ニック・ランドと新反動主義 の商品レビュー
メランコリーと人間以後への志向、死への欲動が広く覆っているからこうした思想も出てくるんだろうなと思った。その理由は本書にもあるが「未来に期待できないから」。戦争、貧困、エネルギー、技術革新、格差などなど、累積された問題の前では明るい未来を描く方が難しい。 そうした傾向はダークな作...
メランコリーと人間以後への志向、死への欲動が広く覆っているからこうした思想も出てくるんだろうなと思った。その理由は本書にもあるが「未来に期待できないから」。戦争、貧困、エネルギー、技術革新、格差などなど、累積された問題の前では明るい未来を描く方が難しい。 そうした傾向はダークな作風の漫画やアニメが評価される最近のサブカル界隈にも見出せる。こうした絶滅の予感は長く抱かれているが、それは人類が罹った一過性の病なのか予測なのか。病であってほしいと思うばかり。
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真っ黒な装丁で中二病の心をくすぐる。 4章構成で1章が暗黒啓蒙とかかわりの深いペイパルの創業者ピーターティールの話、2章がヤーヴィンの新反動主義が暗黒啓蒙につながっていくまでの経緯が紹介され、3章ではニックランドを中心とした暗黒啓蒙周辺の思想潮流の紹介、そして4章では加速主義の紹...
真っ黒な装丁で中二病の心をくすぐる。 4章構成で1章が暗黒啓蒙とかかわりの深いペイパルの創業者ピーターティールの話、2章がヤーヴィンの新反動主義が暗黒啓蒙につながっていくまでの経緯が紹介され、3章ではニックランドを中心とした暗黒啓蒙周辺の思想潮流の紹介、そして4章では加速主義の紹介がなされる。サブカルチャー紹介程度の気持ちで読んだが、思ったよりも哲学・思想色が強く特に3章はかなり観念的で神秘主義的な部分もあり、読みにくかった。特に思弁的実在論(SR)などは言葉遊び程度にしか感じられない。1章のピーターティールの『スタンフォード・レビュー』にまつわる話などは、ポリティカルコレクトネスにまつわる議論が1990年代から存在したという点について新鮮に感じた。この辺りは単純に読み物として面白い。2章、3章は比較的思弁的内容が多く退屈だった。4章の加速主義は比較的に論点がよくまとまっていたように思える。本書によれば、技術を制御可能な形で発展させる穏健な「左派加速主義」は死に絶え、「無条件的加速主義」や「右派加速主義」が影響力を持っているらしい。加速主義には適当なインターネットの人間が言っている妄言程度の印象を持っていたが、一応『アンチ・オイディプス』『象徴交換と死』『リビドー経済学』あたりの文献からインスピレーションを受けている側面があるとのことだった。 すでによくなることが想像できない「失われた未来」を予感しニヒリスティックにあるいは黙示録的に未来を肯定する加速主義に、過去に倒錯的なノスタルジアを求めるヴェイパーウェイブとの思想的関連性を見出す話も興味深い。 ネット上の思想潮流はかつての文壇などと同等以上の影響力を持っており、今や無視できない側面もあるだろう。そのような点でいえば興味深くはあった。
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果たして「加速主義」がどの程度のリアリティをもつ「思想運動」なのか、ニック・ランドがそこまで重要なのか、その辺のリアリティを共有できないと意味不明な文章ではある。ただし、個人的にはピーター・ティールがルネ・ジラールに師事していた点に驚いた。誤読!としか思わないけど、本書全体が「フ...
