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たいせつな人へ の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2022/09/08
  • ネタバレ

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ある90歳の男性が人々に誕生日を祝ってもらっている 名前はフランシス 大戦中は“ロジャー”の名前でフランスのレジスタンスを指揮したイギリス人スパイだ 自分の人生と出会った友人や家族を回想する 子ども時代  …父さん 自分のなりたいものになればいいと言ってくれた スター街道まっしぐら  …弟:ピーター 後をついてきた弟、演劇の道に進んだけど、ヒトラーをとめるために空軍に入った    ぼくは教職につき、子どもたちに生まれながら持つ幸せになる権利に気づいてほしいと考えていた。ぼくは筋金入りの平和主義者だった  良心的兵役免除で農場で働いていたが、君の戦死の知らせを聞いた もうキャベツは食べないことね  …妻:ナン 農場で出会い、すぐ恋に落ちて結婚した   独裁政治を徹底的に批判し、自由と人権のために戦うべきだが、別の人間の命を奪うことではなく、言論と教育を武器に戦うべきだと思っていた。  でも、ピーターが死んだ。近所の一家が死んだ。ナンとの間に赤ん坊が生まれた。  ぼくは、入隊して戦闘しなくてはいけない。自分のかわりに誰かを死なせてはならない。 ・その後、フランシスは訓練を受け、レジスタンス運動に身を投じる 〇フランシスさんの戦う決心をした推移に考えさせられた 戦争の理不尽さと、自分はどのように行動すべきなのか。 〇同じ国民なのに、敵味方に。 〇マイケル・モーパーゴさんの叔父さんの話。モーパーゴさんが戦争の話を書き続ける原点となった方なのかもしれない 〇静かな筆致だけど、芯がしっかりとたっている 〇自分が読んだモーパーゴ作品で一番心に残った物語になる気がする

Posted byブクログ

2022/04/29

弟が戦争で死んだ後、平和主義だった兄は戦わないといけないと、スパイの教育を受け、フランスのために危険に身をさらしながら戦い、生き延びる。 その後は子どもの教育に身を捧げる。 90歳の誕生日を皆さんに祝ってもらい、人生で触れあった人達を回想する。 戦争なんて、絶対やってはいけない。...

弟が戦争で死んだ後、平和主義だった兄は戦わないといけないと、スパイの教育を受け、フランスのために危険に身をさらしながら戦い、生き延びる。 その後は子どもの教育に身を捧げる。 90歳の誕生日を皆さんに祝ってもらい、人生で触れあった人達を回想する。 戦争なんて、絶対やってはいけない。

Posted byブクログ

2022/03/11

著者の叔父の戦争体験を小説にしたもの。 国と国の戦争は、結局一人一人の人間を、殺し合う対象へと変える。 誰かの父親で、誰かの娘で、誰かの弟で、誰かの恋人で、誰かの友人。 そんな人間を、そんな人間が殺す。 戦争は、なくせないものか。なくす仕組みはつくれないものか。 今も恐怖の中にい...

著者の叔父の戦争体験を小説にしたもの。 国と国の戦争は、結局一人一人の人間を、殺し合う対象へと変える。 誰かの父親で、誰かの娘で、誰かの弟で、誰かの恋人で、誰かの友人。 そんな人間を、そんな人間が殺す。 戦争は、なくせないものか。なくす仕組みはつくれないものか。 今も恐怖の中にいる人々に安穏が訪れるのを願う。 願うだけでごめんなさいの気持ち。

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2021/12/11

作者マイケル・モーパーゴの、実の叔父である、「フランシス・カマルツ」の波瀾万丈の生涯を描いた作品。 戦争を題材にしているとは思えないタイトルが、最初は意外に思えたが、そこには戦時下であっても、彼の人生は、親、兄弟姉妹、妻子、友人たちといった、素晴らしい人達に囲まれて生きてきた素...

