パリ警視庁迷宮捜査班 の商品レビュー
さくさく読めるフランス捜査班シリーズ。 個々のメンバーのキャラクターが立っていて、 楽しい。 事件も意外な展開でおもしろかった。 次回作も期待!
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「落ちこぼれ刑事たちのアベンジャーズごっこ」 主役は一見クールビューティ、実は「ブチ切れ」してエリート街道を脱落した30代後半の女性警視正。 メンバーは「死神」「クールなゲイ」「ドラマの脚本家」「アル中」「ギャンブル狂」「スピード狂」「マスコミ通」「パンチドランカーの元サイバ...
「落ちこぼれ刑事たちのアベンジャーズごっこ」 主役は一見クールビューティ、実は「ブチ切れ」してエリート街道を脱落した30代後半の女性警視正。 メンバーは「死神」「クールなゲイ」「ドラマの脚本家」「アル中」「ギャンブル狂」「スピード狂」「マスコミ通」「パンチドランカーの元サイバー担当」など今回登場者のほか、登録だけでも40名の大所帯。 これまでどこの部署でも嫌われてきたリストラ寸前のメンバーが、持ち味を発揮して活躍するという……もうこれだけで面白そう。 相方が必ず不幸になるという「死神」の伝説を知っている被疑者とわざとふたりきりきりにして尋問したり、「ビスケット三枚早食い」で盛り上がったり、赤ちゃん見守りグッズで盗聴したり、スピード狂に至っては「犬のフン回収車(道路清掃車)」をパワーアップして街中を暴走し、逃走者を捕まえたり……。 事件は勧善懲悪ではなく「悲しみ」が根底にあるにもかかわらず、暗くならずにワクワクするストーリーで、肩の力を抜いた楽しい読書の時間は、あっという間でした。 今回のメンバーの隠れエピソードや、まだ登場していないキャラクターなど、まだまだ続編やスピンオフが出来そうで、 とっても期待大!
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警察のあぶれものたちがチームを作って未解決事件を解決する。特捜部Qシリーズに通じる感じ。 ミステリーとしては少しあっけない気がしたけど次作に期待。
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停職復帰後のカぺスタン警視正が率いることになったのは、新しく結成される未解決事件捜査班。アルコール依存症、ギャンブル狂、スピード狂、作家、「死神」…実体は厄介者を集めた形だけの捜査班である。しかし彼らはただの厄介者ではなかった。それらを武器にし、元々持っていた能力を駆使していくつ...
停職復帰後のカぺスタン警視正が率いることになったのは、新しく結成される未解決事件捜査班。アルコール依存症、ギャンブル狂、スピード狂、作家、「死神」…実体は厄介者を集めた形だけの捜査班である。しかし彼らはただの厄介者ではなかった。それらを武器にし、元々持っていた能力を駆使していくつかの未解決事件に挑む。彼らはなんて個性的で魅力的なのか。時折はさまるドタバタ劇と犬のピルーの可愛さにくすっと笑いながらするすると読み進んだ…その先で、思わずoh!と声が出た。想像以上に綺麗なミステリで面白かった。次作も楽しみだ。
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フランス版『特捜部Q』と言われると読まないわけにはいかない。フォローしているレビュアーさん方のレビューを読んでさらに気になった。 手にしてみると案外薄い。『特捜部Q』に比べれば三分の二程度か。だがメンバーは『特捜部Q』の倍以上いる。 組んだ相手が次々怪我したり死んだりする通称〈...
フランス版『特捜部Q』と言われると読まないわけにはいかない。フォローしているレビュアーさん方のレビューを読んでさらに気になった。 手にしてみると案外薄い。『特捜部Q』に比べれば三分の二程度か。だがメンバーは『特捜部Q』の倍以上いる。 組んだ相手が次々怪我したり死んだりする通称〈死神〉トレズ、ゲイであるゆえにはじかれたルブルトン、書いた作品がドラマ化されるほど有名作家でもあるが仲間たちを小説に書きすぎたロジエール、アルコール依存症のメルロにギャンブル依存症のエヴラール、タレコミ屋のオルシーニにスピード狂のレヴィッツ、ボクシングのやり過ぎで落ち着きを失ったダクス。 今作登場しただけでも八名だが、出勤してこない掃き溜め警察官たちを合わせると総勢四十名ほどもいるらしい。問題警察官がそんなに?大丈夫か、フランス警察。個性豊かなメンバーとは言え、今後も登場人物が増えていくのかと思うと覚えられるのか不安になる。 こんな特別捜査班を率いるのは武器を持たない犯人を射殺したことで六ヶ月の定職処分を受けたカペルスタン。 新しく発足した特別捜査班リーダーにカペルスタンを任命したのは元上司・ビュロンだが、彼の立ち位置がなかなか読めなくてモヤモヤする。カペルスタンの敵なのか味方なのか、彼女を上手く利用して何かをしようとしているのか、それとも彼女の居場所を作ってあげた心優しい元上司なのか。 お荷物でしかないが切るわけにもいかない掃き溜め警察官たちを閉じ込めるためだけにつくられたと思われた特別捜査班だが、与えられた二つの未解決事件を調べていくうちに別の目的が見えてくる。 ミステリーとしてはこれまた『特捜部Q』と似た構成で、時折挟まれる回想シーンが未解決事件とどう繋がるのか、誰と繋がるのかを中心に展開していく。 ただミステリー要素を追求するというよりは、このダメ烙印を押された警察官たちが様々な障害を乗り越えつつ真実に迫り、特別捜査班には許されない送検まで持っていくのかというところが焦点なのかなと思った。 何しろ特別捜査班には殺人事件の現場に入る資格もないし、当時の詳しい捜査資料も見せてもらえない。当時捜査した警察官に話を聞こうとしても相手にされない。捜査車両は窓も閉められないおんぼろ車、サイレンもない。まさにないない尽くしなのだ。 だがそこはさすがはみ出し者軍団、自由奔放さも半端ない。 