心音 の商品レビュー
幼少期に募金でアメリカに渡り心臓移植を受けた明音の半生。 明音と同じ立場にいながら、移植が叶わず命を落とした若葉ちゃんの母の気持ちは、母親としては分からなくもないです。 明音自身は、与えられた命であると、生きていくことに一生懸命であることは必要にも思いますが、ここまで自分の人...
幼少期に募金でアメリカに渡り心臓移植を受けた明音の半生。 明音と同じ立場にいながら、移植が叶わず命を落とした若葉ちゃんの母の気持ちは、母親としては分からなくもないです。 明音自身は、与えられた命であると、生きていくことに一生懸命であることは必要にも思いますが、ここまで自分の人生をお金で与えられたものと背負い込む必要があったのかが疑問でした。 実際の問題として、こういうことは起こっているのでしょうか。 少し前に『移植医たち』という本を読み、移植医療を志す医師達の姿に感銘を受けていたので、かなりショックでした。 臓器提供に肯定的な考えを持っていたので、今はかなり複雑な気持ちです。
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1億5千万円の募金を集めて海外での心臓移植に成功した明音、 時を同じくして募金が集められずに心臓移植を受けられなかった若葉。 終始、重くしんどい話だった。たしかに命は重いけれど、 明音はここまで追い込まれなくてはいけなかったのだろうか。 明音の母の言い分もわからなくはないが、 度が過ぎている。 明音が生きる喜びを味わい知ることも 同じくらいに大切なことなのではと思った。 深く考えさせられた作品だった。
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城石明音は1億5千万円の募金を集めアメリカで心臓移植し成功する。私なら良かったなあと単純に思うのだが、学校で陰湿な、いじめにあう。1億5千万で命が買えるのだとか、まだ生きているのかなど、次々にメールなどで同級生が攻撃。手を出していないからいじめじゃないとうそぶく女の子。学校で唯一...
城石明音は1億5千万円の募金を集めアメリカで心臓移植し成功する。私なら良かったなあと単純に思うのだが、学校で陰湿な、いじめにあう。1億5千万で命が買えるのだとか、まだ生きているのかなど、次々にメールなどで同級生が攻撃。手を出していないからいじめじゃないとうそぶく女の子。学校で唯一の見方は音楽教師の美智子。音楽準備室でバイオリンを弾かせて、楽器と親友になれと諭す。高校では知った子がいかないような所を選ぶが、一人いた。知られないように明るく過ごすが、そのこのためばれ、またいじめが始まる。やがて就職し、結婚するが、継子を残して旦那が急死。継子が自転車で女の人にぶつかり、寝たきりにしてしまう。その人が死にたいといったので明音は機械のスイッチを切るが補助機械が作動失敗する。
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初めて読む作家であるがちょっと後悔している、久しぶりにこんな意地悪な小説を読んでしまい読後感の悪いこと。結局この作者は心臓移植には反対なのだ。せっかく善意の移植を受けたのにこの日本ではその善意の何百倍もの悪意に晒されることになるということか、これならなんのために命を救われたのか分...
初めて読む作家であるがちょっと後悔している、久しぶりにこんな意地悪な小説を読んでしまい読後感の悪いこと。結局この作者は心臓移植には反対なのだ。せっかく善意の移植を受けたのにこの日本ではその善意の何百倍もの悪意に晒されることになるということか、これならなんのために命を救われたのか分からない、登場人物の大半が悪意の塊という珍しい小説で全く救いがない、この作家は二度と読まないだろう。
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病気になったのは、あるいは病を抱えて生まれてきたのはその人のせいではない。この物語で語られているのは人々の善意によって海外での臓器移植を成功させた一人の少女。術後こんな人生が待っている可能性があるとわかっていたら、彼女はそれを選んだだろうか。彼女はただ普通に生きたいと願っただけな...
