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本にまつわる世界のことば の商品レビュー

3.4

21件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2021/11/23

たまたま立ち寄った図書館のカフェで隣に置いてあり、手に取った本。以前購入して大変気に入っている「翻訳できない世界のことば」に似ているなーと心惹かれ読んでみた。 著者代表の藤井光さんがまえがきで書かれていた「ふとしたことばが、まわりの世界を見る目や、世界との接し方を変えてくれる」...

たまたま立ち寄った図書館のカフェで隣に置いてあり、手に取った本。以前購入して大変気に入っている「翻訳できない世界のことば」に似ているなーと心惹かれ読んでみた。 著者代表の藤井光さんがまえがきで書かれていた「ふとしたことばが、まわりの世界を見る目や、世界との接し方を変えてくれる」という一文が大変刺さった。私も「ふとしたことば」との出会いが好きなんだなと実感。 それぞれの言葉にショートストーリーが添えられていて、物語としても読めて面白かった。中でも琴線に触れた世界の言葉を以下メモ。 ・Dog-ear(英語) 本のページの隅を折り曲げて印をつける行為。 ・asdfjkl(英語) 読書などが盛り上がってきたときに用事などで中断された際、苛立ちから発せられる言葉。 ・百部図書(ペップドソ、韓国語) 北朝鮮で実際に行われている制度で、世界各国の小説を翻訳させて百部だけ印刷し、創作の参考のために作家に回覧させるもの。 ・ナズム(アラビア語) 詩をつくること、本来は「真珠などに糸を通すこと」の意味。 ・jeld-e dovvom(ペルシア語) そっくり。本来は「第二巻」の意味。 ・Das ist ein Gedicht(ドイツ語) 「それはひとつの詩だ」の意味。なにか特別に素晴らしいもの、美しいものを褒めるときに使われる言い回し。 ・qamus(カームース、アラビア語) 本来は「海」「大洋」を意味するが、日本の「言海」のようなニュアンスで現在は辞書の意。

Posted byブクログ

2021/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本にまつわる世界のことば。 なんて素敵なテーマでしょう。 国が違えば本に対するイメージも、選ばれる言葉のセンスも違うでしょう。 わくわくして本を開きました。 しかし「あれ?なんか違う」。 違和感のもとはショートストーリー。 最初の言葉はロシア語のブクヴォエード。 意味は本の虫。直訳すると「文字を食べる」。 これだけで、「ああ、なるほどねえ…」とイメージが広がる。 しかしページの隅に『→アントン・チェーホフ『桜の園』』と書いてあります。 そして次のページには、食べても食べても痩せていく男の話。 死を待つのみとなった男が『桜の園』を読んで、息を吹き返す。 文字に飢えていたことに気づいた男は、次の日に本屋に駆け込む。 この部分が正直不要。 広がったイメージが急速に他人に固定化されてしまい、いらんことするなあと思ってしまった。 なので、最後まで読んだ後、言葉の意味だけをもう一度読み直す。 「asdfghjkl(英語) 読書が盛り上がってきた時に用事などで中断された際、苛立ちから発せられる言葉。 パソコンのキーボードで横一列に並ぶアルファベッドを左手から右手の順で打つことで成立する綴りゆえに、イラっとした感情に任せて打ち込めるのが利点である。」 わかるわあ。 「ケタービー・ネシャスタン(ペルシア語) 直訳では「本のように座る」。 意味は、省スペースで、隙間を空けずに座ること」 イラストでは、本と本の間に猫がちんまりと座っていて、猛烈に納得。 「ハルハーン(ペルシア語) 本を濫読する人。がり勉。直訳では「ロバ読み」。」 私はがり勉ではないけれど、ロバ読みって言われちゃうかもなあ。 濫読っていうより乱読だけど。 本の虫 クニホモル(チェコ語)蛾の一種らしい ラ・ド・ビブリオテーク(フランス語)直訳では「図書館のネズミ」 怖かったのは「百部図書(ペップドソ)韓国語」 「百部図書」は朝鮮民主主義人民共和国で実際に行われている制度。 日本を含む世界各国の小説を翻訳させて百部だけ印刷し、創作の参考のために作家同盟の作家に回覧させるもの。 脱北してきた作家たちによってその実態が明らかになりつつある。 創作すら国の与える参考資料の範囲内で行わなくてはならないなんて、才能のある人ほどつらいだろうなあと思う。 そして、何も知らされずそんな二番煎じのばったもん作品しか与えられない国民も哀しい。

