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トリック の商品レビュー

3.8

12件のお客様レビュー

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2024/07/01

【琉大OPACリンク】 https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB2802722X

Posted byブクログ

2024/06/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うーん、どうも、最後でガックリきてしまった。 学校に行くことを渋るマックスに、ママが学校に通う目的を説く。「役に立つことを学ぶため」「あなたがマジシャンにならないため」 ……これは、どういうことなのか?それも、"マジック"によって強制収容所を生き延び、少女を救った、波瀾万丈の一生を聞いた直後に?この本で描きたいことは一体何だったのか?とすら思えてしまった。 母親の無神経さ・無理解さを表すものであればわかるのだが、流れとしてどうもそんな感じでもない。 更には、不貞を許せないままながら、「息子には父親が必要」という理由で離婚を思い止まることが匂わせられる両親。本書は、それも含め全体としてハッピーエンドの演出となっている。しかし、その選択はどうだろう。あまり先行きが良いとは、思えないなあ。 ということで、個人の感想としては、残念な評価となった。

Posted byブクログ

2021/12/15

第二次大戦頃のプラハに生まれたユダヤ人の少年モシェ。旅の奇術師一座を見て魅了され、母親の死を機に家を飛び出し、奇術師に弟子入りする。そして一座の美少女とともに一座を飛び出し、ペルシャ生まれの奇術師としてナチスの時代にスターになっていく。 一方、現代のロサンジェルスに暮らす少年マッ...

第二次大戦頃のプラハに生まれたユダヤ人の少年モシェ。旅の奇術師一座を見て魅了され、母親の死を機に家を飛び出し、奇術師に弟子入りする。そして一座の美少女とともに一座を飛び出し、ペルシャ生まれの奇術師としてナチスの時代にスターになっていく。 一方、現代のロサンジェルスに暮らす少年マックスは両親の離婚の危機に心を痛めている。古いレコードの中に奇術師の「永遠の愛の魔法」を見つけ、その奇術師を探し始める。 稀代の奇術師の波乱万丈の人生と、両親のよりを戻そうとするマックスとの大団円…と思いきや、後半から何やら雰囲気が変わっていく。ユーモアあふれるお話と思っていたのが、ホロコーストの悲劇を生き抜いた大きな愛の物語だった。伏線がうまく最後に結ばれている。

Posted byブクログ

2020/01/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルがシンプルすぎて書評探すのに著者名も並記しないと引っかからない難があるのだが、読後はもうこのタイトル『トリック』が本作品のテーマというか命題というかすべてとしか言いようがない。 かわいいモシェがスケベじじいになっていることはさておき、これほど生きていることに対して、人生に対して、根源的な奇跡のトリックが描かれる結末になるとは思ってなかったので感動しました。モシェ良かったね…。 自分でも何言ってるか分かりませんが、モシェが許されたと確信できたことに涙を禁じ得ない!現実的なのにおとぎ話のような素晴らしい人間賛歌作品です。たまたま何かで紹介されてたから手に取ったんだが、良い出会いでした。

Posted byブクログ

2019/12/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

現代。LAに住む少年マックスは両親が離婚しようとしているのをなんとか止めたいと思っている。父親が家を出て行き、その荷物の中からマックスは古びたレコードを見つける。それは大サバティーニと名乗る魔術師が永遠の愛の魔法をかけるためのレコードらしい。両親の離婚を止めたいマックスは大サバティーニを見つけ出して、愛の魔法で両親の離婚を止めてもらおうと決心する。 1930年代のプラハ。貧しいラビの家に生まれた少年モシェ。彼は幼くして母を亡くし、父とは反発しあっている。 ある時街にやってきたサーカス団の魔術師の助手をしていた少女に一目惚れし、ユダヤ人であることを捨て、サーカス団を追いかけて魔術師の弟子として放浪の生活を始め、彼はいつか独立して大サバティーニと名乗る人気魔術師となる。 しかし、ナチスドイツの台頭とともに大サバティーニ=モシェの人生にも暗雲が見え始める。 正直話の前半は何故この本が17か国にも訳されたベストセラーになったのかわからなかった。 解説にも書かれているが、少年と放浪の落ちぶれた老奇術師が心を通わす、、、みたいな話かと。悪い話ではないが、17か国で翻訳、発売までされるベストセラー小説としてはありきたりではないかと。 この小説は現代のマックスの話と、ナチスドイツが台頭していた第二次大戦前、戦中の若き大サバティーニ、モシェの話が交互に語られる章立てだが、話の後半、マックスと大サバティーニが出会ってから、若きモシェが大サバティーニとして成功してからの展開が、大きく予想を裏切る。この二つの物語が、単にマックスと年老いたモシェが出会ったという以上の、意外な展開になって終わる。 今年の終わりにいい本を選べた。 しかし、偶然にもそれにしても今年はナチスドイツが台頭し、様々な試練と悲劇が生まれた時代を舞台にした小説を多く読んだ。何故だろう?

