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暴君 の商品レビュー

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13件のお客様レビュー

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2019/08/04

「昭和解体」よりも先に「暴君」読了。昭和から平成までの労働組合運動の大クロニクル、いや全共闘以降の新左翼や中曽根民活による産業変革をも読み解ける一大絵巻物です。ただその表装を剥がした裏地の物語ですが。まるで「スターウォーズ」や「仁義なき戦い」のような興奮によって一気に最後まで。本...

「昭和解体」よりも先に「暴君」読了。昭和から平成までの労働組合運動の大クロニクル、いや全共闘以降の新左翼や中曽根民活による産業変革をも読み解ける一大絵巻物です。ただその表装を剥がした裏地の物語ですが。まるで「スターウォーズ」や「仁義なき戦い」のような興奮によって一気に最後まで。本書の主人公である「暴君」松崎明はダースベイダーや山守組長に負けじとも衰えないダークヒーローか?ただこのストーリーは決してファンタジーではなく令和になった今も続いているリアルストーリー。面白がって読んでいくと最後にヒヤリとした感覚に出会います。このJR裏面史を駆動するのは「革マル」VS「中核」の暴力かも。その陰惨さが、本書独自の禍々しさをもたらしています。「D型もD民動へ涸谷に」主人公、最期の句で表される「動労型労働運動」、つまり「統一と団結の否定」であり、「積極攻撃型組織防衛論」がたどり着いた社会は個人の自己責任に重きが置かれコミュニティはデジタルに移り変わった21世紀の今、でした。だからアンチヒーローの叙事詩としてより、昭和の社会と組織と個人の挽歌としての哀しさの方が読後感としては大きいかも。

Posted byブクログ

2019/07/17

【”妖怪”と呼ばれた男・松崎明の”呪縛”からJR東日本が「完全に解放される日」は、”日本の失われた二十年”どころか平成まるまる三十年間をかけて、ようやく近づいてきたということなのだろう】(文中より引用) 旧国鉄において「鬼の動労」と恐れられた労働組合を率い、民営化後もその絶対的...

【”妖怪”と呼ばれた男・松崎明の”呪縛”からJR東日本が「完全に解放される日」は、”日本の失われた二十年”どころか平成まるまる三十年間をかけて、ようやく近づいてきたということなのだろう】(文中より引用) 旧国鉄において「鬼の動労」と恐れられた労働組合を率い、民営化後もその絶対的な影響力を保持し続けた松崎明。その半生を丹念に記しながら、JRに彼が深く遺した影響について考察した作品です。著者は、日本経済新聞社で社会部長などを歴任した牧久。 読んだ前と後とで同じ事象に対する見方が変わる一冊というのがたまにあるのですが、本作がまさにそれ。長年に渡って地道に、そして真摯に取材活動を続けてきたからこそ著すことのできる作品だと感じました。硬派なテーマですが、読めば多くの方が素晴らしい読書体験を積むことができる名著かと。 今年のトップ10に入ってきそう☆5つ

Posted byブクログ

2019/07/05

「マングローブ」も衝撃的な内容だったけど、この本もすごい。毎日のように乗ってた鉄道がこんな内情だったなんて怖い。。

Posted byブクログ