帰郷 の商品レビュー
重かった。重くならざるを得ないが。短編集なので、なかにはちょっとはてな、と言う感じの話もあったけど。浅田次郎っぽくはない。
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戦中、戦後の話の短編集。当然だけど重い。ハッピーエンドではないが、バッドエンドとも言い切れない不思議なラストが多くて印象的。
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第二次世界大戦終戦前後の短編4話と、もう少し経ってからのお話し2話。 終戦まで生き延びたのに、事情があって故郷に帰れない復員兵、戦争で家族や家をなくし苦労を強いられた人々のお話。 お陰様でぼんやり生きてるけど、二度と戦争をしてはいけないと思い続けなければいけないな。 ...
第二次世界大戦終戦前後の短編4話と、もう少し経ってからのお話し2話。 終戦まで生き延びたのに、事情があって故郷に帰れない復員兵、戦争で家族や家をなくし苦労を強いられた人々のお話。 お陰様でぼんやり生きてるけど、二度と戦争をしてはいけないと思い続けなければいけないな。 浅田次郎さんの本は歴史小説でも、戦争が題材の小説でも読みやすい。日本語が美しいからかな。なのにエッセイは爆笑出来るし。大好きな作家さん。最近の本も読んでみよう。 ちなみにこの本は《大佛次郎賞受賞作》 生前の父に大佛次郎さんの本を買って来るよう言われて、「だいぶつじろう?」って読みを聞いたら呆れられたのを思い出しました。大佛(おさらぎ)さんですよ。
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購入済み。 2023.07.03.読了 短編小説。 戦争に運命を翻弄された人々の物語。 ひとつひとつが切なく悲しいがどこかに優しさや愛が残されていて心の救いになった。 短編なので大作の感動というより、もっと身近な知り合いの体験を聞いているような感覚だった。 やっぱり浅田次郎は何を...
購入済み。 2023.07.03.読了 短編小説。 戦争に運命を翻弄された人々の物語。 ひとつひとつが切なく悲しいがどこかに優しさや愛が残されていて心の救いになった。 短編なので大作の感動というより、もっと身近な知り合いの体験を聞いているような感覚だった。 やっぱり浅田次郎は何を描かせても極上。 『蒼穹の昴』を読了したあと、浅田さんへの気持ちを引きずってこの作品を読むことにしたが、引けを取らないすばらしい短編集
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戦争小説。短編集。 どの篇も悲しい。 「帰郷」については少し未来に希望が持てる。二人の先が幸せであることを祈らずにいられない。 「不寝番」ではファンタジー色が強い展開であったが、二人の交流が違和感なく汲み取れ、それでも元に戻った後を想像すると苦しくなる。 他の篇についても救わ...
戦争小説。短編集。 どの篇も悲しい。 「帰郷」については少し未来に希望が持てる。二人の先が幸せであることを祈らずにいられない。 「不寝番」ではファンタジー色が強い展開であったが、二人の交流が違和感なく汲み取れ、それでも元に戻った後を想像すると苦しくなる。 他の篇についても救われるものが少なく、諦め感も否めず、あっさり終わりを受け入れている場面がなんとも言えない。 自分も戦争を知らない世代であるが、人の生き死にについて改めて考えさせられる機会を与えてもらえた
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子供の頃、白装束の負傷軍人が街角に募金箱を持って立っていた事を思い出した。まだほんの少し戦後が感じられた。その時代の話しもあって、何か懐かしさともう今は戦後の匂いすらないなあ。と、今の子は特に遠い話しなんだろうなぁと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
