生のみ生のままで(下) の商品レビュー
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これ程までに純粋な愛があるのだろうか。権利がどうとか、そういう問題にしていないところも良い。逢衣と彩夏に永遠の幸せを!!
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最近出版された綿谷りさの作品の中で最も評価が高かったので読んだもの。 同性同士で次第に仲良くなり、告白され、同性と分かっていても惹かれてしまうというストーリーがとても自然で、自分にももしかしたらそんな可能性があったのかなと思えた。同性同士で付き合っている人は、自分とは全く別の性的...
最近出版された綿谷りさの作品の中で最も評価が高かったので読んだもの。 同性同士で次第に仲良くなり、告白され、同性と分かっていても惹かれてしまうというストーリーがとても自然で、自分にももしかしたらそんな可能性があったのかなと思えた。同性同士で付き合っている人は、自分とは全く別の性的志向だと線を引きがちだけど、もともとそのような志向ではなかった場合もあるのかも、と視野が広がった。 最終的に2人は結ばれないのかな、と思いながら読んでいたが、綺麗なハッピーエンドで良かった。親や友人へのカミングアウトなど社会的な要素も含んでおり内容がよりリアルに感じられた。長く付き合っていたら周囲も認めざるを得ないこともあると思う。 個人的にこの短さなら上下に分けず一冊で良かったと思う。
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逢衣とのスキャンダルを週刊誌に撮られ、彩夏が芸能界で活躍している間は会うことをやめた2人。 再び会える日を信じて、歯を食いしばって仕事を頑張ってきた逢衣。 逢衣に見放された気持ちでいっぱいで、芸能界の仕事だけ淡々とこなしてきた彩夏は体を壊し、その連絡は逢衣の元にも届いた。 病気に伏せる彩夏を2人の思い出のマンションに呼び寄せ 看病しながら一緒に生活をしてきながら 離れていた7年の歳月を悔やみ、再び変わらない2人の思いが通じていくまで。 互いの存在を失うくらいなら、世間に自分たちの関係を公表する必要もないし、認めてもらえなくても良い。 再び離れ離れにならないためにも、自分たちを守る術を知った逢衣と彩夏。 同性同士とか異性同士とかもう関係なく 2人が離れていた月日の葛藤を読むだけで、涙が出たわ。 世間に理解されなくとも、思い合っている2人が引き離されることがない限り、その愛は永遠のもの。
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ここ数年、すっかりひとつのジャンルとなった感もある同性愛ものである。 完全に個人的な偏見だけど、男性同士であれば大ヒットした「おっさんずラブ」みたいに「おかしくも切ない」話にもなるのだろうが、女性同士はまだちょっと抵抗がある。 主人公の逢衣と彩夏は、交際していた彼氏同士が友人だ...
ここ数年、すっかりひとつのジャンルとなった感もある同性愛ものである。 完全に個人的な偏見だけど、男性同士であれば大ヒットした「おっさんずラブ」みたいに「おかしくも切ない」話にもなるのだろうが、女性同士はまだちょっと抵抗がある。 主人公の逢衣と彩夏は、交際していた彼氏同士が友人だったことから偶然出会う。そこから恋愛に発展するが、当然、周囲に受け入れられるはずもなく、さらに彩夏が芸能人であることから所属事務所は二人を引き離そうとする。 常識的な逢衣と情熱的だが繊細な彩夏、二人のキャラクターが際立っており、それぞれの心情が丁寧に描かれていて、同性愛も男女間の恋愛と全く同じなのだと思った。 7年もの間、離れていてもお互いを思う気持ちは変わらず、再会した二人は、彩夏の病気などを乗り越えて、人生をともに歩む決意をする。 最後まで、家族、世間、社会に完全に受け入れられたとは言えず、そのあたりはリアルに辛口だが、やはりハッピーエンドというのだろう。 読み終わって、気が遠くなるような障害を乗り越えた二人を祝福したい気持ちにはなったものの、やはり自分には理解できないな、という思いを強くした。
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210715*読了 展開に、そんな都合いいことある?と感じてしまう部分はあったものの、印象的なシーンがいくつかあって、心に残る小説でした。 なんだか、2人の女性の気持ちの動き方がやっつけな気がしてしまったのだよなぁ。 小説誌の連載だったから、端折らないといけない部分もあったのか...
