富士日記 新版(上) の商品レビュー
夏休みに旅行に行きたいけど暑すぎるし人も多いし...という方は、読書で旅行気分を味わうのもお勧め。 本書は武田泰淳の妻百合子が富士山麓の山荘生活を綴った日記。本宅は赤坂のマンションで、流行中の二拠点生活を半世紀以上前に先取りしている。食事のメニューと毎日の行動、買い物の細々し...
夏休みに旅行に行きたいけど暑すぎるし人も多いし...という方は、読書で旅行気分を味わうのもお勧め。 本書は武田泰淳の妻百合子が富士山麓の山荘生活を綴った日記。本宅は赤坂のマンションで、流行中の二拠点生活を半世紀以上前に先取りしている。食事のメニューと毎日の行動、買い物の細々した記録を読んでいると、東京と地方の文化的格差が激しく、不便で、良くも悪くも大らかだった昭和40年代にタイムスリップした気分になる。行動的で煙草を嗜み、口は悪いが料理上手の百合子が恰好良い。 この夏は昭和40年代の富士山麓への旅はいかがでしょう。
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犬が星見たを読んでからすっかり武田百合子ファンになってしまった。 難しことは一切なし、特別なことが書かれたいるわけでもないのに、面白い。 昭和の時代、高度経済成長期ってこんな感じだったんだ。 同じことを繰り返す普通の毎日に小さな喜びを見つける幸せ。
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富士山麓の山荘での日常を綴った日記。筆者の家族の日常を書いているので、何も大きな事件は起きない。ただ日常が描かれる。少々退屈。 買い物の記録も多く、50年以上前の物価が分かる。今と比べて全然安いものもあれば、あまり変わりがなくない?というものもあり面白い。 日記の文体が参考になっ...
富士山麓の山荘での日常を綴った日記。筆者の家族の日常を書いているので、何も大きな事件は起きない。ただ日常が描かれる。少々退屈。 買い物の記録も多く、50年以上前の物価が分かる。今と比べて全然安いものもあれば、あまり変わりがなくない?というものもあり面白い。 日記の文体が参考になった。
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何回読んでも、最後まで読みきれない本ってやつが、たまにある。この本が読みきれなかったのは三度目。ああ、まさに3度目の正直だったのに。また今回も読みきれなかった。これはもう買おう。うん。それで読むか、きっぱり諦めよう。 それはともかくとして。本書は田村俊子賞を取った名随筆である。...
何回読んでも、最後まで読みきれない本ってやつが、たまにある。この本が読みきれなかったのは三度目。ああ、まさに3度目の正直だったのに。また今回も読みきれなかった。これはもう買おう。うん。それで読むか、きっぱり諦めよう。 それはともかくとして。本書は田村俊子賞を取った名随筆である。人が、ご飯を食べたり買い物したり、そういう細々した事って、なんてまあ読んでいて楽しいのだろうか。富士山麓の麓の避暑地での、本当になんでもない日常。だけれど文章にすると、本当にささやかで愛おしい。大したことが書いてないと、退屈なさる方もいるだろう。でも、好きな方は本当に、武田百合子の文章にハマってしまうはずだ。 私は、日記を読みたい方には、今後、この本と、永井荷風と、正岡子規の随筆を勧めようと思う。どれもちょっと似てはいないだろうか。美味しいものが好きで、小さな日常に、豊かな精神世界をぎゅっと凝縮させて暮らしていたひとたちの記録ってところが。 やっぱりきっと、もう一度読むって、私は言い出すのだろうなあ。
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昭和40年12月の車の故障の描写がうますぎて、笑えない状況に笑ってしまった 昭和41年6月のタイヤホイールカバーが外れた日の話が切なくて胸がきゅってなる 百合子氏の気強いけど家族の前だと甘えられるところに惹かれる 武田一家も好きだし、富士山麓の人たちがいいな 知らない人たちなのに...
昭和40年12月の車の故障の描写がうますぎて、笑えない状況に笑ってしまった 昭和41年6月のタイヤホイールカバーが外れた日の話が切なくて胸がきゅってなる 百合子氏の気強いけど家族の前だと甘えられるところに惹かれる 武田一家も好きだし、富士山麓の人たちがいいな 知らない人たちなのに知ってる人みたい
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小説家、武田泰淳の妻、武田百合子氏の日記です。 私は再再読くらいで、小説家、泰淳の著作は読んだことがなく、百合子氏の方が知っていますね。 日記の中では夫、泰淳があり、妻の百合子があるって感じですけど、私の中では百合子氏が「主」というか。 こちら上巻は、昭和39年7月から昭和4...
