ディープすぎるシルクロード中央アジアの旅 の商品レビュー
下川裕治が仏教に関心があるとは知らなかったが、三蔵法師こと玄奘がたどったとされる行路を鉄道、バス、乗合タクシーなどを使って、相変わらずの貧乏旅行をした旅行記。 玄奘の時代も旅のリスクは大きかっただろうが、現代も国境問題があってアフガニスタンに入れず一部行程を断念したり、中国のウイ...
下川裕治が仏教に関心があるとは知らなかったが、三蔵法師こと玄奘がたどったとされる行路を鉄道、バス、乗合タクシーなどを使って、相変わらずの貧乏旅行をした旅行記。 玄奘の時代も旅のリスクは大きかっただろうが、現代も国境問題があってアフガニスタンに入れず一部行程を断念したり、中国のウイグル地区では中国政府によるやたらと厳しい検問や外国人のホテル利用制限に苦労したりした。特に、新疆ウイグル自治区におけるウイグル族への監視は、最近も世界各国から批判されているが、相当厳しく抑圧的であったようで、著者も「魔王がいる」かのようだと言っている。 それに比べると、キルギスやウズベクあたりはかなり自由な感じらしい。そもそも、キルギスもウズベクも縁遠いので、どんなところかあまりイメージもないが、豊富に挿入されている写真を見ると、そのエキゾチックな感じに興味が湧き、よい季節に訪れてみたいと思う。 道中、様々なトラブルが押し寄せるが、必死の努力と幸運で乗り切っていく。中国語のできるカメラマンの同行という要素も大きいが、やはり、著者のバイタリティと世界各地を自力で廻った旅の経験値の賜物なのだろう。簡単そうに見えて、ちょっと真似ができそうもない。
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2019年4月読了。 相変わらず過酷な旅行の下川さん、64才。 今回は西安→カシュガル→ビシュケク→サマルカンド→ブハラ・テルメズ、いったん帰国してペシャワル→ガヤ→デリー→イスラマバード→カシュガル→敦煌→西安、というルート。 別件だが最近「到達不能極」という概念があることを...
2019年4月読了。 相変わらず過酷な旅行の下川さん、64才。 今回は西安→カシュガル→ビシュケク→サマルカンド→ブハラ・テルメズ、いったん帰国してペシャワル→ガヤ→デリー→イスラマバード→カシュガル→敦煌→西安、というルート。 別件だが最近「到達不能極」という概念があることを知った。大雑把に言うと地球上で最も海岸線から遠い場所ということらしく、「新疆ウイグル自治区のウルムチから北におよそ320kmほど離れている」(wiki情報)場所とのこと。 旅行というとついつい海沿いに行きがちだが、こういう果てしもなく続く砂漠、山脈も過酷そうだが興味はある。 68ページ、一帯一路構想は新疆ウイグル自治区にも着実に迫ってきているらしい。「到達不能極」も名称変更が必要かも。 230ページ、大乗仏教と上座部仏教(小乗仏教)の違いが端的に書かれている。雑に言うと皆が救われるのが大乗仏教、修行を積んだ人だけが救われるのが上座部仏教(違かったらご教示下さい)。 235ページ、仏教上の「空」の概念。 329ページ、「中国人が汚いといった部屋に、日本人が嬉々として泊まる時代か……。」そういう時代を生きているということ。日本は貧しい。 366ページ、旅に達成感を求めると、いつまでも納得には至らないかもしれない。
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