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漢帝国―400年の興亡 の商品レビュー

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17件のお客様レビュー

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2019/10/17

基礎知識の乏しい自分には、史実の洪水について行くのが難しかったが、論旨は平易に感じた。終盤の三国志・諸葛亮のくだりを理解できたのが嬉しかった。

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2019/09/24

20190923 漢は中央集権的統治システムを作り上げ、思想原理である儒教と教典(正史を含む)を確立し、中華帝国の基礎を作り上げた 周:封建制をしき、後年封建諸侯が相争う戦国時代となった 秦:中央集権的な郡県制、度量衡の統一、法による支配を目指し焚書を実施し、氏族制を解体し、個人...

20190923 漢は中央集権的統治システムを作り上げ、思想原理である儒教と教典(正史を含む)を確立し、中華帝国の基礎を作り上げた 周:封建制をしき、後年封建諸侯が相争う戦国時代となった 秦:中央集権的な郡県制、度量衡の統一、法による支配を目指し焚書を実施し、氏族制を解体し、個人の直接支配を目指した。秦内部は商オウによる分異の例による士族の解体、軍功爵制によって王族の力は弱まり直接支配は進んだが、氏族制の強く残る諸国ではうまくいかなかった。 前漢:旧秦国内での郡県制、諸国には功臣と一族を封建する郡国制を導入しバランスをとった。初期は黄老思想に基づく戦略的無為無策により国力を養った。呉楚七国の乱を平定し、中央から太守、国相、刺史を派遣するようになり中央集権が強まった。武帝の時代には西域の支配を強めローマと互いに存在を認識し合うこととなる。内政にあたっては春秋の義と漢家の故事が重視された。 莽新:堯から桀へ、殷から周への故事をもとに禅譲による革命の正当化をすすめ、周の故事に従った執政を目指した。 後漢:庶子にすぎない光緒帝の建国を正当化するため、儒教のストーリーが利用された。天人相関説など神がかり的な教義をはじめ王莽による儒教解釈は祭祀をはじめ多く引き継がれた。漢書など儒教思想に基づき聖漢を必然とする“歴史”を語る書物が作成され、それが中華の原型として大きな影響を与えた。現状を追認する形で儒教は外戚の存在を擁護し、皇帝は外戚から権力を奪還する手段として宦官を利用したため両者の専横は続いた。

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2019/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

始皇帝に続く渡邉義浩氏の中国史本。劉邦による秦を倒し漢が成った頃の話はなんとなく知っていたが、新や後漢成立のあたりは知識が欠落していたので興味深く読めました。良くも悪くも儒教国教化とともに制度が安定化し、儒教により活かされた外戚と宦官により屋台骨が揺らぎ、乱世の奸雄曹操に倒される。中国史において始皇帝と曹操が傑出した存在であったことが背景を知ることによってよく分かる。あとは隋を起こした楊堅あたりの話を知りたいと思いました。

Posted byブクログ

2021/01/05

ものすごい密度で、風呂読書で2ヶ月以上かかってやっと読みおわった。項羽vs劉邦はともかく、他は知らんことばっかり。三国志とかの前史としても勉強になった。『蒼天航路』とか勉強して書いてるのねえ。近代に至るまで中国に封建諸侯はいなかった、みたいな話にはっとなる。

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2019/06/24

2019年6月18日図書館から借り出し。2019年6月24日読了。 もう20年以上前になるが、ちくま学芸文庫で「漢書」を読んだはずなのに、特に後漢時代で随分目新しい名前が次々出てきて、記憶力の無さにガックリ来たものの、それゆえに大変興味深く読むことができた。特に漢の時代を通じて、...

2019年6月18日図書館から借り出し。2019年6月24日読了。 もう20年以上前になるが、ちくま学芸文庫で「漢書」を読んだはずなのに、特に後漢時代で随分目新しい名前が次々出てきて、記憶力の無さにガックリ来たものの、それゆえに大変興味深く読むことができた。特に漢の時代を通じて、儒教がどのように為政者たちに受容されていったかを主題にした記述は、国内外の争い中心にしか見ていなかったところの背景にあったものを考えさせてくれる点で刺激的だった。 ただ、長い修飾語のあとに、ようやく主語が出てくることがある日本語は、古代史の森浩一氏の文章とはまた違った読みにくさがあるため、面白いのに読むのに時間がかかる。

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2019/06/16

始皇帝が中華の統一を成し遂げた後、再び混乱期を迎えたが、劉邦がその戦乱を勝ち抜いて漢帝国を創設した。漢帝国は王莽が簒奪した時期を挟み、前漢と後漢に分かれる。この時期を通じて儒教が政権の中に深く浸透してい行く過程が詳しく描かれ、持ちつ持たれつの関係が明らかとなる。(権力者の後継選び...

始皇帝が中華の統一を成し遂げた後、再び混乱期を迎えたが、劉邦がその戦乱を勝ち抜いて漢帝国を創設した。漢帝国は王莽が簒奪した時期を挟み、前漢と後漢に分かれる。この時期を通じて儒教が政権の中に深く浸透してい行く過程が詳しく描かれ、持ちつ持たれつの関係が明らかとなる。(権力者の後継選びにおいて、古典書の解釈が恣意的に、如何様にでも解釈される、など) 始皇帝が先鞭をつけ、漢帝国がほぼ確立した中央集権体制が、その後の中国の支配体制に連綿と継承された(されている)という著者の主題は、十分理解できる。 著者の前書『三国志』や『始皇帝』に比して、本書はかなり専門的で、やや難解と言える。

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2019/05/27

中国史上最長の統一帝国、漢。儒教の役割に着目しながら、劉邦による建国から滅亡まで、中国の「国のかたち」を定めたその歴史を辿る

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