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きちんと理解するイギリスの歴史 の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2024/06/10

 イギリスの通史をストーンヘンジからブレグジットまで、項目や人物をテーマに解説したもの。新書として読むのにちょうど良い分量にまとまっている。  おれは歴史に詳しくないので、この本がどの程度の深さでどの程度網羅しているのかは正直よく分からないけど、通史がサラッと学べたと思うので、そ...

 イギリスの通史をストーンヘンジからブレグジットまで、項目や人物をテーマに解説したもの。新書として読むのにちょうど良い分量にまとまっている。  おれは歴史に詳しくないので、この本がどの程度の深さでどの程度網羅しているのかは正直よく分からないけど、通史がサラッと学べたと思うので、それなりに良かったのではと思う。ただ教科書的な記述がほとんどなので、事実以上の面白さというか興味深さはあまり感じられないし、やっぱり人物がたくさん出てくるところは、字面を追っただけで、あんまりよく分かっていない。けど、概要は分かった。  あとは初めて知ったことや興味深いと思ったところのメモ。まずケルト人自体も移民だけれど、それ以前(紀元前2000年ごろ)には「ビーカー人が居住していた」(p.30)らしい。そして「ビーカー人以前にも、イギリスには先住民がいたらしい。だが、ビーカー人は戦士として先住民より強力であり、先住民を支配していった」(p.31)らしく、ケルト人よりも前、というのを初めて知った気がする。というかストーンヘンジも見たのに、ケルト人の遺跡だと思っていた、という誤解。あと時代は飛んでエリザベス1世の時代。この時代は「ある意味で無法国家だった。というのも、エリザベス1世が海賊を容認し、彼らに他国船、とりわけスペイン船を襲わせていたからだ。エリザベス1世は海賊に出資までしたから、今日の視点では『テロ国家』のようなものであった。」(p.125)というのは驚き。でもこの話は普通に有名なことらしいので、おれが歴史知らなかっただけ、という感じだけど。そして、「イングランドから多くの私掠船が出たことは、イングランドの海上戦闘能力を高めることにもなった。イングランドが世界に進出をはじめたとき、その海上戦闘能力はこれを後押しし、さらにはイギリスを世界最強の海軍国家にもした」(p.128)という流れはとても分かりやすい。けど結局軍隊とか作るよりも金だけ出して民間でやらせた方が軍事力が上がるのか、とか今ある英国海軍ってその出自は海賊なのか、とか思ったりした。次に「メイフラワー号」で渡った「ピルグリム・ファーザーズ」がいかにひどい人たちだったか、という話が書かれているが、「ヨーロッパの不寛容な宗教対立のなかで育ったピューリタンをはじめとする移住者は、ヨーロッパの不寛容を新大陸に持ち込んだ」(p.154)というのも納得した。自分たちが不寛容の犠牲者になったので、新世界では逆に理想的な社会を作ろう、というほど現実は甘くない、ということが分かる。あとは「億王は君臨すれども統治せず」(p.171)の起源はハノーヴァー朝のジョージ1世、2世にあったのだ、というのも分かりやすかったし、「プライム・ミニスター」はその時代のウォルポールという第一大蔵卿への悪口(「先制的な権力者」)だった(p.173)とか、英語と関連する話も分かって良かった。あと言語に関するところでは、1840年代のジャガイモ飢饉で「餓死したのは、アイルランド語を話す高齢者が多かった。彼らが多く死んでしまったがために、アイルランド語の継承者は少なくなり、アイルランドで英語が浸透することにもなった」(p.207)という、よく考えたら不思議ではないかもしれないけど、飢饉によって英語が浸透した、という英語の外面史として見ると興味深かった。あと、章末にあるコラムのところでシェイクスピアのマクベスが取り上げられていて(pp.57-8)、実はそんなにマクベスは悪人ではないのではないか、マクベスを殺したマルカムも結構悪いんじゃないか、そしてマルカムの恐ろしさ故にマクベスを悪者にする話になっているのでは、という話は面白かった。  ということで、素人でもちょうど読める分量、内容というのが良かった本だった。(24/06/09)

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2024/02/29

イギリス旅行に行くので、その前に歴史を知るために一読。 基本の流れがしっかり理解できたし、そこまで長くないので読みやすいです。 一部、ジェーングレイを彼と表現してたところがあった気がするんですが、ジェーンは女の子ですよね?? 個人的にはフランスの腐れ縁の理由(ノルマンコンクエス...

イギリス旅行に行くので、その前に歴史を知るために一読。 基本の流れがしっかり理解できたし、そこまで長くないので読みやすいです。 一部、ジェーングレイを彼と表現してたところがあった気がするんですが、ジェーンは女の子ですよね?? 個人的にはフランスの腐れ縁の理由(ノルマンコンクエストがあったため、もとはフランス王の家臣だった)を知れて良かったです。

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2022/12/12

作者は「ライター」であり、専門的に歴史を研究しているわけではなさそう。なので、イギリス史の導入として、正確性を多少犠牲にしても、わかりやすさとストーリー性重視であることを前提に読むのがよい。 その前提に立つ限りにおいて、文字が大きめの新書の枠内で、非常に分かりやすく歴史をまとめて...

