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ネコ・かわいい殺し屋 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2023/06/06

猫が好きな人ほど、読んだ方がいいかもしれない。 ふと図書館で目に入った本書のタイトル。 猫大好きで、地域猫にも関わっている私は、だからこそこの本を読むべきかもしれないと思い手に取った。 内容としては、家の中で飼われているネコと野放しネコ(野良猫と放し飼いの猫など)とを区別し、野...

猫が好きな人ほど、読んだ方がいいかもしれない。 ふと図書館で目に入った本書のタイトル。 猫大好きで、地域猫にも関わっている私は、だからこそこの本を読むべきかもしれないと思い手に取った。 内容としては、家の中で飼われているネコと野放しネコ(野良猫と放し飼いの猫など)とを区別し、野放しネコが生態系や人間に媒介する感染症に与える影響について、それらの影響を無くすためにどうすればいいのか?TNR(捕獲・不妊去勢・再放逐…日本でいう地域猫と考えていいだろう)の是非、各国の野放し猫への対応などについて論じている。 タイトルや内容からもしかして著者はネコが嫌いなのか?と思われるかもしれないが、決してネコ自体を非難しているわけではない。 家の中で飼われているネコに対しては何も言及していない。 野放し猫に対して論じている鳥類学者の中にも、ネコが好きな人はたくさんいる。 しかし、生態系への影響、また野放しにされることによって、人間や、他ならぬネコ自身にデメリットしかないことを語っている。 私も地域猫と触れ合う中で、今野放し猫に対してできることはこれくらいしかないから地域猫を見守っているが、異常気象やネコ嫌いの人間たちから受ける暴力などをみていく中で、地域猫たちの過酷な生存環境については頭を悩ましてきた。 TNRは好まれるが、何も解決しない。 その通りだと思う。 これは私の考えだが、一番は飼い主による無責任な猫の遺棄さえなければ、地域猫や野良猫などとしてネコたちは生きる必要はなかったのだ。 ネコを蔓延らせたのは、ネコを無自覚な殺戮者や迷惑者にしてしまったのは人間だ。 「今日、悪気のない人たちの行動、あるいはそれと同じくらい重要な、「行動しないこと」が、世界中で生態学的健全さのつづれ織りを少しずつほころびさせ、人々の健康を脅かすという意図しない結果をもたらしている。家の中でネコは素晴らしいペットになる。野外に放たれれば、自らの過ちではないのに、無慈悲な殺し屋、病気の温床となる。」 本書は主にアメリカやオーストラリア、ニュージーランドなど英語圏のネコによる生態系異常について語られているが、日本でもことの重大さは変わらない。 ネコについて、ひいては地球、自然について、一番に責任を負い、考えるべきは人間たち。 そう再認識させられる本だった。 以下備忘録がてら目次をば。 第1章 イエネコによる絶滅の記録 第2章 イエネコの誕生と北米大陸での脅威 第3章 愛鳥家と愛猫家の闘い 第4章 ネコによる大量捕殺の実態 第5章 深刻な病気を媒介するネコー人獣共通感染症 第6章 駆除vs愛護ー何を目標としているのか 第7章 TNRは好まれるが、何も解決しない 第8章 鳥、人そしてネコにとって望ましい世界 第9章 どのような自然が待ち受けているのか?

Posted byブクログ

2022/12/10

人間にとって愛玩動物であるネコを、外来捕食者、伝染病の媒介者としての面をクローズアップしている本。洋書らしく表現が日本語とちょっと違うので読みづらくはあるが、終始ネコに批判的な論調であることがわかる。 ただ、一番厄介なのは野生のネコよりも「犬と違って散歩の手間が省ける」と放し飼...

人間にとって愛玩動物であるネコを、外来捕食者、伝染病の媒介者としての面をクローズアップしている本。洋書らしく表現が日本語とちょっと違うので読みづらくはあるが、終始ネコに批判的な論調であることがわかる。 ただ、一番厄介なのは野生のネコよりも「犬と違って散歩の手間が省ける」と放し飼いにされる家ネコのようだ。野生のネコは野鳥や小動物を補食しながらも自然の食物連鎖の一部となり得るが、家ネコは十分な栄養を与えられた上にその習性から補食(あるいは狩り)を行う。さらに、人間の引っ越しと共に外からついてくると、その地域の「外来捕食者」となって生態系を崩していくということが延々と述べられている。 批判がネコに向いていると思いきや、これは飼う人間の側の問題を提起している本なのかもしれない。

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2021/03/03

猫は優秀なハンターであることがしっかり書いてある。かわいいし大好きだけど、野にいてはいけない。野良猫にしても、われわれが外に出るのが陽気のいい時が多いし、人前にでてくるときはのんびりしているところを目にすることが多いが、よくよく考えると次々と入れ替わっていて、寿命が決して長くない...

猫は優秀なハンターであることがしっかり書いてある。かわいいし大好きだけど、野にいてはいけない。野良猫にしても、われわれが外に出るのが陽気のいい時が多いし、人前にでてくるときはのんびりしているところを目にすることが多いが、よくよく考えると次々と入れ替わっていて、寿命が決して長くないことが想像できる。猫は家の中でかわいがるもの。

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2020/12/13

子供の頃に家で猫を飼っていたが、その猫は外出自由で、好きな時に外に出ていました。 ネズミや鳥を捕まえてきたことは無かったが、庭でバッタを捕まえて食べているのは見かけました。 動物性タンパク質は、魚食べた時の残りカスとか、釣に行って人が食うには小さいのをあげていたくらいでした。 後...