病気になったのは、あるいは病を抱えて生まれてきたのはその人のせいではない。この物語で語られているのは人々の善意によって海外での臓器移植を成功させた一人の少女。術後こんな人生が待っている可能性があるとわかっていたら、彼女はそれを選んだだろうか。彼女はただ普通に生きたいと願っただけなのだ。もし私が彼女の母親だったら、こうなる可能性がわかっていても、なりふり構わず何とかしようと思ったかもしれない。でも悲しいことに年を重ねた私には、彼女に悪意を向けるほかの母親の気持ちもわかってしまうのだ。やるせなさだけが募る。こんな思いをしなくても生きることが選べる医学の進歩を願うとともに、この本を読むことで多くの人が、移植に限らず、何かを考えたり気づくきっかけになることを切に願う。
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心臓病の少女が一億五千万の寄付金を得て心臓移植手術に成功し、その後の人生を謳歌する物語……だったらよかったのに。何ともいえず悲痛で、とにかくつらい物語。それでも最終的な読後感が悪くないのは流石。 なんでこういうのに悪意が向いてしまうのか。生きたいという思い、大切な人を助けたいとい...
心臓病の少女が一億五千万の寄付金を得て心臓移植手術に成功し、その後の人生を謳歌する物語……だったらよかったのに。何ともいえず悲痛で、とにかくつらい物語。それでも最終的な読後感が悪くないのは流石。 なんでこういうのに悪意が向いてしまうのか。生きたいという思い、大切な人を助けたいという思いが悪いはずがないのに。人の臓器をもらうことだって、その人をそのために殺したわけじゃない。もちろん「命を金で買う」行為が気に入らないと思うことは自由だけれど。それなら募金活動も無視すればいいだけ。わざわざ面と向かって批判する必要性がどこにあるんだ、と苛立つばかりです。 そんな中でも誹謗中傷に負けず、明るく朗らかに生きようとする明音。ぱっと見はなんと健気でたくましく素晴らしいんだろう、と思えますが。実際は痛々しくって仕方ありません。別に一億五千万円分の価値などなく、普通に生きても良いのに。あくまでも責任をもって生きることを課せられた人生の重みが過酷で、だけど死んでいればよかったなんて考えも悲しすぎて。本当に、どんな人生でも生きる意味があればいいなあ。そう信じたい。
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1億5千万円の寄付を集めて、米国で心臓移植をした明音。同じ時期に同じ病で死んだ若葉。若葉の母が小学校にやってきて殺されかけた。中学では寄付金で生き残ったとイジメ。高校なは学区外に進学するも友人ができない。社会に恩返しをする為に高卒で働いき自活する。会社の上司は寄付金をしていた。二浪中で合格の運をかけた 上司の妻が早死に。結婚して先妻の子を育てる。夫が突然死。息子が自転車事故を起こし、女子大生は第四携帯損傷。人工呼吸器。話が出来ず、ホワイトバードで話す 殺してくれと頼まれる。自殺幇助の証拠を残す。機械に触れたとたんナースがやってきて未遂に終わる。息子は父方がひきとった。すべてを負って生きる。
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乾作品は、いつもそうだが、描いて良い範疇を超えている、と一瞬感じる。しかし、描いている内容は、決して虚偽ではなく、真実なのだ。この作品も臓器移植を扱った極めて表現の難しいものだが、一歩踏み込んで心理描写しており、結果、迫力が増している。凄い。
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母は強し! もし我が子がこんな境遇だったら めっちゃ甘やかしそう。 主人公の母親みたいになれる自信がないわ。 臓器移植を受けた方たちって 自分の命に対して背負うものが こんなにも大きいなんて こういう目線で考えたことなく 手術が成功して、はい終わり。 と言うわけにはいかない。...
母は強し! もし我が子がこんな境遇だったら めっちゃ甘やかしそう。 主人公の母親みたいになれる自信がないわ。 臓器移植を受けた方たちって 自分の命に対して背負うものが こんなにも大きいなんて こういう目線で考えたことなく 手術が成功して、はい終わり。 と言うわけにはいかない。 当人の葛藤は想像を絶する。
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最初に出てきた女性の方がメインになるものと読み進めたので こう来るかと意外だった。 ほんのわずかな救いのひとときが 余計に暗闇を濃くしてしまう。 しんどくて後味悪し。 それにしても乾さんは どんどん新たな世界を描いてくる。 次はどんな世界に導いてくれるのやら。 [図書館・初読・5...
最初に出てきた女性の方がメインになるものと読み進めたので こう来るかと意外だった。 ほんのわずかな救いのひとときが 余計に暗闇を濃くしてしまう。 しんどくて後味悪し。 それにしても乾さんは どんどん新たな世界を描いてくる。 次はどんな世界に導いてくれるのやら。 [図書館・初読・5月24日読了]
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