コクーン の商品レビュー
個人の選択の違いで少しずつ分岐し存在するかもしれないパラレルワールドでも、歴史の大きな流れは変わらないとしたら。。 主人公の、カルト宗教団体の教祖としてテロを起こした息子が、生まれてない世界の方がより大きなテロ事件も原発事故も起こってたら、わたしと息子の存在にも意味があったのだ…...
個人の選択の違いで少しずつ分岐し存在するかもしれないパラレルワールドでも、歴史の大きな流れは変わらないとしたら。。 主人公の、カルト宗教団体の教祖としてテロを起こした息子が、生まれてない世界の方がより大きなテロ事件も原発事故も起こってたら、わたしと息子の存在にも意味があったのだ…という着地は主人公の救いにしかならないけれど、主人公にとっては唯一の救いだろうな。 丸の内で銃乱射事件を起こす《シンラ智慧の会》も東日本大震災も、ハルピンの描写も生々しい。群像劇で連作短編集なので前の話に出てきていた人物がこの人だったんだ…というつながりが恐ろしいです。“沼”はこれから天堂光翅みたいになるんだろうか? 「原因と結果は、常に強力な因果律で結びついているのだ」。だとすると、今起こっている事も因果応報なのだろうか。思いの外落ち込みます。
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2021.05.22 しょっぱなから重い、暗い。けどぐいぐい読めてしまう不思議。ページをめくる手を止められなかった。あっという間に読了。 面白い小説ってテーマが暗くて重くても読めてしまうものなんだなーと改めて感動。 人生が良い方に転ぶか悪い方に転ぶかは本当に紙一重で、いつその...
2021.05.22 しょっぱなから重い、暗い。けどぐいぐい読めてしまう不思議。ページをめくる手を止められなかった。あっという間に読了。 面白い小説ってテーマが暗くて重くても読めてしまうものなんだなーと改めて感動。 人生が良い方に転ぶか悪い方に転ぶかは本当に紙一重で、いつそのタイミングが来るか(または来ているか)なんて誰にもわからない危うさが読んでいて怖かった。登場人物はみんな普通に生まれて、生きていたはずなのに。ほんの少しの歯車のズレ(=バタフライ・エフェクト)の象徴『黄金蝶』の描き方、伏線の貼り方が上手いなと思った。 やたらと性的に交わる描写が多くてもう少し少なくても良かったかな。 絶叫に比べると、テーマのわりにインパクトが薄かった。
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結果として 一気に読む手が止められず 引き込まれる作品だった。 読み進める程にしんどくなり、 どんどん気持ちが落ちて行く。 実在した事件や災害を背景に 新興宗教にのめり込み、犯罪に手を汚す者たち、 信仰の教えに陶酔する事で救われる者、 裏切られる者に関わる家族。 無信仰の者...
結果として 一気に読む手が止められず 引き込まれる作品だった。 読み進める程にしんどくなり、 どんどん気持ちが落ちて行く。 実在した事件や災害を背景に 新興宗教にのめり込み、犯罪に手を汚す者たち、 信仰の教えに陶酔する事で救われる者、 裏切られる者に関わる家族。 無信仰の者には到底理解できない。 信じる者も信じない者も救われない結末。 勿論フィクションだけど、 実際にあった事件の背景を生々しく 解明するようなリアルさに まんまとやられた。
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つまらない。読了するのにこんなにしんどかった作品は久しぶり。 途中で投げ出さんかった自分を褒めたいわ。
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『ロスト・ケア』から派生した、行き場のない人々の姿が、こちらでも描かれているように思う。ロスト〜ではぎこちなかった文体や物語性は、強く確かな骨格を持って、鍛えられた鋼のようだ。 余談だが、こちらを読んだ方は、ぜひ、中村文則『教団X』も読んで欲しい。
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1995年3月20日、丸の内で起こった無差別乱射事件。カルト教団『シンラ智慧の会』による凶行の首謀者は、忌まわしき過去を背負う教祖・天堂光翅だった…。平成を揺るがすテロ事件が生み落とした絶望とかすかな希望を、幻想的かつスリリングに物語る衝撃作。 美しい蝶も、一匹ならのどかな平和を...
