英単語学習の科学 の商品レビュー
おすすめ資料 第555回 語彙がなければ、何も伝わらない(2023.06.02) 第二言語学習者として、 あらためて語彙知識の大切さをかみしめるているところに、 この本に出合いました。 覚えるための仕組みについて知るのは、 純粋に面白いです。 自分に合った方法をみつける手...
おすすめ資料 第555回 語彙がなければ、何も伝わらない(2023.06.02) 第二言語学習者として、 あらためて語彙知識の大切さをかみしめるているところに、 この本に出合いました。 覚えるための仕組みについて知るのは、 純粋に面白いです。 自分に合った方法をみつける手がかりになるといいな、 と思います。 【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】 https://library.kobe-cufs.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BK00281023 【神戸市外国語大学 図書館Twitterページへ】 https://twitter.com/KCUFS_lib/status/1665588005266964481
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・単語の「コアミーニング」を掴む ・推測して意味を学ぶより、暗記して学ぶ方が学習効果は高い(8倍の差) ・付随的学習効果の高め方…同じテキストを何度も読む(目安として12回以上)or narrow reading / narrow viewing どうしても単語帳を片っ端から覚...
・単語の「コアミーニング」を掴む ・推測して意味を学ぶより、暗記して学ぶ方が学習効果は高い(8倍の差) ・付随的学習効果の高め方…同じテキストを何度も読む(目安として12回以上)or narrow reading / narrow viewing どうしても単語帳を片っ端から覚えるよう指示しがち。ばーっと流すんじゃなくて、1個ずつコアミーニング、語源、それ付随して派生語も扱うやり方を取り入れるのもありかも。「同じテキストを何度も読む」は自分にも使える。音読効果と併せて謳っていきたいところ。
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よく纏まってる。だいたい体感通り。 効果的な英単語の覚え方 ●覚える姿勢 コアミーニング+和訳はいくつか 高頻出語彙から覚える 単語帳をメインに+文脈推測をサブに ●テストで覚えるのが効果的 単語カ...
よく纏まってる。だいたい体感通り。 効果的な英単語の覚え方 ●覚える姿勢 コアミーニング+和訳はいくつか 高頻出語彙から覚える 単語帳をメインに+文脈推測をサブに ●テストで覚えるのが効果的 単語カードが効果的 テスト(思い出し)が記憶を強化(日→英、英→日) テスト(選択)も良い テスト(記述)はスペリングに有効だが、効率が悪い 未学習の単語のテストも有効 ●長時間集中学習より短時間分散学習 1日複数回より1日1回を長期間 学習間隔の長さ=記憶保持の長さ 反復は、読書なら12回、単語帳なら5回必要 ●ネットワーキングが効果的 等位語、類義語、反意語の同時学習は"悪くはない" コロケーションで類義語との差異を覚える カタカナ語利用で高頻度語を1500/3000覚えられる(発音は注意) 語源学習は以下に有効。 中頻度〜低頻度単語向け 既知語・カタカナ語を手がかりにする 語呂合わせも有効 ●文章で覚える場合 基本的に文章でついでに単語を覚えるのは非効率である 知ってる単語が95-98%=知らない語彙が2-5%の文の繰り返しで覚える 文脈推測は推測しにくい文の方が有効(=テスト効果)
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英単語の学習だけに限らず、他の学習にも活かせる方法が書いてある。特に「テスト効果」は、日常生活のあらゆる場面において活用できるだろう。
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万能な覚え方はないということがわかってほっとした。 自身の直感とは異なる実験結果が出ていて大変勉強になった。特に現場では、意図的学習が軽視されていると感じる。どんどん読ませて文脈で自然と語彙を習得させるためには、大量の英文を読みこなさなくてはならないが、そこは議論されないのがも...
万能な覚え方はないということがわかってほっとした。 自身の直感とは異なる実験結果が出ていて大変勉強になった。特に現場では、意図的学習が軽視されていると感じる。どんどん読ませて文脈で自然と語彙を習得させるためには、大量の英文を読みこなさなくてはならないが、そこは議論されないのがもやもやしていたところであった。読んでいてとても背中を押され部分も多くあり、現場への教育示唆も多く感じた。
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エビデンスに基づく英単語学習法を解説した本。英単語習得においては、これまで個人の経験や教える側の慣れ親しんだ方法に従って行われることが多かった。例えば、同じ単語を繰り返し書き写すドリル方式や例文で覚えるのが最適と推してくる方法など。あるいは単語カードで英単語を日本語訳を覚えるだけ...