目次 ・歸鄕 ・鉄の沈黙 ・夜の遊園地 ・不寝番 ・金鵄のもとに ・無言歌 浅田次郎の戦争小説だけを集めた作品集。 もちろんどの作品も上手い。 が、これぞ浅田次郎!というものが戦争小説という括りの中で、どこまで発揮できたのか。 戦争小説って、もっとも個性を消さなければならないジャンルのように思えてしまう。 その中で、戦後の遊園地で働く若者が主人公の『夜の遊園地』にはちょっと驚いた。 生きて日本に帰ってきた兵士の心中をあらわすのに、遊園地という舞台をこう使うのかと。 子どもを育てるお金が必要で再婚した母と、母に置いていかれ家庭に居場所のない青年という構図は、ちょっと前に見た2時間ドラマのようだったけど(男はみんなマザコンってことでいいですか?)。 日本人はいつから死者に対して謙虚じゃなくなったんだろう。 ジャングルの中で死んでいく戦友たちの思いを、日本に連れて帰る、それだけを胸に生きのびて日本に帰ってきた傷痍軍人の、誇りと哀しみがこころに刺さる『金鵄のもとに』。 今となっては傷痍軍人という文字を見て、どういう人のことかピンとくる人の方が少ないのだろうけれど。 『無言歌』は最初、ほのぼの系かと思ってしまった。 夢の話から始まる。 寝る時に見る方の夢。 随分のんきだなあと思いながら読んで、最後に状況がわかった時の衝撃。 ”戦死だろうが殉職だろうがかまうものか。俺は人を傷つけず、人に傷つけらずに人生をおえることを、心から誇りに思う” そしてチャップリンの映画で有名な「スマイル」を歌うのだ。 鼻唄で酸素を使い切るために。
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浅田次郎が描く戦争にまつわる短編集。 と、いっても派手なドンパチは出てこない。 舞台は終戦直後の闇市であったり、作戦中のひと時であったりするが、どの主人公も人には決して言えないような悲しみを抱えて生きるまたは死ぬ様子を描いている。 生きるか死ぬかという瀬戸際になると、愛する妻...
浅田次郎が描く戦争にまつわる短編集。 と、いっても派手なドンパチは出てこない。 舞台は終戦直後の闇市であったり、作戦中のひと時であったりするが、どの主人公も人には決して言えないような悲しみを抱えて生きるまたは死ぬ様子を描いている。 生きるか死ぬかという瀬戸際になると、愛する妻子や好いた女性が出てくる。 現代の世の中では、恋愛や結婚はエンターテイメントか合理的判断の対象になっているが、本当はそんなものではないのかもしれない。 もちろんフィクションの話ではあるが、戦争は本当に悲惨で最中も終わった後も死ぬよりも生きることが難しい日々をもたらす。 平和が当たり前になっている現代でもやるせなさや苦しみはあるのだが、過去にこういう時代を生きた人々がいて、それはそれほど遠い話ではないという事を覚えておきたい。 そして生きるという事をもっと大きな枠組みで考えていきたい。 そんな事を思った良い作品でした。
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戦時中、戦後を生きる人々の短編集。 戦争は終わってもその時に生きていく人々は何かしらの痛みを抱えながら生きていく。 それは戦争に携わった兵士だけでなく、その子供達まで間接的に影響があって、戦争が終わってもなお苦しいこと、辛いことがあるんだなと、各章の主人公の姿を見て感じた。 ど...
戦時中、戦後を生きる人々の短編集。 戦争は終わってもその時に生きていく人々は何かしらの痛みを抱えながら生きていく。 それは戦争に携わった兵士だけでなく、その子供達まで間接的に影響があって、戦争が終わってもなお苦しいこと、辛いことがあるんだなと、各章の主人公の姿を見て感じた。 どうしても戦時中ばかり焦点が当たりやすくなる気がするが、戦後を生きる人たちのことももっと知ることも反戦を促すためには必要だと思う。
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大佛次郎賞受賞作。 太平洋戦争が市井の人々に残した爪痕を描いた6編からなる短編集。 戦場でまさに砲弾に倒れようとしている青年や沈みゆく潜航艇の中で同僚と夢について語り合う青年。 自らの命が消えるとき彼らは何を思ったのか。 南方の激戦地で日本兵たちを襲った凄まじい飢餓。極限の状態で...
大佛次郎賞受賞作。 太平洋戦争が市井の人々に残した爪痕を描いた6編からなる短編集。 戦場でまさに砲弾に倒れようとしている青年や沈みゆく潜航艇の中で同僚と夢について語り合う青年。 自らの命が消えるとき彼らは何を思ったのか。 南方の激戦地で日本兵たちを襲った凄まじい飢餓。極限の状態で起こった出来事は終戦後、彼らの生にどんな影響を与えたのか。 もはや戦後ではなくなった今、私たちが戦争について考えるために必ず必要となる一冊だ。
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