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東洋哲学の構造 エラノス会議講演集 の商品レビュー

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2025/08/11

当時、このエラノスの講演を聞く欧米人は「神秘的な東洋」というバイアスがかかった人ばかりだったろう、そこに日本人として単身乗り込む井筒はどんな気持ちだっただろうか。 井筒は終戦の時、31歳だった。渦中の人間でありながら戦争のことは黙して語らなかったようだ。 その点を深読みすると、井...

当時、このエラノスの講演を聞く欧米人は「神秘的な東洋」というバイアスがかかった人ばかりだったろう、そこに日本人として単身乗り込む井筒はどんな気持ちだっただろうか。 井筒は終戦の時、31歳だった。渦中の人間でありながら戦争のことは黙して語らなかったようだ。 その点を深読みすると、井筒のエラノス会議への参加は、戦時中に課せられた極秘任務の再生活動だった、というのはどうだろう。 任務とは「お前は生き残って、大東亜共栄圏はかくも美しい思想にあふれていたことを万世に伝えよ」という大命だ。 あれだけ多くの著作を残しながら、戦争体験を一言も語らなかったことは、よほどの理由があったものと思われる。「井筒俊彦、われ極秘司令八三○七完遂せり」という題名で小説でも書けそうだ。 ひょっとしたら、私も、このサブリミナルな雰囲気に惹かれて井筒の思想に興味をもってしまっていたのかもしれない。 たとえば、p26の「生と死はお互いに対立しているように見えます。しかし実際、それらは全世界に浸透しかつ全世界を貫いている「道」という一つの全く同じ創造的な過程の二つの異なる現象形態に過ぎないのです。こうした意味において、存在のより深いレベルでは、両者は全く同じ一つのものです。」これは、死んでいった英霊へのリスペクトともとれる。 しかし、現実の日々の経済活動の中では、言語や国境を超えて同じ情報を共通できる論理は、「神秘哲学」ではなく「自然科学」であることを、われわれは自覚しておくべきである。 ****** 岩波文庫の「コスモスとアンチコスモス」の中に「事事無礙・理理無礙」や「禅的意識のフィールド構造」と同様な文章が載っている。 https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766424591/

Posted byブクログ