作者マイケル・モーパーゴの、実の叔父である、「フランシス・カマルツ」の波瀾万丈の生涯を描いた作品。 戦争を題材にしているとは思えないタイトルが、最初は意外に思えたが、そこには戦時下であっても、彼の人生は、親、兄弟姉妹、妻子、友人たちといった、素晴らしい人達に囲まれて生きてきた素敵な思い出や感謝の気持ちが、文章の端々に滲み出ており、それもひとつの人生なんだということを、実感いたしました。甥のマイケルは、どんな思いで書いたのだろうか。 ただ、最近、戦争を題材にしている作品をよく読んでいるせいか、英雄の影には多くの犠牲者がいることを考えると、私自身は複雑な心境に。 とはいっても、そこには、その時代の当事者でないと、分からないこともあると思うし、歴史という、過去に起こったことを知ることで、今を生きる人間がどう感じるかというところに、何か得るものもあるような気がします。 また、友人たちの中でもクリスティーンの存在は、特に印象に残り、フランシスの為に起こした行動に、とても胸を打たれたが、戦後の彼女を襲った不幸な出来事には、人生の無常さを思い知ることに。

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2020/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フランシス・カマルツ大佐の90歳の誕生日パーティーには、村じゅうの人たちが大勢集まった。村長さんから小さい女の子まで、口々にお祝いの言葉を述べ、みんなが「ハッピーバースデー」を歌ってくれた。 「このすばらしい人生に感謝をしなくてはならない」と思いつつ、人生を振り返るフランシス。「自分の歩んできた道は喜びと悲しみの両方にいろどられていた…今夜すべてを思い出そう。友や仲間たちにまた会って、彼らとともに、人生をもう一度生きてみたい。」 いつだって独り占めしたいくらい大好きだった父さん、彼の人生をがらりと変えた弟ピーター、いい時も悪い時もずっと一緒にいてくれた妻ナン、平和主義を信奉する仲間でありながら入隊へ導いた友人ハリー…と、かれの人生に次々と影響を与えた“たいせつなひと“との日々が描かれている。 “軍事スパイ“になるための訓練、ロジャーと名前を変えて潜むパリでの作戦、たくさんのレジスタンスの最期など… ページをめくる手が止まらなかった。 そして、最後のページに書かれた文章を読んで、さらに胸がいっぱいに。そうか、実話なんだと。(最後まで知らなかった) 実際にこの方々があの時代に生きて、あの時代を懸命に生きたんだなぁ。 モーパーゴのメッセージが強烈に伝わってくるように思えた。

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2020/02/15

モーパーゴは初めて、印象的な表紙に誘われて手に取りました。90歳の誕生日を迎えたフランシス・カルマツの回想で綴る伝記体裁の絵本。小学校高学年からだけど大人も十分楽しめます。(By The Guardian)絵は、Barroux、「ぞうさん、どこにいるの?」とはタッチがまったく違っ...

モーパーゴは初めて、印象的な表紙に誘われて手に取りました。90歳の誕生日を迎えたフランシス・カルマツの回想で綴る伝記体裁の絵本。小学校高学年からだけど大人も十分楽しめます。(By The Guardian)絵は、Barroux、「ぞうさん、どこにいるの?」とはタッチがまったく違って、題材にあわせたのか、ノッペラボーな顔、これがなかなかいいです。 残念なのはタイトル、表紙は原題を視覚化したものだし、本文にも記述があるのに、何とかならなかったのかなこのタイトル。

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2019/11/18

作者が叔父の体験をつづった物語。第2次世界大戦中、平和主義者のフランシスは、兵役を拒否していたが、弟の戦死をきっかけに兵士となる。厳しい訓練を受け、フランスに潜入してレジスタンスを支援することになったフランシスは、極限状態の中でも大切な人々と出会っていく。 事実をもとにしているた...

作者が叔父の体験をつづった物語。第2次世界大戦中、平和主義者のフランシスは、兵役を拒否していたが、弟の戦死をきっかけに兵士となる。厳しい訓練を受け、フランスに潜入してレジスタンスを支援することになったフランシスは、極限状態の中でも大切な人々と出会っていく。 事実をもとにしているために、悲惨な出来事も多い。モーパーゴらしい淡々とした中にもユーモアが感じられる文体が救いといえる。

Posted byブクログ