黄色い実 の商品レビュー
紅雲町珈琲屋こよみ、第7作。 自分が好きな物を集めた小さな店をやっている、お草さんが探偵役のシリーズです。 若い店員の久実は元気で明るく、働き者。 店に来た山男・一ノ瀬とふとしたきっかけで親しくなります。微笑ましく見守る草だったが… 一ノ瀬も、意外と訳あり? 店の常連になった...
紅雲町珈琲屋こよみ、第7作。 自分が好きな物を集めた小さな店をやっている、お草さんが探偵役のシリーズです。 若い店員の久実は元気で明るく、働き者。 店に来た山男・一ノ瀬とふとしたきっかけで親しくなります。微笑ましく見守る草だったが… 一ノ瀬も、意外と訳あり? 店の常連になった一人に、かってアイドルだった女性がいました。今は目立たないように暮らしている様子。 一方、地元の名士の妻も常連で、息子が帰郷するために地元の仕事の口利きを頼まれます。 まさかそれが… 思わぬ事件が久実にふりかかり、正義感の強い草としては犯人を突き出したい。 だが性犯罪の場合、二次被害も大きくなって深く傷つく可能性があります。 なんでこんなことに、とシリーズを長く読んできて久実さんは身近に感じられるだけに、こちらも重い気持ちになりました。 地元に密着した暮らしの中で起こる、日常の謎系のシリーズですが、甘くもゆるくもない。 けれども、久実さんは健全で強い! 悲しみを奥に秘め、老いを見据えて覚悟ある生活を送るお草さんが築き上げた穏やかな生活も、その強さの、確かな支えの一つですよね。
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紅雲町でコーヒー豆と和食器のお店、小蔵屋と営むお草さん。 常連さんの付き合いで物件を見に行って出会ったのは風変わりだけど力になる一ノ瀬で 小蔵屋の従業員の久美とはいい関係になっていった。 同じくお店の常連の百合子から、息子の就職先を頼まれ、 うまい具合に円滑に物事を進めるお草さん。 そんな矢先に小蔵屋の第二駐車場で起きた、 常連客の織里江さんが暴行を受けたという話を聞き、他人事ではないと心配する中で 久美の様子がおかしいことに気づいたお草さんの疑問と葛藤。 ネタバレ。 就職先を紹介した客の息子の佐野は前の職場でも女性を暴行しており、今回も織里江や久美は未遂に終わったものの罪を重ねていた。 警察に届ける勇気、被害者にすらも周囲の遠慮のない噂、 そういったものから守るお草さんや一ノ瀬たちの気遣い。 今も昔も性暴力の被害に遭う人はいつだっているのが現状で、 こんなことを思うのは不謹慎かもしれないけれど、 きっと未来すらもまだ解決できない問題の一つになるのかもしれない。 戦争が現代にもあるのと同じように。 最初は些細でも、そういった小さな出来事から歪みが出てくるのかもしれないなあ、と思った。 だから私たちは声を上げ続けなければならない。 お草さんの久美ちゃんを思う気持ちと、 久美ちゃんの葛藤も十分胸に染みて、もどかしくも未来が明るい方向に進んでくれてよかった。 って色々考えさせられる今回のお話だった。
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他の人の感想を見て、重い話なんだろうな… と予想はしていたものの やはり辛い話だった。 加害者の人となりが今ひとつよくわからなかったけど、却ってそれが良かったのかも。 とにかく、久実ちゃんが小蔵屋に残ってくれて良かった。
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シリーズ一気読みしたら、これは未読であった。 今回も、というか今回は特にしんどい試練の連続。 出てくるみんなが強くたくましい。 自分に一番近いのは、哀しいけれど 無頓着に噂する客のような気がしてならなかった。 人として正しいことと身内を想うそれぞれの気持ちの狭間で一緒になってもが...
