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戦国はるかなれど 堀尾吉晴の生涯(下) の商品レビュー

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2019/06/22
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堀尾吉晴は小領主の嫡男で、我儘というのか、多少撥ね上がった若者だったが…所領等を失って牢人(戦国時代には“浪人”よりも、“牢人”としていたようだ…)となり、伊勢で漁師をして、美濃で猟師になった…猟師時代に稲葉山城(現在の岐阜城)を攻める準備に勤しむ秀吉と出逢う…やがて堀尾吉晴は、秀吉陣営に関わった様々な人達との交流で、人望篤い人物として知られるようになって行く…槍を手に敵将と勝負をすると思えば、巧みな指揮で鉄砲隊を動かし、信長陣営や秀吉陣営が手掛けた様々な工事の現場も経験する…他方、“外交”、“交渉”というようなことでも活躍する…更に愛妻家でもあったようだが、息子達や娘に先立たれるという不幸な出来事も在り、加えて浜松城主時代の側室とのロマンスも在る…そして、「戦場を駆けた日々」=“戦国”が「はるかなれど」というようになった時代まで生きて、晩年に松江城の築城と城下町を開く大事業を成し遂げた訳である… 堀尾吉晴に関しては…この時代の史上の人物として、然程高い知名度でもないのかもしれない…それは「我こそは!!」と自身が前面に出ることばかり考えるようなタイプでも無かったかららしい…が、同時代人は難しい交渉のような局面を巧く纏めて見せたり、陰日向が無い物事への取組み方や、寄せられた相談事に親身になって対応するような彼を非常に高く評価していたようである… 久し振りに物凄く愉しんだ大作である…こういう作品に触れると…堀尾吉晴に所縁の場所を巡ってみるようなこともしてみたくなる…この主人公…「斯く在りたい…」というようなことを思ってしまう程度に魅力的だ!!

Posted byブクログ