Posted byブクログ

2021/07/22

本にまつわる世界の言葉が集まっています。言葉の説明があって、その言葉にまつわる7人の著者による物語やエッセイが記載されている。物語によって、分かったような、余計分からないような…。そもそもどれが物語でどれがエッセイなのだろう。関連書籍も紹介されている。 また、「世界を旅するイラス...

本にまつわる世界の言葉が集まっています。言葉の説明があって、その言葉にまつわる7人の著者による物語やエッセイが記載されている。物語によって、分かったような、余計分からないような…。そもそもどれが物語でどれがエッセイなのだろう。関連書籍も紹介されている。 また、「世界を旅するイラストブックシリーズ」の一つ。

Posted byブクログ

2021/04/11

<世界のあちこちで、本を手に取り、読みふける人たち> 世界の本をめぐる言葉、言葉をめぐる言葉を集め、それぞれにショートストーリーやエッセイがついている。 日本語からは「ななめ読み」「活字離れ」「積ん読」(←積んで置いている、とのダジャレ感が海外でわかるのか?) 私は「言葉」や...

<世界のあちこちで、本を手に取り、読みふける人たち> 世界の本をめぐる言葉、言葉をめぐる言葉を集め、それぞれにショートストーリーやエッセイがついている。 日本語からは「ななめ読み」「活字離れ」「積ん読」(←積んで置いている、とのダジャレ感が海外でわかるのか?) 私は「言葉」や「詩」は美しいイメージの言葉が多いかと思いましたが、皮肉的な意味に使われることが多いと思った。 ❐Bukvoed(ブクヴォエード/ロシア語) 「本を食べる」⇒本の虫、内容ではなく文字や形式に拘る人を皮肉る。 ❐Soz(ソズ/トルコ語) 「言葉」⇒様々な外来語を語源としてなしているトルコ語ですが、歴史において外来語排斥運動もあった。そこでこのSozという言葉が復興された。しかし純粋に言葉を表すだけでなく、噂や口先だけの言葉や侮辱という意味も含まれるようになった。 ❐翻眼比翻書還快(ファン・リェイン・ビー・ファン・シュ・ハイ・クァイ/中国語) 「顔つきの変わる速さは本のページを開く速さ」⇒急に怒り出す、突然仲違いする。 本に使われる動物も国によって色々。 ❐Knihomol(クニホモル/チェコ語) 「本の虫」⇒蛾 ❐Rat de bibliotheque(ラ・ド・ビブリオテーク/フランス語) 「本の虫」⇒図書館の鼠 ❐Khar-khan(ハルハーン/ペルシア語) 「ロバ読み」⇒濫読、ガリ勉 ❐老鼠肯書ー咬文嚼字(ラオ・シュ・ケン・シュー イヤオ・ウェン・ジャオ・ズー/中国語) 「鼠が本を咬む」⇒文章の字面ばかりにこだわる。本当の意味を理解しようとしない。 ❐ Ecrire comme un cochon(エクリール・コム・アン・コション/フランス語) 「豚のように字を書く」⇒字が汚い。 ❐La mort du petit cheval(ラ・モール・ドゥ・プティ・シュヴァル/フランス語) 「小さな馬の死」⇒悲劇、話の終わり、一巻の終わり。 ❐Dog ear(ドッグ・イヤー/英語) 「犬の耳」⇒しおり代わりに本のページの端を折り曲げて印をつける行為。 言葉や本を比喩にしているものもある。 ❐Jeld-e dovvon(ジェルデ・ドッヴォム/ペルシア語) 「第二巻」⇒そっくり、生き写しの意味。 紹介されている言葉が、言葉というものは良くないことに使われたり、その民族が辿ってきた波乱の歴史を含む事が多いような気がするが、 言葉は人間に必要、言葉は美しいという言葉もある。 ❐Ad ganga medbok I maganum(アズ・ガウンカ・メズ・ボウク・イー・マガニュム/アイスランド語) 「誰もが腹の中日本を持っている」⇒誰もが本を書く、という言い回し。 アイスランドは10人に1人が本を出版するのだそうだ。一人ひとりにはそれぞれ語れる物語がある。 ❐Masnavi-ya haftad man kaghaz(マスナヴイーイェ・ハフタード・マン・カーガズ/ペルシア語) 「70万の髪のマスナヴイー(※叙事詩。詩形の一種)」⇒言うべきことが山ほどある。「私の物語を語ったら千巻もの叙事詩になるでしょう。」 ❐Nazu(ナズム/アラビア語) 「(真珠などに)糸を通す」⇒詩作すること。 いろいろな事柄に意図を通して言葉として組み立て、詩や物語ができるのか。そして糸が通されていない言葉たちもたくさんある。