職場として与えられた古いアパルトマンのフロアをどんどん改装し家具も持ち込み、無いものはあるもので代用し、清掃車を魔改造した特別車両で容疑者を追いかけ、各自得意分野や自前のネットワークを駆使して自分たちの環境を改善し捜査に取り組んでいく。 追い詰められた者ほど強いというが、はみ出し者軍団のチームプレーを楽しめる。ダメ烙印を押された者にも人より優れたところはあるし、そこを上手く引き出して補い合って助け合えれば良いチームになりそうだ。そこはカペルスタンのリーダーとしての腕の見せ所だろう。 フランスでは警察官の副業は許されているんだな、とかアメリカの警察物と同じく昼間から飲んだりパーティーしたりして良いんだ、とか色々発見する一方、事実婚が正式な婚姻と同じ権利を認められるほど自由恋愛の国というイメージのフランスで同性愛についてはいまだ狭量なのかという現実は興味深い。 すでに第二作も出ているようなので、この特別捜査班が更に活躍するのか、どんな方向性に進むのか、そのうちに読んでみたい。
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組織の奇人、変人、問題児ばかりを集めた体の良いお荷物置き場特別捜査班。 とある捜査の過程で容疑者を射殺したことを過度の防衛行為として扱われ処分されたエリート女性警察官カペスタンはこの組織の責任者を任されることに。 問題児達の過去を受け入れキラリと光る一芸をうまく利用しながら未解決事件の再調査に乗り出す。 フランス版特捜部Qと名打たれるようにあるあるの警察物の設定、展開のシリーズもの。 第1作目だけあって登場人物のキャラを説明するのに多くのページが割かれ土台づくりをしている印象。 おもしろくないわけではないが、特捜部Qにはアサドという強烈なキャラがいるのが特徴的だがこのシリーズでは何がリーダビリティを示していくのかが未知数だった。
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なぜか憎めいない、個性豊かな登場人物に、いつの間にか親近感を覚えて・・・ 後半は、早く事件の真相を知りたいような、痛快なやりとりをずっと読み終わりたくないような、そういう気分になる作品でした。
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あらすじ やり手の警視正アンヌ・カペスタンは犯人射殺で左遷され、特別捜査班を任される。そこは、各部署のお荷物が押しつけられた場所だった。本当は40名がピックアップされたが、今は数名だけが勤務。死に神、脚本家、マスコミにリークするアルコール依存症、ギャンブル依存症、など。過去の事件を形だけ調べるように言われたが、20年前の船員死亡事件と、8年前の老女強盗殺人につながりを見いだす。どうやらとちらも船の沈没事故がかかわっているらしい。 コミカルで軽い。フランスの「特捜部Q」って言われているらしいが、そこまでの深みや厚みはない。イメージは映画の「TAXi」。フランスの作品なので。事件の内容も重くないし、残酷な場面はない。 捜査員が個性的で結構自由。職場に小型犬持ち込んだりしてる。落ちこぼれと言われてへこむ時もあるけど、そこはカペスタンが学校の先生のように皆を励まし前向きにさせる。メンバーもまた素直に頑張るところがほっこりした。解説にもあったけど、食に詳しい国民性?なのか、食べてるものは、オシャレなものが多かった。
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〝パリ警視庁迷宮捜査班〟って、名前はカッコイイけど、 新設されたこの班のメンバーはワケありのはみ出し者ばかり。 けれど彼らは、けっして落ちこぼれではありません。 少しばかり癖のある、組織になじまない人たち、 あくまでもはみ出してしまった人たちなのです。 オフィスも司法警察局の中...
〝パリ警視庁迷宮捜査班〟って、名前はカッコイイけど、 新設されたこの班のメンバーはワケありのはみ出し者ばかり。 けれど彼らは、けっして落ちこぼれではありません。 少しばかり癖のある、組織になじまない人たち、 あくまでもはみ出してしまった人たちなのです。 オフィスも司法警察局の中ではなく、 パリ一区の暖炉のある古びたアパルトマンの一室を与えらます。 彼らはここを自分好みに改装して、 暮らしやすい場所にしてしまいます。 もともと捜査の腕はたしかな刑事たちですから、 経費は認められなくても、設備は貧弱でも、 組織になじめなくても、虐げられても、 それぞれに生き辛さを感じながらも、 迷宮入り間近な事件解決のために奔走し、 権力に立ち向かいます。 こういう展開にワクワクする判官びいき的心理は、 世界共通のものなのですねぇ。 事件を解決して めでたし、めでたしなのですが、 ちょっとばかり後味の悪さが残るのもイイ感じです。 どうやら続編刊行が決まったようです。 またひとつ楽しみが増えましたぁ。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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厄介者扱いされたメンバーでつくられた特別班が未解決事件を追う話。 メンバーがちょっと多い上にフランス名なので覚えられないかなと思ったけどキャラひとりひとりにしっかりした個性があるので大丈夫だった。 キャラと読みやすさやテンポの点では良かったけど、謎の部分は大した驚きもなく案外す...
厄介者扱いされたメンバーでつくられた特別班が未解決事件を追う話。 メンバーがちょっと多い上にフランス名なので覚えられないかなと思ったけどキャラひとりひとりにしっかりした個性があるので大丈夫だった。 キャラと読みやすさやテンポの点では良かったけど、謎の部分は大した驚きもなく案外すんなりと犯人が捕まった感はあった。 終わり方は爽やかな感じで良かった。
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