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ショーペンハウアーとともに の商品レビュー

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3件のお客様レビュー

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2021/08/18

ウェルベックによるショーペンハウアー解説本 解説、というより礼賛に近い 私の好きな小説家や芸術家は元を辿ればショーペンハウアー(部分的にはカント)に行き着く事が多い 本書も例外でなく、ウェルベックの観点からショーペンハウアーを解釈するのは楽しかった。 途中でプツリと終わってし...

ウェルベックによるショーペンハウアー解説本 解説、というより礼賛に近い 私の好きな小説家や芸術家は元を辿ればショーペンハウアー(部分的にはカント)に行き着く事が多い 本書も例外でなく、ウェルベックの観点からショーペンハウアーを解釈するのは楽しかった。 途中でプツリと終わってしまうが、想像の余地を残しているようにも感じられる

Posted byブクログ

2019/08/03

立派な装丁の割には、きわめて短い本である。 筆者が気に入ったショーペンハウアーの一節を引用し、それについて、小説家としてはあまりにも素直な注釈が加えられる。それだけショーペンハウアーに対する愛着が強いのだろう。 私が気になったのは序文(作者ではなく、アガト・ノヴァック=ルシュヴ...

立派な装丁の割には、きわめて短い本である。 筆者が気に入ったショーペンハウアーの一節を引用し、それについて、小説家としてはあまりにも素直な注釈が加えられる。それだけショーペンハウアーに対する愛着が強いのだろう。 私が気になったのは序文(作者ではなく、アガト・ノヴァック=ルシュヴァリエという批評家が書いている)に書かれていることだ。 ①著者のウエルベックはオーギュスト・コントとの出会いから(消極的に)実証主義者になり、ショーペンハウアーから離れている。 ②「世界が、意志として、欲望として、生の躍動として実在し、他方で表象として、知覚される」という論旨が、現在の自由主義における「スーパーマーケットの論理」によって打ち負かされている。 以上のことを、ウエルベック当人による筆で詳しく語って欲しかったというところがある。私はショーペンハウアーの著書の敷衍より、むしろ一個人が如何にショーペンハウアーという道を歩いたかということに、より興味があった。そういう意味では、少し残念でもある。 残念といえばひとつ、この本は分量のわりに高すぎる。 しかし装丁は美しく、私は久しぶりに帯を捨てない本に出会った。しかし肌触りに関しては注意が必要なところで、たとえば紙の端で表紙を擦ったりすると、悪魔のようなおぞましい感触と音とを体験することになる。これはどうでも良いことか。

Posted byブクログ

2019/06/09

ミシェル・ウエルベックの最新刊は哲学者・ショーペンハウアーについてのエッセイ。 唐突に始まり、唐突に終わるという構成が妙にウエルベックらしくて面白い。巻末の訳者あとがきにもあるように、もう少し読んでみたい気分だが、やや物足りないぐらいが丁度良いのだろうか。 ちょっと変わった判型や...

ミシェル・ウエルベックの最新刊は哲学者・ショーペンハウアーについてのエッセイ。 唐突に始まり、唐突に終わるという構成が妙にウエルベックらしくて面白い。巻末の訳者あとがきにもあるように、もう少し読んでみたい気分だが、やや物足りないぐらいが丁度良いのだろうか。 ちょっと変わった判型や、黒と黄色のスタイリッシュな装丁も気に入っている。

Posted byブクログ