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裸の華 の商品レビュー

4.1

34件のお客様レビュー

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    13

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2024/04/28

ざっくりいうと元ストリッパーがすすきのに店を出す話。 情景や人の姿が思い浮かぶようなわかりやすい文章で読みやすい。 夜の世界はもっと生々しい感じもするけど、なんだか綺麗にまとまった感。

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2023/10/27

綺麗ごとすぎてイマイチ。レディースコミックっぽい。 ストリップとダンスが同じ土台であるわけがなく、白けてしまう。

Posted byブクログ

2023/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何度目かわからないが再読。 ケガでストリッパーを引退したフジワラノリカ。 デビューの地、札幌すすきのでダンスシアターの店を始める。そこでダンサーに応募してきた若い二人と、一緒に仕事をするバーテンダー竜崎との関係性。近すぎても離れすぎても、うまくいかない。 不承不承の引退にも関わらず、ダンサー瑞穂とみのりを束ね、黒子に徹することができたのはノリカのプロとしての矜持か。 笑顔の瑞穂、ストイックなみのり、訳ありの竜崎。ここにノリカが加わった4人の関係が立場も年齢も超え、ステキだった。 うまくいっている最中、瑞穂もみのりも次のステップへ進む道を見つけ始める。その場を離れがたいふたりの背中を押し、ノリカはストリッパーに戻る。 そしてJINはノリカが空けた店舗を借り、今度はバーとしてオープンさせる。みんなが戻れる場所があって、なんて素敵な終わり方かと嬉しかった。 JINが作るものも、たらこバターと、わかめチーズおにぎり、たまらなくおいしそう。

Posted byブクログ

2023/09/07

「ホテルローヤル」の直木賞作家:桜木紫乃の長編。 舞台上での骨折を機に引退を決意した元ストリッパーが、故郷札幌でダンスシアターを開き、バーテンダーや若い女性ダンサーとの出会いを経て自らの生き方を見つめ直していく様子を描いています。 「表現者の矜持と葛藤」を絶妙に切り取り、鮮やかに...

「ホテルローヤル」の直木賞作家:桜木紫乃の長編。 舞台上での骨折を機に引退を決意した元ストリッパーが、故郷札幌でダンスシアターを開き、バーテンダーや若い女性ダンサーとの出会いを経て自らの生き方を見つめ直していく様子を描いています。 「表現者の矜持と葛藤」を絶妙に切り取り、鮮やかに展開していく感じはさすがでした。 元気になれる小説です(^_^;)

Posted byブクログ

2024/06/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 桜木さんの作品の傾向から、 この人が裏切るのかな?と途中で何度か予想しましたが、酷い人は出ず、良い人達ばかりで読み終えてホッとしました。  お店を閉じるという展開に寂しさを感じましたが、ノリカの踊り続けるという決断には感服しました。また桜木さんの作品読みたいです。

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2023/06/11

よい本だった。若い時は「恋人」「友達」「先輩と後輩」みたいなわかりやすい関係に集約されるけど、歳とると色んな関係性があるよなって改めて認識させられた。 何かを始めるにも、何かを終わらせるにも勇気をもらえる本。

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2022/10/22

おもしろかった。 これは夢を見るため、夢の続きを見るため、今日をしっかりと生きている人の話。 登場人物の過去のことは、さらりと触れられるだけ。ノリカの足のけがにしても、その呪縛を受けている感じはしない。明日のために今日をどう生きるかを考えている。 解説の次の文がよいし、重い。 ...

