山を預かり、青山も少しずつ水墨の世界に魅せられていく。 何度も何度も泣いてしまった。それも嗚咽とかではなく、...

両親を交通事故で亡くした喪失感から立ち直れないままでいる大学生・青山は、偶然手伝ったバイトによって水墨画の巨匠・湖山と出会う。 彼に才能を見出した湖山は直々の弟子として青山を預かり、青山も少しずつ水墨の世界に魅せられていく。 何度も何度も泣いてしまった。それも嗚咽とかではなく、自然と涙が流れてしまうパターンのやつ。 静かに孤独と向き合ってきた青山が、自分でも気づかないうちに少しずつ快復して、世界の美しさに気づいたとき、心から良かったと思えた。 水墨画の世界も奥深いなあ。いろいろと観てみたい。

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2024/02/17

 水墨画を見た経験はないが、絵の描写や技法を何となく思い描くことができた。でも、とにかく実際を目にしたいという思いに尽きる。  作品ももちろんであるが、一番は、描くところを見てみたい。逆筆の技法、描くのが早いとはどんな感じなのだろうか?  冒頭に出てきた、赤にしか見えない薔薇の水...

 水墨画を見た経験はないが、絵の描写や技法を何となく思い描くことができた。でも、とにかく実際を目にしたいという思いに尽きる。  作品ももちろんであるが、一番は、描くところを見てみたい。逆筆の技法、描くのが早いとはどんな感じなのだろうか?  冒頭に出てきた、赤にしか見えない薔薇の水墨画も気になって仕方ない。

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2024/02/12

主人公の心の快復とモノを見た時の表現の豊かさが比例していて、とても面白かった。 爽やかで、目の前に花が咲いているような幸福な気持ちになれる。

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2024/02/11

爽やかな読後感、こういう小説好きです。 湖山先生は「出来ることが目的ではない、やってみることが目的」なんだと。たしかに。 そして「生きる意味を見出して、この世界にある本当にすばらしいものに気づいてくれればそれでいい」と、、、こういうことを伝えられる大人になっていかなくちゃなと思い...

爽やかな読後感、こういう小説好きです。 湖山先生は「出来ることが目的ではない、やってみることが目的」なんだと。たしかに。 そして「生きる意味を見出して、この世界にある本当にすばらしいものに気づいてくれればそれでいい」と、、、こういうことを伝えられる大人になっていかなくちゃなと思いました。

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2024/02/03

物語の始め、17歳で両親を事故で亡くした主人公の心が閉じこもったのは白い壁の部屋。 偶然出会った水墨画の世界はモノトーンからはじまるが、薔薇の水墨画が鮮やかな赤のインパクトを与え、主人公の心が動き出す。 水墨画家が描く水墨画の世界、文章で鮮やかな情景を描く表現に感動しました。

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