文豪ノ怪談ジュニア・セレクション 厠 の商品レビュー
註釈が内輪ネタっぽい。作家の実孫だからって虚淵玄の作品に絡めるのはちょっと。 クトゥルフも無理矢理だし。
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子供向けの「文豪怪談」シリーズの1冊。便所にまつわる怪談を集めたアンソロジー。子供向けだと馬鹿にするなかれ、選者は東雅夫でラインナップは便所といえば定番の谷崎の「陰翳礼讃」(ただしこれは抄録)「厠のいろいろ」のようなエッセイや、大坪砂男の「天狗」のような変格探偵小説など子供向けに...
子供向けの「文豪怪談」シリーズの1冊。便所にまつわる怪談を集めたアンソロジー。子供向けだと馬鹿にするなかれ、選者は東雅夫でラインナップは便所といえば定番の谷崎の「陰翳礼讃」(ただしこれは抄録)「厠のいろいろ」のようなエッセイや、大坪砂男の「天狗」のような変格探偵小説など子供向けににしてはかなり攻めたもの。メインは鏡花の「古狸」だろうがこれも子供にはかなり敷居が高い話で総ルビに詳細な註釈が付されてはいるものの、いちいち註釈に中断されては鏡花の魅力も半減だろう。そういう意味では読み手を選ぶ本ではある。
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厠をテーマにしたり、重要なワンシーンに用いたりしている怪談集。怪談っぽくないものもあるような。とはいえ、「トイレ」ではなく「厠」という響き自体にもう怪談めいたものを感じてしまうのは気のせいでしょうか。昔の田舎の便所であるとか、小学校のトイレであるとか、ああいうものも雰囲気からして...
厠をテーマにしたり、重要なワンシーンに用いたりしている怪談集。怪談っぽくないものもあるような。とはいえ、「トイレ」ではなく「厠」という響き自体にもう怪談めいたものを感じてしまうのは気のせいでしょうか。昔の田舎の便所であるとか、小学校のトイレであるとか、ああいうものも雰囲気からしてもう怖いものであると感じてしまいます。現代のきれいな洋式トイレには感じないあの感覚が少し懐かしくなったような気もしました。 分量的にも一番読み応えのある泉鏡花「古狢」がやはり秀逸。読み始めはあまり怪談のように思えなかったけれど、どんどん物語が不穏な方へ向かっていくのにぞくぞくさせられます。 そしてさまざまな厠の怪談を読んだ後で、谷崎潤一郎「厠のいろいろ」と「陰翳礼讃(抄)」。ここでなんだか厠が(トイレではなく、あくまでも厠)素敵なものに思えてしまうという不思議な心境に陥ります。え、使うなら現代のトイレに決まってるじゃん! というのはもちろんだけど。厠も悪くないような気がしてくる……ただ、実際にそんな雰囲気のある厠はおそらくもう絶滅危惧種でしょうねえ。
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ハダタカヒト氏の情緒ある挿し絵が、雰囲気たっぷりで怖くてまた最高。 大坪砂男の「天狗」クソ真面目な語り口におかしみ。 三橋一夫の「湯河原奇遊」ドコデモトイレノドア・・・っていう。かみ砕けばそれだけだけど、間違いなく切なくさせられます。 泉鏡花の「古狢」心ゆくまで妖怪、オカルト、う...
ハダタカヒト氏の情緒ある挿し絵が、雰囲気たっぷりで怖くてまた最高。 大坪砂男の「天狗」クソ真面目な語り口におかしみ。 三橋一夫の「湯河原奇遊」ドコデモトイレノドア・・・っていう。かみ砕けばそれだけだけど、間違いなく切なくさせられます。 泉鏡花の「古狢」心ゆくまで妖怪、オカルト、うーん鏡花だ。 田中貢太郎の「料理番と婢の姿」まさに掌編ホラー。 松谷みよ子の「学校の便所の怪談」聞いたことあるある~!な学校の怪談、トイレ編。・・・それにしてもたまに容赦なく怖いのあるよな、学校の怪談って・・・。 吉行淳之介の「追いかけるUNKO」タイトル面白すぎでしょ。いやしかし、真正面からのホラーです。だって絶対に体験したくない。 芥川龍之介の「尼提」ああ~~・・・芥川の仏教観だな~~・・・って思う。誰だって人知れず救われたいし、人知れない力によって勝手に助けられたい。 川端康成の「雪隠成仏」エッッ何コレ怖・・・(ドン引き) 谷崎潤一郎の「厠のいろいろ」あー、なんか分かるぞ言いたいこと・・・。なんてーかどこまでもオタク気質なんだよな谷崎。「陰翳礼讃」(抄)も、高尚な文体と豊かな語彙で潤沢に書いたオタクの徒然草~日常編~って感じだもんな・・・。 石川鴻斎の「河童」お稚児系美少年に化けた河童が人妻にちょっかい出してやんわり拒否られたり捻り上げられたりしたけど懲りずにお手洗いでセクハラかましたら腕切り落とされて泣き落として腕を返してもらいに行くお話。あまりにも凄すぎでしょ・・・。これが・・・大正時代の怪談・・・。
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十代の読者を対象に編纂されてるこのシリーズですが、大人でもとても面白く読めるのでオススメ。そして本書も相変わらず「注釈」が凄い! 鏡花の「古狢」と大坪砂男の「天狗」の注釈の詳細さ(半分、考察の域にまで…)。注釈だけでも読み応えがすごくあります。 「天狗」の大坪砂男と言うと佐藤春...
十代の読者を対象に編纂されてるこのシリーズですが、大人でもとても面白く読めるのでオススメ。そして本書も相変わらず「注釈」が凄い! 鏡花の「古狢」と大坪砂男の「天狗」の注釈の詳細さ(半分、考察の域にまで…)。注釈だけでも読み応えがすごくあります。 「天狗」の大坪砂男と言うと佐藤春夫を思い出しちゃうんですが、谷崎潤一郎の所に転がり込んでた時もあったなぁ…とか、旅館との縁の話とか、色々と「へぇ」が詰まってて、既に読んだことある話でも新たな発見があって楽しめましたよ。
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