果たして「加速主義」がどの程度のリアリティをもつ「思想運動」なのか、ニック・ランドがそこまで重要なのか、その辺のリアリティを共有できないと意味不明な文章ではある。ただし、個人的にはピーター・ティールがルネ・ジラールに師事していた点に驚いた。誤読!としか思わないけど、本書全体が「フランス現代思想」の英米圏での「誤読」の記録なのかと思うとなかなか憂鬱にもなってくる。。 ニック・ランドは「面白さ」による「誤配」を実践した人物ではある。彼のフォロワーは、旧来の左翼的「真面目さ」を引き継いだ「カルスタ」にはない”ヤバさ”に惹きつけられたのではないかな。後年の人たちから見るとバカみたいなものに熱狂するのが世の常なので、仕方ないことではある。さらに、1990年代のランドたちの活動の多くがウェブという一旦消えると遡ることが難しいメディアだったものを、紙にして記録し紹介した点に本書の意義があると思う。 引用。「ベンジャミン・ノイズはランド的加速主義を「大学院生の病」と総括している。これから激しい就職戦線に放り出され、そして死ぬまで労働の奴隷となる運命の大学院生たちに、加速主義は一種のイデオロギー的ストックホルム症候群を与える。つまり、終わりなき資本主義のホラーを、疎外と消尽の享楽へと変容させるのである」(p.198)。この箇所が個人的に染みた。。(記述のソースはRosa JANIS "The Future is the Past: The Failure of Accelerationism"らしい)
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民主主義な制限がある体制に不満を持つ「優勢」的な思想を持つもの、キリストのような平等、道徳的、愛を。そういった宗教に自由を奪われているように感じるらしいが、それがなくなってしまったり、薄れるとどうなるんだろう?と不思議に思った。
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ニックランドを中心に、その影響を受けた方々など、新反動主義といわれる潮流について解説されています。現代社会の大きな根本となっている資本主義という考え方、そこから発生している問題点にどう向き合うのか。今までの社会の形が変わっていくなかで、どの変化にどう対応していくのか。それは旧世代...
ニックランドを中心に、その影響を受けた方々など、新反動主義といわれる潮流について解説されています。現代社会の大きな根本となっている資本主義という考え方、そこから発生している問題点にどう向き合うのか。今までの社会の形が変わっていくなかで、どの変化にどう対応していくのか。それは旧世代の常識からは外れた考え方を必要とするものかと思われますが、なかなか想像しにくいものかとも考えられます。そういった新しい考え方をする方々の活動を、本書では紹介されており、現在の私たちの多くは、なぜそれに馴染まないのかも、私たちは何に逃げているのかも、考えさせるような内容です。とはいっても、ごく最近の考え方というわけでもなく、時代の中でゆっくり育ってきたものが出てきているのかと。この主流となりつつある考え方に向き合わない限り、新しい世代とのジェネレーションギャップに戸惑うばかりという未来を感じつつあります。
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トランプ大統領を陰で支えているとも言われるピーターティールをはじめとした裏で世界を動かしている人たちについての本です。優生思想や極右、陰謀論と結びつくちょっと危険な本ですが、一読には値すると思います。
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新反動主義や加速主義など、現代思想についてざっくり知れるだけではなく、その思想が生まれた経緯や、影響を与えた過去の思想についても紹介されており、とても興味深い。 真新しいように見えても、過去に回帰している部分が少なからずあるのだと実感した。
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木澤佐登志「ニック・ランドと新反動主義」読了。新反動主義は暗黒啓蒙とも呼ばれ平等主義や資本主義を疑問視する先鋭的な考え方。国境を越えるネット社会の負の側面を垣間見る様に思えた。一方、Vaporwaveというポップカルチャーとの融合は初期のパンクロックみたいで個人的にとても面白い...
木澤佐登志「ニック・ランドと新反動主義」読了。新反動主義は暗黒啓蒙とも呼ばれ平等主義や資本主義を疑問視する先鋭的な考え方。国境を越えるネット社会の負の側面を垣間見る様に思えた。一方、Vaporwaveというポップカルチャーとの融合は初期のパンクロックみたいで個人的にとても面白いと思った。
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近現代の思想家ともなると引用元がブログだったりするのだな 私があと5歳くらい若かったら完全に「暗黒啓蒙」に取り込まれていたと思う
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黒を基調にした異様な装丁に厨二心をくすぐられ、思わず手に取ってしまいます。デザインの勝利。 中身ですが、政治、哲学にあまり明るくない大学生にも辞書の助けを借りながらなんとか読み切れました。 そもそも最近よく耳にする「オルタナ右翼」「加速主義」とはなんぞや?という解説と、Vapor...
黒を基調にした異様な装丁に厨二心をくすぐられ、思わず手に取ってしまいます。デザインの勝利。 中身ですが、政治、哲学にあまり明るくない大学生にも辞書の助けを借りながらなんとか読み切れました。 そもそも最近よく耳にする「オルタナ右翼」「加速主義」とはなんぞや?という解説と、Vaporwave (電子音楽のジャンル)やクトゥルフ神話などとの思想的親和性に対する考察も盛り込まれ、単純に読み物として楽しめます。
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