罪の声 の商品レビュー
昭和最大のミステリー、グリコ・森永事件。あの「子どもの声」に着想を得て、ここまで重厚な人間ドラマを構築した著者の想像力と緻密な取材力に、ただただ脱帽した。 本作が描くのは、単なる謎解きではない。「親ガチャ」という言葉では片付けられないほど残酷な、家庭環境が人生を決定づけてしまう...
昭和最大のミステリー、グリコ・森永事件。あの「子どもの声」に着想を得て、ここまで重厚な人間ドラマを構築した著者の想像力と緻密な取材力に、ただただ脱帽した。 本作が描くのは、単なる謎解きではない。「親ガチャ」という言葉では片付けられないほど残酷な、家庭環境が人生を決定づけてしまう理不尽さだ。犯罪に加担させられたとも知らず、平穏に生きてきた者。一方で、その「声」によって人生を徹底的に破壊された者。その対比があまりに鋭く、胸を締め付けられる。 また、メディアの存在意義についても深く考えさせられた。「声なき人々の声を拾い上げる」こと。それは、情報の海の中で真実が埋もれ、無き者にされるのを防ぐ唯一の手段だ。公的な情報を扱う立場としても、真実を「気づく力」と「発信する力」の重要性を再認識した。世の中の構造をより深く知りたい、そう思わせてくれる傑作。
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グリコ・森永事件をモチーフにした小説。犯罪に巻き込まれた子供のその後の人生や家族としての責任の取り方を考える。大人としての正しさみたいなものを改めて考える必要を感じた。
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全く面白くない。頑張って半分まで読んだがダラダラしているだけで読み進めたいと言う気持ちにならない。読むのが苦痛。やはり文章力だなと思った。文章力がある本は続きが気になってスラスラと読み進めてしまう。
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とても面白かった。 最初の方は自分の理解力の乏しさゆえに難しく感じ、ほんとに読めるかとも思ったが、話が進むにつれて読むペースも早くなった。望が死ぬところから物語の展開がかなり進み、最後の聡一郎とのシーンでは涙を流した。 この物語は現代のマスコミの在り方や、事件というものの影響力に問題提起するそんな作品であると思う。
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未解決事件に新聞記者とテーラーの2人の主人公が迫るミステリー。 本作は未解決事件であるグリコ森永事件をベースに30年後に主人公2人の視点で、次第に事件の真実が明らかになっていく… 実際のグリコ森永事件も同じような裏があったのかなと思うほどリアルな設定。 登場人物の人間関係も濃密で...
未解決事件に新聞記者とテーラーの2人の主人公が迫るミステリー。 本作は未解決事件であるグリコ森永事件をベースに30年後に主人公2人の視点で、次第に事件の真実が明らかになっていく… 実際のグリコ森永事件も同じような裏があったのかなと思うほどリアルな設定。 登場人物の人間関係も濃密で、読み応え抜群の一冊。
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事件の真相が明らかになるにつれ、犯人側の動機にはどこか冷めてしまった。「そんな理由のために?」と、身勝手な論理に共感しきれない部分が多かった。しかし、その一方で、犯罪の声として利用された子供たちのその後の人生があまりに壮絶で、言葉を失った。親や大人たちの身勝手な執念によって、平穏...
事件の真相が明らかになるにつれ、犯人側の動機にはどこか冷めてしまった。「そんな理由のために?」と、身勝手な論理に共感しきれない部分が多かった。しかし、その一方で、犯罪の声として利用された子供たちのその後の人生があまりに壮絶で、言葉を失った。親や大人たちの身勝手な執念によって、平穏な生活を奪われた彼らの人生に胸が締め付けられ、思わず涙がこぼれそうになった。
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グリコ•森永事件を題材にした小説。警察とか会社への恨みを犯罪で返すのはアウトだけどじゃあどうすればいいん被害者きつすぎない?
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日本企業を対象に行われた脅迫事件。その際に使われたテープの声と自分の声が全く一緒だった。事件に利用された子ども達、そして巻き込まれた家族達。人に振り回され崩れていく人生。そんなのってやるせなさすぎる。 新聞記者の阿久津と関係者の曽根が事件を明らかにしていくとともに、犯人の稚拙さ、...
日本企業を対象に行われた脅迫事件。その際に使われたテープの声と自分の声が全く一緒だった。事件に利用された子ども達、そして巻き込まれた家族達。人に振り回され崩れていく人生。そんなのってやるせなさすぎる。 新聞記者の阿久津と関係者の曽根が事件を明らかにしていくとともに、犯人の稚拙さ、巻き込まれた人々の無念が伝わってくる。 これが実際にあった、グリコ・森永事件に基づいて描かれていたことに驚いたと共に、知らなかった事件でこれから知りたいと強く感じた。
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元の事件のことは知らずに読み終えたので、最後の作者コメントを見て驚き。自分が産まれるかなり前の事件なので全然知りませんでした。 とても読み応えがあって、1日あくと細かい日付や登場人物がすぐに分からなくなる。戻りながら読んだので時間がかかったけど、本当に読んでよかった! 事件との関与が明らかになっていく中、真実が気になって、どんどん読み進められた。 2人の姉弟と1人の子供、同じようにあの事件の被害者であり関係者なのに、生きてきた道があまりにも違いすぎて切なかった。 報道の正義には正直あまり共感できなかったけど、 結果あの親子が再会できたのはよかったのかな。 犯行の動機がくだらなくて、なのに未解決事件のまま時効となってしまうまで警察を手こずらせたというのがこわいと思った。動機がくだらないところが逆にリアル。
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ここまで重厚でな小説は初めて読みました。登場人物の多さに時々混乱しましたが、それが却ってリアリティーを醸し出しています。物語が進むにつれての登場人物達の心境の変化は考えさせられるものが多くありました。 俊也は母親から頼まれた探し物を世紀の未解決事件のテープレコーダーが自分の父親の遺品から出てくる。その関係性を探っていく過程では真相を知りたいと思う気持ちと血縁者が犯罪に関わっていて欲しくないという気持ちが一緒にあるように思えた。 新聞記者の阿久津は当初「事件の犯人」を見つけるために文字通り靴底をすり減らし取材に明け暮れる。しかし、いざ犯人に辿り着き動機を聞くと中身が空っぽな空虚な理由だった。 ここら辺から2人は事件の「過去」を追うのではなく、この事件がもたらした「未来」に焦点を置くようになる。 俊也は愛する家族の未来を暗いものにしないため。そして、阿久津は犯罪者の家族たちの再会のために事件を追う事に舵を切る。 最後は全ての事件が明るみになり、生島親子の再会も叶えられて何よりだった。 やはり、犯罪はその家族までも不幸にしてしまう。なので当然の事だが手を染めてはならない。
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