子供の頃に家で猫を飼っていたが、その猫は外出自由で、好きな時に外に出ていました。 ネズミや鳥を捕まえてきたことは無かったが、庭でバッタを捕まえて食べているのは見かけました。 動物性タンパク質は、魚食べた時の残りカスとか、釣に行って人が食うには小さいのをあげていたくらいでした。 後は、ふつうに残飯(植物系)が主食。 動物性タンパク質が足りずにバッタで補給していたのかもしれない。 https://seisenudoku.seesaa.net/article/472846534.html

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2020/05/09

猫は好きなのですが、それはそれとして、野放図に増やして野に放つと野生動物にとっての脅威になるという点については、きちんと認識しておかねば、と考えさせられました。 トキソプラズマの、人間の精神に与える影響に関してはこの本で初めて知りました。

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2019/09/12

野良猫が生態系に与える影響の大きさに警鐘を鳴らしている本。「とりあえず動くものは捕まえる」というネコの性質が生態系に与える影響が実はかなり大きいのです。が、真に有効な対策もないのです。※僕は決して愛猫家と敵対するつもりはないのです。 続きはこちら↓ https://flying-...

野良猫が生態系に与える影響の大きさに警鐘を鳴らしている本。「とりあえず動くものは捕まえる」というネコの性質が生態系に与える影響が実はかなり大きいのです。が、真に有効な対策もないのです。※僕は決して愛猫家と敵対するつもりはないのです。 続きはこちら↓ https://flying-bookjunkie.blogspot.com/2019/09/blog-post_12.html Amazon↓ https://amzn.to/34hep18

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2019/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

民放の動物バラエティーのノリで読み始めたら、NHKスペシャルだった(--;)。タイトルにだまされてはいけない。本書の原題は"Cat Wars"──「猫戦争」だ。飼い主がいない猫と、飼い主が野外を自由に行動させる猫を「野放し猫」と定義し、彼らがどれだけ多数の殺戮を行っているかを詳細なデータをもとに明かす。さらに多数の病気を媒介(特にトキソプラズマが怖い!)する危険、指数関数的に子孫を増やす実態など、“かわいい”では済まされない。本書はアメリカが主な舞台だが、訳者あとがきによれば日本も大差ないことがわかる。

Posted byブクログ

2019/07/29

 私は動物好きであり、生態学も概論ではあるが一応勉強した。  猫は嫌いではなく、将来的に飼いたいとも思っている(もちろん室内で)。  野良猫は問題であり、放し飼いや餌やりはするべきではない。  TNRと呼ばれる、野良猫を避妊去勢した後野外へ放し、その後「地域猫」として飼育されるの...

 私は動物好きであり、生態学も概論ではあるが一応勉強した。  猫は嫌いではなく、将来的に飼いたいとも思っている(もちろん室内で)。  野良猫は問題であり、放し飼いや餌やりはするべきではない。  TNRと呼ばれる、野良猫を避妊去勢した後野外へ放し、その後「地域猫」として飼育されるのは次善の策であり、少なくとも放し飼いよりはマシだと思っていた。  しかし、そんな私の認識は甘かったと思わせられる本だった。  地域猫は子猫を産まないかもしれない。  しかし、子供を産まず野外で人の餌やりを受けながら過ごしている間に食事のためや遊びでも鳥類や爬虫類などの動物は殺すし、猫以外の動物や人にうつる感染症を媒介する。  また、これらの問題を無視しても、かなりの数の猫が避妊去勢を受けないと、数年したら猫がいなくなるとは言い切れない。  地域猫活動は放し飼いよりマシではなく、放し飼いと同じ程度の意味しかないと知った。  また、野外の猫による鳥類爬虫類の被害が相当なものだというのも、あまり頭になかった。  野良猫とは都会にいるものであり、都会には動物があまりいないという印象が合ったのだと思い、自分の考えの浅さを反省した。  このように、この本にはいくつかの章に分けて、主に放し飼いの(文中では放し飼いや餌だけ挙げられている野良猫、また完全に人に依存していない野良猫も含めて『野放し猫』と言われている)猫が環境や人に与える影響について書かれている。  文章はほとんどが論文からの引用に基づいて、客観的なデータと共に書かれており、巻末に引用論文や、単語の索引などもあるため猫が外にいて何が悪いのか、猫が引き起こす問題とは何か、を学ぶには絶好の入門書になっていると思う。  著者は鳥類学者とサイエンスライターで、しばしば自らの思い込みで話す猫愛護団体関係者に関し多少皮肉っぽく書いてあることもあるが、猫擁護派の意見も書いてあるし、猫を絶滅させろのような過激な意見も言っておらず、割と中立的に書いてあると思う。  読む限り、野放し猫に関する研究は研究数自体が足りないという印象を受けた。  そのため、猫反対派はもちろん、「猫は外にいるのが自然なこと」「餌やりをして何が悪いの」そう思っている人にこそ、読んでほしい。そして、猫と身近な立場を利用して研究して、本の内容を覆せばいい。

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2019/07/11

室内ネコ飼いなら知っている「ネコは猛獣である」ということ。外に迂闊に放すことが、生態系にとってもネコ自身にとってもどれだけリスクが高いか、豊富な実例で説く。 海外では過激派が外ネコを射殺するような事態も起きているようで、日本でも銃を使わないだけで暴力的に排除する動きは出てきている...

室内ネコ飼いなら知っている「ネコは猛獣である」ということ。外に迂闊に放すことが、生態系にとってもネコ自身にとってもどれだけリスクが高いか、豊富な実例で説く。 海外では過激派が外ネコを射殺するような事態も起きているようで、日本でも銃を使わないだけで暴力的に排除する動きは出てきている。外で自由にさせるのが自然、というところで思考停止せず、侵略的外来生物を管理するという視点で、狭い国土のわが国では個人的にも室内飼いを推奨したい。

Posted byブクログ