小説家、武田泰淳の妻、武田百合子氏の日記です。 私は再再読くらいで、小説家、泰淳の著作は読んだことがなく、百合子氏の方が知っていますね。 日記の中では夫、泰淳があり、妻の百合子があるって感じですけど、私の中では百合子氏が「主」というか。 こちら上巻は、昭和39年7月から昭和41年9月までの記録です。 主に富士山の麓での生活記録で、自然の美しさ、厳しさも「当事者」として瑞々しく描かれていますが、時折見せる鼻っ柱の強さが私は好きで。 この時代のことなので、小説家たる夫に甲斐甲斐しく尽くして、夫も「主然」としていて……というのもあるにはあるのですが、概ね鼻っ柱の強い女性です。 百合子が泰淳を乗せて車を運転していたとき、自衛隊の車と諍いになって。 相手が悪いと息巻く百合子は隊員に「バカ!」って言うんですが、横に乗っている泰淳が「男にバカと言うとはなんだ!」って激怒するんですね。 それに対して百合子はその場で泰淳に何か言ってはいないようですが、「隣にも敵がいるとは」みたいな感じで、泰淳が暴走運転が嫌いなことを知っていて、ものすごい暴走運転するんですよ。泰淳は事故の実験の人形のように固まっていたみたいで。 そういうところがとっても好きです。 私もそのくらいの復讐がしたい笑 これを再読しようと思ったの、阿久津隆さんが「読書の日記」の中で読まれていたからなんですが。 本書の中で、交通事故の記述がちょくちょくあって、実際に事故が多いというのもあれど、それを記録に残しているところに、そういうところに目の行く、注意の行く人なのかな、と思ったのですが。 そこでハッと思い出したのが、阿久津さんが書いていたこと。 泰淳が事故にあいかけて百合子は心底恐怖を感じるんですね。嘔吐してしまったほど。 阿久津さん曰く、そこから事故の記述が目立つようになった、みたいな。 (めっちゃ意訳ですが) たしかに。 私の中でも、百合子が泰淳の事故未遂後、そういうことに深層心理で気持ちがいっていて……とか思いました。 点と点が繋がる感がありましたね。 まさに、一人の人が一日一日書き溜めている日記を、あとから第三者がいっきに読むからつながる筆者の深層心理、みたいな。 ただ思ったのは、泰淳の事故未遂は上巻の中盤あたりで、それまで……この出版されている日記の前が実際どうだったのか分からないのと(事故未遂前から注目している人だった可能性も)巻末に寄稿されいる大岡昇平の文章の中でも、中央高速道路が開通して事故が多くなったこと、そして事故ったら大抵死んでしまうとも書かれているので、時代的・場所的にそういうのに意識が向きやすい時だった可能性もあるな、とは思いました。 中下巻読めばその辺りも見方がまた変わるかもですね。 〘クスっとポイント〙 運転中、いわゆるおカマほっちゃうのですが、その理由が(意訳)「イキった車だから止まらないで信号が変わっても進むと思った」 分かります笑 そんなナリして法律遵守!? って思うことありますよね汗 偏見に満ちた目で見てるってことですけど笑 〘こんな人におすすめ〙 日記好きさん。 昭和の、その時代にしては自由な夫婦もの読みたい方。 市井の人の描く自然描写に美しさを感じる方。
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阿久津隆さんの「読書の日記」にて、読まれていた本。 以前より、気になっていてようやく手に取ることができた。 僕は何より、ポコが好きです。 残りの2巻もちまちま読んでいこうと思います。
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何も事件が起こらないただの日記なんだけど、しみじみ文章がうまい。 「ヒューマニズムのような家具」「ニスを塗ったような肌」とか、ここだけ取り出してもうまく伝わらないかもしれないけど、最高に笑える。 死んだ鳥を庭に埋める話も印象深い。ぞっとする。
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家や車がしょっちゅう不具合を起こして修理していたり、これって飲酒運転じゃないかしら…?と思った場面がありました。(日記に登場する大人がよくビールを飲んでいる) 夏は湖で泳ぎ、冬は雪遊び、地元の人たちとの交流など、山での生活を楽しんでいる感じがしみじみと伝わってきて、興味深い本で...
家や車がしょっちゅう不具合を起こして修理していたり、これって飲酒運転じゃないかしら…?と思った場面がありました。(日記に登場する大人がよくビールを飲んでいる) 夏は湖で泳ぎ、冬は雪遊び、地元の人たちとの交流など、山での生活を楽しんでいる感じがしみじみと伝わってきて、興味深い本です。毎日の献立がおいしそう。 中・下巻も読んでみたい。
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202105読了 暮らしぶりや、人となりが感じとれる日記を書くのは、実はなかなかできることではない。もともと作品として世に出す目的で書き始めたわけではないのだろうから、素の記録がこれならば「天性の芸術家」と称される所以、と納得。続きが気になる。●人ごとながらやたらと普請が必要な別...
202105読了 暮らしぶりや、人となりが感じとれる日記を書くのは、実はなかなかできることではない。もともと作品として世に出す目的で書き始めたわけではないのだろうから、素の記録がこれならば「天性の芸術家」と称される所以、と納得。続きが気になる。●人ごとながらやたらと普請が必要な別荘だな、と思う。やたらと車のトラブル多いな、とも思う。
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