エビデンスに基づく英単語学習法を解説した本。英単語習得においては、これまで個人の経験や教える側の慣れ親しんだ方法に従って行われることが多かった。例えば、同じ単語を繰り返し書き写すドリル方式や例文で覚えるのが最適と推してくる方法など。あるいは単語カードで英単語を日本語訳を覚えるだけではダメだ、とか。研究結果により、それらはいずれもひっくり返されているということが述べられていて非常に興味深い。 英単語習得には様々な側面があり、全てを網羅する王道はないが、目的に合った方法を選択することで無駄な労力を費やすことはなくなる。 英語に限らず、他言語の語彙習得においても同様であるので、早速、この本の内容を実践してみようと思っている。
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「外国語の語彙習得に関してこれまでに行われてきた多くの研究の中から、英語教師および学習者にとって特に有益と思われるものを選び」(pp.iv-v)、紹介したもの。語彙習得研究では必ずNationという人が出てくるが、著者はこの先生に師事していたらしい。 語彙習得研究って実験しや...
「外国語の語彙習得に関してこれまでに行われてきた多くの研究の中から、英語教師および学習者にとって特に有益と思われるものを選び」(pp.iv-v)、紹介したもの。語彙習得研究では必ずNationという人が出てくるが、著者はこの先生に師事していたらしい。 語彙習得研究って実験しやすそうだし、わりとメジャーな分野かと思っていたが、語彙習得は1980年代で「軽視されている側面(neglected aspect)」(p.iv)だったというのが意外だ。そのNationという先生によれば、2013年の時点で「語彙習得研究の約30%は、過去11年間に行われたものである」(同)らしく、他の先生によれば「語彙研究は無視された分野どころか、実証研究や教材・参考書が雨後の筍のように出版され続け、語彙の専門家ですら最新の動向についていくのに必死」(同)な分野だそうだ。 おれ個人の経験でも、確かに、今となっては15年くらい前に学んだ英語科教育法とかで「語彙習得」について学んだことがない(気がする)のは、それを教える先生が語彙習得研究に興味がないのか、その当時最近の研究の成果をその先生が知らなかったのか。多くの英語教師、あるいは英語好きの親が生徒や子供に言うことは、カバーにも書いてあるが、「単語帳で暗記してもすぐに忘れるが、頑張って文脈から推測した単語の意味は忘れない」とか、「実際に手を動かして書かないと、英単語は覚えられない」とか、そういう根拠のない、あるいは自身の経験や好みに影響されたビリーフで指導をしている気がする。 割と英語教師だけでなく、外国語を学ぶ人なら一般の人でも読みやすい分量と内容。「分散学習と集中学習の効果」、「関連語をまとめて覚える方法」、「語源で覚える」、「文脈から覚える」、「単語カードで覚える」、「書き取り練習をする」などの単語を覚える時の様々なストラテジーについて、簡単な実験の概要と、長期記憶に効果があったのかという結果、考察が書いてあって、面白かった。中には「語呂合わせ」みたいな方法もある。 いくつも面白い参考になる部分はあったが、特に面白かったのは「何回くらい単語に触れれば習得されるか」(p.11)という話で、Nation教授によれば「少なくとも12回の繰り返しは必要」(同)ということだ。ということは、「30万語の英語テキスト(小説約3冊分)を読めば、3000語レベルの単語は少なくとも12回繰り返され」、「一方、9000語レベルの単語に12回出会うためには、300万語ものインプット(小説約30冊分)が必要であるという結果が得られました」(同)というデータを具体的に知れたのが良かった。他にも色々あるが、基本的には今までおれが授業でやってた方法やプリントで、わりと良いんじゃないかという感触。すごく端的に言えば、どのレベルの単語を教えるか(表現語彙か発表語彙か)、1回目に提示しているのか、それ以降の提示なのか、繰り返して提示しているか、というところだと思う。強いて言えば、「とにかくテストをやった方がいい」という部分が弱かった気がする。(と言うのは、全員がちゃんと取り組むならテストは効果的だが、やみくもなテストはやる気を削ぐものだと思うから。範囲だけ決めて、特に授業で何のフォローもせずに、とにかく機械的にテストするというのは、英単語学習の動機付けを減退させる最たるものだと思うし、それで英単語学習をやらなかった生徒を救えない、という理由。でもペアワークとかで「テスト要素」を必ず取り入れてるというのは良かった。英語教師になった時から「90-second Quiz」をやっているが、これを紹介した田尻先生の本は本当に役に立った。)第6章の「正解できるはずがないテストの効果」という話が面白く、もしかしたら覚える前に「最初に単語テストをやる」という方法もアリかもしれない。外国語を勉強している人なら、自分の単語の覚え方がどれくらい根拠のあるものなのかというのを知るにも面白い本だと思う。(19/06/23)
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