生のみ生のままで(下) の商品レビュー

綿矢りさ(著者)

2024/03/26

「なんだか登場人物に感情移入はしにくいけれど、夢中で楽しく見てしまった連ドラの再放送」といった感じで読み終わった。
どこか遠くにいる二頭のドーベルマンよ、私たちの人生はけして交わらないだろう。出会わないだろうが、幸せにね。という感じ。
2人はどこかにリアルに存在しているようには感じた。生々しく。

2023/07/01

とても気があって、一緒にいて楽しくて、見た目がタイプ（同性においても好きな見た目はある）であれば、同性を好きになることは、あるよね、
とか思いながら、上巻の恋愛が盛り上がってくるところまでは、問題なく、読んでたんですが、下巻に入って試練が立ちはだかってくるあたりから、どうも私の好みに合わなくてなってきました…。
なぜ、同性を好きになったのか、とか、彼女のどこを好きなのか、とか、そういう説明が多い…。別に、説明いらない…。

2023/02/14

上巻ラストで感じた前途多難の予感は的中、下巻では逢衣に感情移入し苦しい読書時間が続いた。

マスコミへの悪意のリーク、事務所の冷淡な対応、親の無理解、逢衣と彩夏の仲を引き裂くには十分過ぎる要素だ。

読みながら「普通」の意味をずっと考えていた。

人それぞれ「普通」は異なる。

Lesbianだってきっと、本人達にはそれが普通。

親を苦しませる事を解っている本人達の心の痛みはどれ程だろう。

しかし世間体や常識も二人の純粋さの前では霞んでしまう。

一度きりの人生で、男女の垣根を越えて、愛しい人に出逢えた奇蹟を羨ましくさえ感じた。

2022/10/09

無事ハッピーエンドでよかった。画面越しのみで、7年も好きで居続けられるのはすごい。綺麗な女優さんの実写化で見てみたい。

2022/09/06

妻が夫に献身的介護をし、そのおかげで夫は回復して仕事に行きました！めでたしめでたし！ばかじゃないの。

2022/08/07

上巻最後で決定的な写真を撮られた二人。彩夏は世間に公表して引退の道を選ぼうとしたが彼女の夢を知っていた逢衣は離れ離れになる事を選ぶ。それから７年後、彩夏の病気を切っ掛けに二人は再開を果たすが…。お互いを想っているが故の別れで生じたとはいえ彩夏の拗らせ具合にしばらくいらいらする。献身的な逢衣の想いは伝わらないのかも、と思っていたけどある意味さっくり伝わって実はちょっと拍子抜け。一番険しい山を越えた二人の揺るぎないラブラブ振りを見せつけられながら幕が閉じたので読後感は爽やか。別れで終わると想像していたもので。逢衣と彩夏が特殊なのではなく運命の人がお互い女性だっただけ、なスタンスだったのはとても素敵だと思った。

2022/05/11

逢衣と彩夏が今の日本で選べられる、ハッピーエンドに帰結できたことは、祝福したい。

逢衣の母親の拒絶や、芸能界でクローゼットとしてで生きてゆくことにした彩夏の復帰インタビューの部分では、もしかしてまた二人は離れ離れになってしまうのでは……と、読みながら少し心配を抱いていたから。

でも、どうしてこの国は、この国の人たちは、彼女たちをずっとずっと受け入れてくれないんだろう。

きっとわたしの生活の近くにも、逢衣と彩夏はいるんじゃないかなと思いました。

最後に、特に印象に残った文章を引用させていただきます。

「私たちにとっての結婚って何？」
「誓うこと。一生寄り添い愛し合うって神様の前で宣言すること」

2022/04/04

色々考えさせられる話でした。理解してもらえず、まだまだ生きづらい世の中なんだと思います。

二人が悩み、葛藤して考え抜いた答えなので応援したいです。最後のシーンは感動しました。どうぞ、末永くお幸せに。

初めて読んだ作家さんだったので、どういう感じなんだろうと探りながら読みました。とても、描写というか言葉が綺麗だなと思いました。

2022/04/03

お気に入りフレーズ

ー 親といっても子どものいる大人になっただけで、当然のように求められる正しさや義務に応えられるかどうかは、その人間の資質によって違うことを、自分が大人になって初めて知ったからだ。

ー 百年後には間違いなく実在しない自分の手、彼女の手、みんなの手。この肉体を故意に苦しめる必要は、一体どこにあるだろうか？　命は儚い。

2022/01/16

綿谷さんが好きで色々読んでます。
先がどうなるのか、ワクワクして一気に読みたくなる本です。
今の時代に必要な小説かなと思います。LGBTについて考え、こういう恋愛もあるんだろうなと思いました。