作者は「ライター」であり、専門的に歴史を研究しているわけではなさそう。なので、イギリス史の導入として、正確性を多少犠牲にしても、わかりやすさとストーリー性重視であることを前提に読むのがよい。 その前提に立つ限りにおいて、文字が大きめの新書の枠内で、非常に分かりやすく歴史をまとめていると思う。

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2021/11/11

イギリス本島(ブリテン島)にケルト人が大陸から渡来したAD7世紀頃から、EU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票まで、262ページに凝縮したイギリス史。立憲君主制の成立から産業革命を経て、奴隷貿易で富を築き植民地を拡大、アヘン戦争、インド帝国、ボーア戦争、パレスチナ問題(三枚舌外...

イギリス本島(ブリテン島)にケルト人が大陸から渡来したAD7世紀頃から、EU(欧州連合)離脱の是非を問う国民投票まで、262ページに凝縮したイギリス史。立憲君主制の成立から産業革命を経て、奴隷貿易で富を築き植民地を拡大、アヘン戦争、インド帝国、ボーア戦争、パレスチナ問題(三枚舌外交)、アイルランド独立など闇の歴史に目を引かれる。四つの地域から成るイギリス(イングランド・スコットランド・ウェ-ルズ・北アイルランド)の国旗は、ウェ-ルズを除く三カ国の旗の組合わせなのは、何故か? コラムも面白い。

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2021/07/02

私が教えてきたことと違うことがあったね~序:連合王国、オールド・イングランド、フランス、歴代王朝、歴代国王、アイルランドー1イギリスを形づくった絶え間ない民族移動:ストーンヘンジ、ケルト、ローマによる支配、ハドリアヌスの城壁、アングロ=サクソンの侵入、ウェールズの成り立ち、アーサ...

私が教えてきたことと違うことがあったね~序:連合王国、オールド・イングランド、フランス、歴代王朝、歴代国王、アイルランドー1イギリスを形づくった絶え間ない民族移動:ストーンヘンジ、ケルト、ローマによる支配、ハドリアヌスの城壁、アングロ=サクソンの侵入、ウェールズの成り立ち、アーサー王伝説、スコット人、アルフレッド大王、デーン人、デーン朝、ノルマン人の影、ノルマン・コンクエスト、マルカム3世の屈服-2フランスとの抗争と果てしない内戦:ドゥームズディ・ブック、ウィリアム1世後、プランタジネット朝、アンジュー帝国、ヘンリ2世、リチャード1世、ジョン、マグナ・カルタ、ヘンリ3世とパーラメント、2人の「ルウェリン」、プリンスオブ・ウェールズ、ウォリスの抵抗、ロバート・ドゥ・ブルース、エドワード2世、エドワード3世、クレシーの戦い、ペスト、ワット=タイラーの乱、ランカスター朝、へんり5制、ジャンヌ・ダルク、バラ戦争、ヘンリ7世ー3絶対王政下で始まった強国化と世界進出:チューダー朝、スコットランド・ステュアート朝、ヘンリ8世、イングランド国教会の設立、カール5世、スコットランドの宗教改革、ブラッディ・メアリ、エリザベス1世、カリブの海賊、アルマダ撃破、処女王、スコットランドのメアリ-4立憲君主制の成立と海洋覇権国家への道:同君連合、内戦、清教徒革命、クロムウェル、チャールズ2世、東インド会社、ピルグリム・ファーザーズ、対オランダ戦争、名誉革命、ウィリアム3世とメアリ2世、ホイッグとトーリ、コーヒーハウス、グレートブリテン王国ー5宿敵フランスを制し植民地争奪戦に勝利:ハノーヴァー朝、ウォルポール、ジャコバイト蜂起、第二次英仏百年戦争、七年戦争、奴隷貿易、産業革命-6世界帝国を完成させたパクス・ブリタニカの時代:アメリカの時代、ナポレオン戦争、イギリス海軍、アイルランド併合、カトリック解放、穀物法撤廃、グラッドストンとディズレーリ、ジャガイモ飢饉、アヘン戦争、アロー号戦争、インド帝国の成立、グレートゲーム、スエズ運河、南アフリカ戦争、ヴィクトリア女王-7大戦後の経済低迷で苦悩し続ける現代イギリス:サクス=コバーグ=ゴータ朝、ドレッドノート、ベルギーとロンドン条約、第1次世界大戦、ウインザー朝、パレスチナ問題、アイルランドの独立、ガンディー、チェンバレン、エドワード8世、第二次世界大戦、植民地喪失、イギリス病、スエズ動乱、EU,サッチャー、ブレア、ブレグジット~小見出しを並べてみました

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2020/09/16

読了。 イギリスの歴史について「きちんと理解」しようと思い。(笑) いや、改めて通史を読むと色々と初めて知ることもあり、認識を新たにします。 例により数カ所誤字があるので要注意ですが、 内容的には分かりやすかったと思います。

Posted byブクログ

2019/07/01

イギリスの古代から現代までが、わかりやすく綴られています。 内容が細かく区分けされ、短い文章に情報が無駄なく詰まっています。 英国は今も昔も問題山積の国家集団であり、国内外で栄枯盛衰を経験した偉大な島国です。 連合王国のままであっても独立分裂したとしても、太陽のように輝き続けるで...

イギリスの古代から現代までが、わかりやすく綴られています。 内容が細かく区分けされ、短い文章に情報が無駄なく詰まっています。 英国は今も昔も問題山積の国家集団であり、国内外で栄枯盛衰を経験した偉大な島国です。 連合王国のままであっても独立分裂したとしても、太陽のように輝き続けるでしょう。

Posted byブクログ