最後のレストラン(13) の商品レビュー
ネタバレと言うほど、大袈裟じゃないが、この(13)で来店するお客様は美女オンリー これまでも、大勢の女性客が、「ヘブンズ・ドア」で園場たちの料理に舌鼓を打ち、人柄に触れ、言葉で満足して逝った 一巻丸々で女性客ばかりってのは、初の試みではあるが、当然、この巻でも、お客様をガッカリは...
ネタバレと言うほど、大袈裟じゃないが、この(13)で来店するお客様は美女オンリー これまでも、大勢の女性客が、「ヘブンズ・ドア」で園場たちの料理に舌鼓を打ち、人柄に触れ、言葉で満足して逝った 一巻丸々で女性客ばかりってのは、初の試みではあるが、当然、この巻でも、お客様をガッカリはさせていない 満足する死とは何だ、その質問に対する、ドンピシャな答えはなく、人それぞれであるのは言うまでもないけど、少なくとも、自分のリクエストにしっかりと応えてくれた料理で舌、腹、心が幸福感を覚えたのなら、不満足ってことはなかろう どうして、藤栄先生が、この(13)を女性客のみにしたのか、その理由は、私なんぞにゃ察せぬけど、アリだと思う 藤栄先生は、女性を女性として見てるんだなぁ、と感じられた 男より劣っている存在であると蔑まず、男より優れていると妬まず、自分にしか出来ない生き方をしている女性に対しては、対等な敬いの心があるからこそ、この(13)で来店した女傑らの生き様を、藤栄イズムで描けるのではないか 世界と歴史には、まだまだ、日本人がよく知っていない、偉業とまではいかないにしろ、確固たる覚悟を持っていた女性がいるもんである 彼女達のキャラクターを教えてくれた、この(13)も、実に良い味だった 来店したお客様を料理と接客で満足させる、料理人かつ経営者として、当たり前だけど難しい事をやってのけている園場には、素直に感服する とは言え、女性問題に対する進展が、ちょっと参るな、とは心配に 元からの性格や、これまでの経験もあって、恋愛や結婚について、どこか及び腰である園場 ジャンヌと好美に二股をかけている訳ではないにしても、どちらからも特別な感情は、ハッキリと向けられている訳だから、その時が来たら、答えは出さなきゃならない まぁ、何だかんだで、彼なら腐った行為はしないだろう、と思えるだけの信頼はしているんだけど この台詞を引用に選んだのは、園場らしい、と感じる一方で、仕事をしている人間にとっては大事かもな、と考えたので 失敗はしない方が良いに決まっている しかし、綿密に準備しても、失敗は起きてしまう事もある では、準備はするだけ無駄なのか そうじゃないと思う 準備はしておいても、失敗は起きるかもしれない、と気を付けておく事で、行った準備の粗が見えて、直す事が出来る それによって、偶発的な要因から生じた失敗が、致命的なものになってしまう事だけは避けられるんじゃないだろうか。また、そういう人は、失敗から、ちゃんと学んで、次の人が失敗しないフォローが出来る 逆に言えば、その意識がない人間は、取り返しのつかないミスをして、自力で挽回も出来ないだろう こうやって飄々と、悪びれもせずに言ってのけられる園場凌と言う男だからこそ、何気に、大失敗はしてないのだ 「失敗はおり込み済みだったの?」 「まあ、いくら、ベストを尽くしても、失敗する時はするので仕方ありませんよ」(byアメリア・イアハート、園場凌)
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死を目前にした世界の偉人が訪れるレストラン。 もう13巻なんですね。今回はポカホンタスや 細川ガラシャ、エカチェリーナ2世など、 1巻まるごと女性のお客さま特集といった感じでした。 今でこそ女性の社会参画は珍しくありませんが、 今巻登場の歴史上の女性たちが過ごした時代は 政治や文...
死を目前にした世界の偉人が訪れるレストラン。 もう13巻なんですね。今回はポカホンタスや 細川ガラシャ、エカチェリーナ2世など、 1巻まるごと女性のお客さま特集といった感じでした。 今でこそ女性の社会参画は珍しくありませんが、 今巻登場の歴史上の女性たちが過ごした時代は 政治や文化の環境もずいぶん違っていましたし、 さまざまな苦心・苦労があったのだろうと改めて感じます。 偉人たちが訪れ、帰ったり残ったりする条件をはじめ 物語世界の大筋が止まったままなのが少し気になりますね。 加えて画風も少し変わってきたような…。 どう続き、どこへ向かおうとしているのか、気になります。
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