Posted byブクログ

2019/09/16

人はなぜ本を読むのか。知らなかったことを一つでも知り、賢くなったつもりを装うためか。なんにせよ、本もテレビも、人はドラマを求めていて、それができるには人間が一生懸命に生きた証がないと成立しないのかな。子供時代、祖母の満州引き揚げ体験をうんざり聞かされていて、トラウマだが、紛れもな...

人はなぜ本を読むのか。知らなかったことを一つでも知り、賢くなったつもりを装うためか。なんにせよ、本もテレビも、人はドラマを求めていて、それができるには人間が一生懸命に生きた証がないと成立しないのかな。子供時代、祖母の満州引き揚げ体験をうんざり聞かされていて、トラウマだが、紛れもなくドラマでしかなく、人とは、懸命に生きた存在を尊重し求める生物なんだろうか。確実に我々が存在してる世界は戦争があり、人種差別が行われてきた。よりよく生きる判断っていうのは難しい。それが間違っているのかわからない。自分の感想も。

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2019/09/02

20世紀の初頭、プラハで1人の男の子、モシェが生まれた。ユダヤ人の聖職者とその美しい妻の間に。けれど、そこには1つの秘密があった。父親は少年を厳格に育てたが、少年はある時見たサーカスの世界に魅かれてゆく。 21世紀の初め、ロサンジェルスで1人のユダヤ人少年、マックスが11歳の誕生...

20世紀の初頭、プラハで1人の男の子、モシェが生まれた。ユダヤ人の聖職者とその美しい妻の間に。けれど、そこには1つの秘密があった。父親は少年を厳格に育てたが、少年はある時見たサーカスの世界に魅かれてゆく。 21世紀の初め、ロサンジェルスで1人のユダヤ人少年、マックスが11歳の誕生日を迎えようとしていた。少年には悩みがあった。父と母が離婚しそうなのだ。2人の離婚を何とか止められないのか。夢見がちな少年は、かつて有名だったという1人のマジシャンに願いを託そうとする。 20世紀中欧と、21世紀アメリカ。 1章ごとに2つの物語は視点を変え、やがて交錯する。 モシェが魅入られたのは、謎めいた仮面をつけた「半月男」と、ペルシャのアリアナ姫の魔術だった。消えたかと思うと現れ、刺されたはずなのに無傷の姫。妖しい美しさにモシェは魂を奪われる。 マックスが探し出した老マジシャンは偏屈でスケベでわがままだった。およそヒーローとは掛け離れた人物だが、少年は彼を信じ、彼に賭けようとする。父が持っていた古いレコードには、若き日のかのマジシャンが「永遠の愛」を叶えると唱えていたから。 モシェの20世紀とマックスの21世紀の間には、もちろん、ナチスとホロコーストが横たわる。 モシェはその荒波を超える。それには大きな代償が伴った。左腕を損ない、愛も故郷も失った。 21世紀のマックスにもそれは無縁ではなかった。ある1つの「トリック」がなければ、彼の運命は大きく変わっていたかもしれなかった。 読心術の種明かし、ステージマジックの仕掛けといった、魔術のディテールが楽しい。 妖しく美しい舞台の描写にもうっとりさせられる。 重い事件も含みつつ、著者の筆は、温かくウィットに富み、軽妙だ。まるで熟練のマジシャンのテーブルマジックを見るように。 別々の大陸、別々の時代を描く物語は、終盤で1つになる。 生きていることは、それだけでひとつの祈りなんだ。 モシェの父の言葉が、遠く、深く響く。

Posted byブクログ

2019/08/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ユダヤ人であることを捨て、ホロコーストの時代を奇術師として生き抜いたザバティーニと、両親の離婚に心を悩ませ、なんとか二人に愛を取り戻せさせたいマックス。 戦時下での過ちにより生を受け、鬱屈した生活の中で旅回りのサーカス団に心を魅了され、奇術師になることを目指したザバティーニの生い立ちから青年時代は一人のユダヤ人の数奇な人生譚としておもしろい。 その奇術師が現代の悩める少年マックスと出会い、すったもんだの末、愛の魔法を披露することに。 そこで明らかになるもう一つのエピソード。 過去があって現在がある。 連綿と続く人の命、家族の愛の物語。

Posted byブクログ

2019/05/21

これとこれがこう繋がるのか!というのがはじめの衝撃。私達が忘れてはならない歴史をテーマにしているのに、決して辛い物語ではなく、だからこそ沁みた。

Posted byブクログ

2019/05/12

「愛の魔法(=奇術)」を求める、親から離婚を告げられた少年マックスと、第二次世界大戦の時代のユダヤ人マジシャン、大ザバティーニ。 2つの時代の2人の少年(から青年へ)の物語が交互に語られる。 片方だけでは退屈かもしれない物語は、交互に語られることでテンポよく展開し、マジックのよう...

「愛の魔法(=奇術)」を求める、親から離婚を告げられた少年マックスと、第二次世界大戦の時代のユダヤ人マジシャン、大ザバティーニ。 2つの時代の2人の少年(から青年へ)の物語が交互に語られる。 片方だけでは退屈かもしれない物語は、交互に語られることでテンポよく展開し、マジックのよう。 奇術は時に奇跡になる。

Posted byブクログ