おもしろかった。 これは夢を見るため、夢の続きを見るため、今日をしっかりと生きている人の話。 登場人物の過去のことは、さらりと触れられるだけ。ノリカの足のけがにしても、その呪縛を受けている感じはしない。明日のために今日をどう生きるかを考えている。 解説の次の文がよいし、重い。 大切なもののほとんどすべてを無くし、どれほどどん底まで堕ちたとしても、たったひとつ真に打ち込めるものを持っているというそのことこそが、明日を生きるための(今日死なずにいるための)原動力になり得るのだ、と。

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2022/07/19

『ストリップ』『ストリッパー』というものに対しての見方というか考え方が変わる。もちろんこれは小説だから、現実は違うところもあるだろうけど・・・真摯に生きてる人はもうそれだけで美しい。

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2022/06/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ものすごく良かった。オガちゃん、めちゃくちゃいい。 ノリカほど立派な仕事はしていないけれど、わたしが裸を、女を売っている時、どれだけお客さんに救われていたのだろう。みんながみんななんて事はもちろんない、いやな人だってたくさんいた、わたし、に興味がない人が殆どだった、綺麗事言わないけれど、それでもなんの価値もないはずのわたしに逢いたくて、お金を払って、何度も逢いに来てくれるひとたちに、わたしはいったいどれだけ救われていたのか。お金を払ってまで逢いに来てくれるって、わたしが必要なのだってことがわかりやすすぎてたまらなかった。未だにたぶん未練だってある、ずっとやめ切れなかった、やめる時だってすきだからこそ綺麗にやめられなかった、むりやりじゃないとやめられなかった。自分に価値がないと思って生き続けているわたしにとっては、本当に天職だったのかもしれない。

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2022/06/24

【感想】 ストリップというのはずっと、いやらしくて趣味の悪い風俗だと思っていました。所詮は単なる「裸踊り」。温泉街にある寂れた建物の一角に幕を張り、バブルの余熱にいまだ浮かれているようなおじさんたちを呼び込む低俗なショー。 しかしこの本を読んで、ストリップが驚くほど芸術性を帯びて...

【感想】 ストリップというのはずっと、いやらしくて趣味の悪い風俗だと思っていました。所詮は単なる「裸踊り」。温泉街にある寂れた建物の一角に幕を張り、バブルの余熱にいまだ浮かれているようなおじさんたちを呼び込む低俗なショー。 しかしこの本を読んで、ストリップが驚くほど芸術性を帯びていることを知り、とても感銘を受けました。たとえ局部を露わにしても、最高の踊りを見せていれば、客は分け目から遠いところを見る。むしろ脚を広げているときに手足の先を見られてこそ、真のストリッパーである――。芸術的な「ダンス」と恥美的な「ヌード」が溶け合うことで、一つのショーが完成されていく。そしてその「いやらしさ」と「美しさ」の間で、踊り子としてのプライドを持ちながら人生を賭ける人々がいる。そうした裏世界の広さを目の当たりにし、改めて自分の了見の狭さを思い知りました。 筆者「作りこんでいるんですよね。風呂屋の裸とは違うっていう(笑)。ムダ毛のないきれいな身体にスポットライトを当てて、ひとつの世界を作り上げている。出会い、満足、別れ、哀愁、踊り子さんによってはちゃんと世界があるんですよ。二十分のステージでそれを演じて去っていく。それが短編小説みたいだと思いました」 物語の終盤、ボルトを抜いた整形外科医が「立派なアスリートですよ」と言ったように、本作はある意味スポコン小説なのかもしれません。自分の可能性を追ったみのり、ダンスから離れ女性としての幸せを追った瑞穂、そしてもう一度舞台で脱ぐことを決意したノリカ。彼女たちが目指しているものはスポーツと同じような「夢の舞台」であり、そこに貴賤はありません。その道で生きていくという決意を背負った人々の「人生を賭けた戦い」は、どのテーマで読んでもやはり素晴らしいものなのです。 すすきのは移ろいゆく街です。様々な事情を抱えた人を手招きしながら、いつでも離れてゆけるよう深追いはしない。NORIKAを舞台にした彼女たちの物語は、この街で短い間華咲きましたが、それもやがて散り、最後には誰一人残らず送り出されていきました。 本書は徹底的な「別れ」の小説です。にもかかわらず、どこかスッキリとして後腐れが無いのは、「すすきの」という街の性質、そしてそこに暮らす人々の生きざまが、悲しみを悲しみのままとどめず、どこかへ移ろわせてくれるからではないでしょうか。 また私に新たな世界を見せてくれた小説でした。

Posted byブクログ