210715*読了 展開に、そんな都合いいことある?と感じてしまう部分はあったものの、印象的なシーンがいくつかあって、心に残る小説でした。 なんだか、2人の女性の気持ちの動き方がやっつけな気がしてしまったのだよなぁ。 小説誌の連載だったから、端折らないといけない部分もあったのかなぁと思ったりも。 文章力があるから話に引き込まれたし、悪評をしたいとは思えない。 だけど、このテーマで書くならもっとこうしてほしかったな、と感じてしまったのも事実。うーん。
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表紙の雰囲気から、女性同士の恋愛のイメージは浮かんでいた。 書き出しでバッドエンドが予想されたから、思っていたよりずっとハッピーエンドでホッとした。 お互い異性との順調な恋愛をしていながら、こんな風に衝撃的に同性の相手に恋に堕ちることがあるのだろうか。あるのかもしれないな。異性だろうと同性だろうと、そんなに運命的な出会いには憧れてしまう。 彼女たちはすべてをオープンにすることは選ばなかったけれど、どんな形であれ、守りたいものを守るために強くなる女性は美しい。
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なかなかリアルでは起きえない少女漫画的なありえない設定に「???」となってしまった。昼ドラ的な作品が好きな人は良いかもしれない。 『蹴りたい背中』などにあったテンポの良い文体、シニカルで面白い物語というものを期待して読んではいけない。 新しいものにチャレンジされたのだろうが、...
なかなかリアルでは起きえない少女漫画的なありえない設定に「???」となってしまった。昼ドラ的な作品が好きな人は良いかもしれない。 『蹴りたい背中』などにあったテンポの良い文体、シニカルで面白い物語というものを期待して読んではいけない。 新しいものにチャレンジされたのだろうが、正直LGBTQA+の当事者じゃない限り、その人の葛藤や心の傷というものはリアルに描けないのではないだろうか? 例えば『キャロル』を書いたパトリシア•ハイスミスや『めぐりあう時間たち』の作者マイケル•カニンガムのように...
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世間的に2人は誰にも理解されないまま終わっていった。 「私のことを嫌いな人が間違っているとか悪い人だとかは思わないよ、でもそういう人たちと向かい合うには人生は短すぎる」
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生のみ生のままで<下> 著者:綿矢りさ 発行:2019年6月30日 集英社 初出:「すばる」2019年2月号~3月号 <上巻>は先月11日に読んだものの、この<下巻>の図書館待ちがその時点で29人だったから、順番が回ってくるまでにすっかり内容を忘れているだろうなあと思っていたが、意外にもよく覚えていた。およそ1月で順番が来たせいもあるが、話が単純だったからだろう。 主人公の20代女性は、彼氏との旅行先で彼氏の幼なじみとその彼女、彩夏と出会う。彩夏は芸能人で高飛車だった。しかし、逢衣と彩夏は女性同士の愛へと突入した。愛はそれまで男性専門だったので自分でもびっくり。しかし、本格的な女性同性愛の行為までは躊躇われた。 同居していたが、キスしているところを盗撮され、バレかけた。事務所は必至でもみ消したが、別れることを強要された。 (ここまでが上巻) 下巻は、7年後に再会した二人の単純な恋愛小説。よくある小説と違うのは、男女ではなく、女性同士という点のみ。特段、目新しさなどない展開だった。ドロドロしているわけでもなく、いろいろ障害はあるが、なんとかなるだろうという程度のことばかりで、2人の長いスパンでの行く末は別として、ハッピーエンドで終わる話だった。 まあ、これはこれでいいだろうと思う。これから、同性同士のドロドロとしていないごく普通の恋愛小説が、ごく普通に出版されるかも、とも思う。 ただし、女性同士の詳細な性行為の描写については、男のぼくには理解不可能だし、頭の中でその画もちゃんと浮かばなかった。
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