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2021/01/20

"필독서 必読書 タイトルだけがそびえ立ち、我々を脅かす存在。 読まないままで死ぬのではないかと思うたび、本の悪魔の呪文がかかる。 「読んでないよ」と人に向かって言えるようになりさえすれば、呪文は解ける。" "読まなきゃ、読まなきゃと思い続けてけ...

"필독서 必読書 タイトルだけがそびえ立ち、我々を脅かす存在。 読まないままで死ぬのではないかと思うたび、本の悪魔の呪文がかかる。 「読んでないよ」と人に向かって言えるようになりさえすれば、呪文は解ける。" "読まなきゃ、読まなきゃと思い続けてけっきょく読んでいない本、それがいちばん、あなたらしいのかもしれない。"(p.68)

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2020/06/26

上白石萌音ちゃんは 創元社の 世界を旅するイラストブックシリーズのうち 『誰も知らない世界のことわざ』 『本にまつわる世界のことば』 『翻訳できない世界のことば』 の3冊を持っています。 2019年7月20日 「メレンゲの気持ち」 2019年9月20日 「CHINTAI」 20...

上白石萌音ちゃんは 創元社の 世界を旅するイラストブックシリーズのうち 『誰も知らない世界のことわざ』 『本にまつわる世界のことば』 『翻訳できない世界のことば』 の3冊を持っています。 2019年7月20日 「メレンゲの気持ち」 2019年9月20日 「CHINTAI」 2020年6月6日 「世界一受けたい授業」 上白石萌音ちゃんは自身の本棚を 3回メディアに公開しています。 その3回すべてに登場した本は 創元社の3冊のうち 『本にまつわる世界のことば』 なんです。 上白石萌音ちゃんインスタ ほんだな 12冊のうちの1冊。 https://instagram.com/mone_kamishiraishi/