シリーズ一気読みしたら、これは未読であった。 今回も、というか今回は特にしんどい試練の連続。 出てくるみんなが強くたくましい。 自分に一番近いのは、哀しいけれど 無頓着に噂する客のような気がしてならなかった。 人として正しいことと身内を想うそれぞれの気持ちの狭間で一緒になってもがき苦しんだ。 次を早く読みたい。 そこで笑顔で働くみんなに逢いたい。 [図書館·初読·5月22日読了]
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お草さん7冊目。非常に重い内容。まさか久実ちゃんに作者がこんな試練を与えるとは。これまで通りどこかスッキリしない思いで読了。ただ巻末付記を読み、作者なりの昨今の#MeToo運動やほかの事件に対する思いがあったとわかり、作者として精いっぱいの声の挙げ方なんだと納得。平緒里江は伊東詩織さんに重ねられ、本作も彼女にささげられていると思いたい。この声の挙げ方はありだと思う。新登場人物の一ノ瀬公介くんには好感。久実ちゃんといい関係を続けていって欲しい。
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小蔵屋お草さんシリーズ第7作。 あらすじ ひょんなことがきっかけkで、店を訪れた山男一ノ瀬と従業員久美は距離が近くなる。店の常連には、元アイドルで今は派遣社員の女性が来ていた。草は客の一人で、大学教授の妻から、息子の就職の斡旋を頼まれ、息子は町に戻ってくる。しかし、その息子は元アイドルを暴行し、久美にも暴行未遂をしていた。さらに一ノ瀬は地元企業の一族であり、亡くなった弟の妻とも関係があったことがわかる。 今作も甘くないわー。現代はご都合主義のものが、小説も映画も漫画もたくさんあるなかで、なかなかないよ、この甘みの少なさ。今回は女性暴行事件ということで、さらにひやひやした。被害者への世間の風当たりも、昨今の現実社会の様子が反映されているようでちょっとつからかった。久美の苦悩なんか、本当にありそう。それでも人生は続いていくし、周りに人がいるんだということが実感できた。久美の前向きさも好きだ。このシリーズ読んでると、年とるのも悪くないないと思える。
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由紀乃さんがいてくれて、本当に良かったと思える巻。 書き下ろしなので、佐野教授父子は例の農水次官父子の事件とは関係ないか。何か髣髴とさせるが。 「どうかしていますよね、被害者が何もかも失うなんて」 そんな世の中にしてはいけないんだ。山口敬之を支持するネトウヨども、心せよ。 お草さ...
由紀乃さんがいてくれて、本当に良かったと思える巻。 書き下ろしなので、佐野教授父子は例の農水次官父子の事件とは関係ないか。何か髣髴とさせるが。 「どうかしていますよね、被害者が何もかも失うなんて」 そんな世の中にしてはいけないんだ。山口敬之を支持するネトウヨども、心せよ。 お草さん、いずれ糸屋を買ったりして。そこに第二小蔵屋を開いて、久実と一ノ瀬に任せるとか。 子供達全員を自分の会社に入れたがるなんて、変な親。四人もいるんだから、一人や二人畑違いの好きなことさせればいいのに。家業を継いだ兄達の嫉妬があったのかな。
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今回はお話としてかなりスキャンダラスでした。 これから久美さんはどうなるのか? 草さんは? とか次への期待が膨れます。
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こういうテイストだったっけ?~早に家を買わないかという話が舞い込み、関係者が訪ねていくとも伝えていたが、やってきたのは臭い山男。追い返したのは久美だ。糸屋という屋号の家に住む春から秋を山で過ごす一ノ瀬という男は、梅で有名な食品会社の三男だった。佐野という地域経済専門の大学教授の息子の再就職先を紹介してやったところ、オリエという名でアイドル活動をしていた地元旅行会社に務めている女性が、小蔵屋の第二駐車場でレイプ被害にあったと訴えている。同情する声と、再デビューを考えているんだろうという非難の声が上がるが、草は第二駐車場でオリエのものではないショーツと靴下片方を拾っていた。蝋梅を車に積むときに、靴下の片割れを見つけたのだ。新しい被害者を出さないためには、勇気を振り絞る必要があると草は訴えるのだが、未遂に終わったとは言え、名乗りを上げるのに久美は抵抗する。恋仲になった一ノ瀬は沢で遭難した弟の話を持ち出し、誤った道標のせいで弟は死んだんだと告げる…~随分前に読んだんで雰囲気を忘れていた。「65歳で商売替えをして…」って書いてあって、今何歳って設定なんだろうかと考えてしまうほど、行動力がある
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かなり苦いお話だった。まだ未遂で良かったけど。久美が言い出せない気持ちもよくわかるよね。オリエさんが可哀想すぎる。最終的には捕まってよかったけどね。法律が変わっても、オリエさんの親告だけだと逮捕は難しかっただろうなぁ。寺田さんがいい味出してるよね。彼氏がいい人で良かったな。
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