1995年3月20日、丸の内で起こった無差別乱射事件。カルト教団『シンラ智慧の会』による凶行の首謀者は、忌まわしき過去を背負う教祖・天堂光翅だった…。平成を揺るがすテロ事件が生み落とした絶望とかすかな希望を、幻想的かつスリリングに物語る衝撃作。 美しい蝶も、一匹ならのどかな平和を感じる。数えきれない大量の蝶が翔んでいると幻想的だが恐怖も感じる。美しさに潜む悪の影ほど、掴みきれない想いがある。
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カルト教団による無差別乱射事件が起こった。 ある二人の女性の人生を主軸に、テロに関連した様々な人々が「蝶夢」の形で視点を切り替えながら進む。 何故悲劇が起こったのか?を少しずつ掘り進めながら探っていく群像劇。 悲劇的な人生を送っている人物ばかりで全体的に鬱々とした空気が漂ってい...
カルト教団による無差別乱射事件が起こった。 ある二人の女性の人生を主軸に、テロに関連した様々な人々が「蝶夢」の形で視点を切り替えながら進む。 何故悲劇が起こったのか?を少しずつ掘り進めながら探っていく群像劇。 悲劇的な人生を送っている人物ばかりで全体的に鬱々とした空気が漂っているが、読み終わった時は個々の人物ではなく、一つの大きな流れの歴史を鑑賞した気分になった。群像劇だがギリギリのところでまとめが成り立っている。異色の作品だと思う。 実在の事件をモチーフにした社会小説。
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ある新興宗教団体が銀座で銃乱射事件を起こす。乱射事件で息子が犠牲になった母親、教祖の幼なじみ、事件の加害者など、その集団や教祖に関わりのある人たちが事件とは関係ない部分を語ることで事件の根本をあぶり出す。 オウム事件を元にしているのは明らか。でも事件に焦点当てているわけではなく...
ある新興宗教団体が銀座で銃乱射事件を起こす。乱射事件で息子が犠牲になった母親、教祖の幼なじみ、事件の加害者など、その集団や教祖に関わりのある人たちが事件とは関係ない部分を語ることで事件の根本をあぶり出す。 オウム事件を元にしているのは明らか。でも事件に焦点当てているわけではなく、それに直接的、間接的に関わる人たちのエピソードで事件を形作っている。 最後の章の真意はなんとも言えないが、起こったことは全て必然だったと言っているのか? あらすじも感想もなんだかすごく書きづらい。
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これまで読んできた葉真中作品とはかなり異なる癖玉だ。とある新興宗教が起こしたテロ、その被害者と加害者、教祖とその母親などが、黄金の翅をもつ蝶によって繋がれていく。キーワードは“バタフライ・エフェクト”。一見、無関係に見える人や出来事が絡み合い作られる世界はパラレル・ワールドだ。か...
これまで読んできた葉真中作品とはかなり異なる癖玉だ。とある新興宗教が起こしたテロ、その被害者と加害者、教祖とその母親などが、黄金の翅をもつ蝶によって繋がれていく。キーワードは“バタフライ・エフェクト”。一見、無関係に見える人や出来事が絡み合い作られる世界はパラレル・ワールドだ。かなり実験的な作品で、賛否両論あるかもしれないが、ぼくには楽しめた。
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長編作品と思いきや連作短編集。題材は新興宗教に東日本大震災。解説にもある通り、確かに著者の集大成的なイメージはある。描かれるのは図らずも宗教団体に巻き込まれた家族たちのその後。重苦しい題材だが、短編に落とし込まれている為、割と読み易く仕上がっている。その反面、シンラの会は紋切り型...
長編作品と思いきや連作短編集。題材は新興宗教に東日本大震災。解説にもある通り、確かに著者の集大成的なイメージはある。描かれるのは図らずも宗教団体に巻き込まれた家族たちのその後。重苦しい題材だが、短編に落とし込まれている為、割と読み易く仕上がっている。その反面、シンラの会は紋切り型のカルト教団に収まっているし、社会問題を色々盛り込み過ぎて物語の奥行きが狭い印象も残る。綺麗にまとまっているのだが、前二作の衝撃に比べると満足度は決して高くはない。総括のエピローグは実に包容的だが、あまりにも救いがないとも言える。
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