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2019/09/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 お気に入りの創元社のシリーズものだ。  言葉の選択が、”本にまつわる”としてるところが、良い。関連付けて、記憶に残りそうでもある。  本にまつわる言葉を、ただ解説したのじゃ、過去のシリーズと大差ないと、言葉ごとに数人の作家によるエッセイや、ショートストーリーが付く。  が、これが、どれも大したことない。あってもなくてもだ。いいね、と思えたのは、1つか2つだった。その点は、ちょいと残念。  まぁ、編集者も、いろいろあたまを悩ませてのことだろう。もう「〇匹目のどじょう」だろうか(笑)  以下、ちょいと気になった箇所、備忘抜粋。 ・ロシア語の”буквоед”(「文字を食べる」=本の虫)が筆頭の言葉だった。бук-は、букваからかな。”Книгоед”で、本を食べる=本の虫という表現もあったような。 ・”Dog-ear"で、本に首輪をつけて散歩に出かける。本は、見知らぬ場所へと案内してくれる。この小話は、ちょっと面白い。 ・フランス語の”小さな馬の死”というイデオムは、悲劇、一巻の終わりの意。 ”一巻の・・・”ということで、本書に採用? ちょっと意味合いが違うなあ。 ・アラビア語で、詩を作ることを「真珠に糸を通す」という。素敵な表現。 なぜか、この二つだけ、”悪魔の辞典”的な解説。ちょっとしたアクセントになっている。他の例も、このパターンでいっても面白かったかもね。 ・「必読書」読まなきゃ読まなきゃと思い続けてけっきょく読んでいない本、それがいちばん、あなたらしいかもしれない。 ・「本棚」はみ出した脳を仕切っておく装置。 ・「プレゼントに向く本」 金素雲のエピソードが良い。 ・「本の虫」、日本は”虫”だけど、チェコ語は蛾の一種、フランス語は”ネズミ”。 面白い。

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2019/08/21

世界各国の「本にまつわることば」を集め、作家や翻訳家による ショートストーリーやエッセイと共に紹介する本。 ・本にまつわる言葉から創作したショートストーリー・・・18編 ・本にまつわる言葉にかんするエッセイ、その他の単語           ・・・エッセイ13編とその他の単語の解...

世界各国の「本にまつわることば」を集め、作家や翻訳家による ショートストーリーやエッセイと共に紹介する本。 ・本にまつわる言葉から創作したショートストーリー・・・18編 ・本にまつわる言葉にかんするエッセイ、その他の単語           ・・・エッセイ13編とその他の単語の解説 言葉と意味、文、イラストの構成。関連書籍名も。 関連書籍紹介有り。著者紹介有り。イラストは長崎訓子。 英語・ドイツ語・アラビア語・日本語等、16の言語から選んだ 「本にまつわることば」を紹介しています。 紹介の手法は、ショートストーリーとエッセイが主で、 書籍とも関連付けています。ある意味、贅沢かも。 ただ、バランスは微妙。 物語やエッセイが凝り過ぎて、肝心の「本にまつわることば」が ぼやけてしまうものもあります。 後半の、その他の単語の解説の方がわかりやすいかも。 韓国語の「百部図書」やトルコ語の「ことば」は歴史や政治が 簡潔に理解できました。ある意味、怖いけど。 アラビア語の詩に関する言葉は、生活や自然環境に源があるのが わかり、長い歴史に培われていたように感じました。 関連書籍紹介は読みたくなるような文で、良かったです。

Posted byブクログ

2019/08/01

世界の様々な言語から本に関する慣用句的なものを選び、そこからインスパイアされたショートストーリーを何人かの作家が書き下ろす。イラストも含めて、予想以上に楽しめた。

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2019/07/06

今注目の作家や翻訳家が、世界の本に纏わる言葉に、短い小説やエッセイを付けて紹介。おすすめの本まである。挿絵もたっぷりで、豪華な本。外国語には、それぞれの言語の翻訳者が書いているところもあるし、巻末にある協力者(阿部賢一や沼野恭子なとこちらも超豪華)から察するに、ちゃんと全ての言語...

今注目の作家や翻訳家が、世界の本に纏わる言葉に、短い小説やエッセイを付けて紹介。おすすめの本まである。挿絵もたっぷりで、豪華な本。外国語には、それぞれの言語の翻訳者が書いているところもあるし、巻末にある協力者(阿部賢一や沼野恭子なとこちらも超豪華)から察するに、ちゃんと全ての言語の専門家に確認をとっているところも好感が持てる。 書いているメンバーがいいし、紹介されている本もいい。しかしアンソロジーにはよくあるパターンではあるが、なんだか「これ」という感じがないのよね。どれも悪くないけど、すごく良くもないような。 著者の方々は、かなり好きな人が多いのでちょっと残念。でも、紹介されていてまだ読んでない本は、読んでみたい。

Posted byブクログ