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情報環世界 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2022/10/03

・まえがきによると問題意識は「「人間が自然環境を制御する」「人間が情報環境を制御する」といった考え方で世界を捉えることがうまく機能しなくなっている…中略・・・人間と自然と情報が交差する世界の中で、私たち自身を、そして私たちと自然や情報との関係をどのように捉えるべきか、新しい視点が...

・まえがきによると問題意識は「「人間が自然環境を制御する」「人間が情報環境を制御する」といった考え方で世界を捉えることがうまく機能しなくなっている…中略・・・人間と自然と情報が交差する世界の中で、私たち自身を、そして私たちと自然や情報との関係をどのように捉えるべきか、新しい視点が求められます」。 ・ユクスキュルの「環世界(すべての生き物は固有の感覚機能に基づいて独自の世界の知覚の仕方をしている)」という概念にインスパイアされて、人間の認知について今思っていることをそれぞれの専門家が語っている本。ユクスキュルの「環世界」のことがわかる本ではない。 ・この本で言われている「環世界」とは、人間のコンフォートゾーンとしての認知世界のことでしょうかね。人間の認知の枠組みについて、「身体」「情報」「わかる」「関係」といったキーワードを手掛かりに理解を進めていきます。哲学、脳科学、言語学、アート、情報学など人間の認知をめぐるあらゆる領域にタッチし続けます。深掘りではなく、タッチという感じ。 ・お互いの環世界同士を受容しあうための対話が大事ではないかということを対話的な編集でまとめていて、なので巻末にはお互いの環世界をわかりあうための対話のワークショップ手法がいくつも紹介されている。

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2020/12/20

「環世界」という概念は、人間同士、人間と機械など、あらゆる関係性の在り方を考える基本になると感じた。美学者、デザインエンジニア、情報学者・研究者、編集者の考察や思考の広がりだけでも楽しめるし、それらをまとめ上げていった渡邊さんの論考も見事でした。

Posted byブクログ

2020/07/30

人間・自然・情報の関係性を捉え直すための本。 その糸口となっているのが「環世界」という概念だ。それが、この本の元となった、著者たちのクローズドなディスカッションの場「情報環世界研究会」の根底にある、人間を捉える視点となっている。 コロナ禍は、人々に、自分が「閉じた環世界」にいる...

人間・自然・情報の関係性を捉え直すための本。 その糸口となっているのが「環世界」という概念だ。それが、この本の元となった、著者たちのクローズドなディスカッションの場「情報環世界研究会」の根底にある、人間を捉える視点となっている。 コロナ禍は、人々に、自分が「閉じた環世界」にいることを、強制的に意識させている。だからこそ、自分の環世界で通用してきた感覚・運動器官が、今までと同じようには使えない。 このような状況から抜け出し、環世界を構築し直すためには、“自分でないもの”の存在が不可欠だ。他者を感じ・他者に関わり・他者と創ることで、自分が新たな「開いた環世界」の住人になるのだ。 自分に非ざるものと、共に生きる社会をつくるために、「環世界」は必要な考え方だ、と私は思う。

Posted byブクログ

2020/06/14

ユクスキュルの環世界を、現代的に解釈する試み。 様々な立場からの解釈は、納得する部分が多く、好奇心を刺激された。 環世界とは、生物全てが、それぞれ閉じられた世界で暮らしているということ。 虫が特定の色しか見分けられないなど。 人間は、ほかの生物と違い、環世界を移動することが...

ユクスキュルの環世界を、現代的に解釈する試み。 様々な立場からの解釈は、納得する部分が多く、好奇心を刺激された。 環世界とは、生物全てが、それぞれ閉じられた世界で暮らしているということ。 虫が特定の色しか見分けられないなど。 人間は、ほかの生物と違い、環世界を移動することができる「環世界間移動能力」がある。これがまさに思考するということ。 例えば、盲導犬は、犬が人間の環世界を理解するということだから、どんなにすごいことか。 現代においては、スマホに没入することは、新たな環世界の獲得と言える。 人間の環世界には、意識と無意識の環世界がある。ほかの生物はほとんど無意識の環世界に生きているが、人間には意識の環世界があるから、移動できるのかもしれない。 そして、無意識の環世界が、テクノロジーの進歩によって意識できるようになってきている。 触覚さえコンピュータ上で表現できるのだから。 そうなると、さらに人間の思考は深まるのか。 興味は尽きない。

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2020/03/31

明確な答えがないままフワッと進んでいくけど、そういうものなんだと思う。 いろいろ考えるための材料をたくさん散らしてくれた感じ。

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2019/10/27

ユクスキュルの唱えた「環世界」の考え方を現代の情報を取り巻く世界に援用し、多様な研究者の観点で議論するプロセスを味わう本。

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2019/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

各界の専門家を読んで議論する中で、昨今のトレンドを分析した結果、浮かび上がってきた"情報環世界"というキーワードでかなり大胆に串刺しにしたオムニバス本という感じ。 きっと世界が1つにつながったような気がしている昨今、それでも同じ人間が同じものを見ているはず、と思い込んでいるより、この世界は人の数だけ受容している世界が存在していると思って暮らしていく方が、きっと現実を理解しやすいのだろうな、と思えるようになった。 説得力のあるフレーズがたくさん散りばめられていたし、自身の修士論文を書いた頃の興味にとても近い概念が多く記述されていて、久しぶりに知的好奇心が沸き起こった1冊。

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2019/07/09

「わかる」とはどんなことなのかなどを、様々な観点から掘り下げる興味深い内容。UXに取り組んでいる人には、ハッと気づかされる要素が含まれている。

Posted byブクログ

2019/05/07

突っ込みたいところが色々ある 議論は成熟しきれてないと思う でも、だから、色々と思うこともいっぱいあって、楽しいどくしだった

Posted byブクログ