事大主義 の商品レビュー
事大、事大主義の意味や歴史的変遷はよくわかった。 ただしそれ以上のことは期待しない方が良いし、そのためだけならば序章や1部だけ読めば充分である。本書は民族学者の視点で、純客観的に事大主義の使われ方を語っているだけだからである。 また、言説、言説空間、得心など、熟語を多用し、中国語...
事大、事大主義の意味や歴史的変遷はよくわかった。 ただしそれ以上のことは期待しない方が良いし、そのためだけならば序章や1部だけ読めば充分である。本書は民族学者の視点で、純客観的に事大主義の使われ方を語っているだけだからである。 また、言説、言説空間、得心など、熟語を多用し、中国語の翻訳か明治時代の論文かと思われるほど文章が固い。
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序章 「事大主義」という見方 第1章 「国民」の誕生と他者表象 第2章 反転する「事大主義」―他者喪失によるベクトルの内向 第3章 沖縄「事大主義」言説を追う―「島国」をめぐる認識の相克 第4章 戦後日本の超克対象として―「事大主義」イメージの再生 第5章 朝鮮半島への「輸出」―...
序章 「事大主義」という見方 第1章 「国民」の誕生と他者表象 第2章 反転する「事大主義」―他者喪失によるベクトルの内向 第3章 沖縄「事大主義」言説を追う―「島国」をめぐる認識の相克 第4章 戦後日本の超克対象として―「事大主義」イメージの再生 第5章 朝鮮半島への「輸出」―南北対立の中の事大主義言説 終章 “鏡”としての近現代東アジア 著者:室井康成(1976-、世田谷区、民俗学)
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近現代の日本・朝鮮・沖縄が描いた複雑な軌跡。その歴史について「事大主義」をめぐる思想や言説から描き出す試み。
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事実関係の評価が随分異なっていた。 じっくり読めば良かったんだろうが、すみません、時間も気力も持たず中断。
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事大主義の成り立ちと変遷、さらに各地における受容の経過をまとめた本書。 事大主義がその源流においては、ただ外交政策を意味しているだけであるとは初めて知った。「大国に事(つか)える」という状況を「事大」と表す実にシンプルな言葉である。 それに「主義」をくっつけ、今日におけ...
事大主義の成り立ちと変遷、さらに各地における受容の経過をまとめた本書。 事大主義がその源流においては、ただ外交政策を意味しているだけであるとは初めて知った。「大国に事(つか)える」という状況を「事大」と表す実にシンプルな言葉である。 それに「主義」をくっつけ、今日における意味となったのは明治時代以降。作成者は福沢諭吉であるという。 明治時代は列強各国に対抗していかなくてはならない時代。故に背伸びし、先鋭化していた影響がこういう言葉にまで及んでいたと見るべきか。 明治時代は確かに光の部分も多々あるが、その負の部分も多い。その負の部分が現代まで尾を引き、未だ清算できずにいる。その内の一つが事大主義なのだろう。
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2019年4月読了。 ジッド『ソヴィエト旅行記』と同様に、過去のある出来事、組織、言説が、今の世の中でも大して変わらないような形で現れていることの一例として読んだ。 自分の上位に付和雷同して、弱きを挫いて良しとする風潮には非常に憤りを感じる。
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事大主義という言葉は朝鮮の外交政策や性向の話という認識だったが、この言葉自体は孟子の言葉から福沢諭吉が作ったものであること、朝鮮を併合したことにより日本にこの言葉が向くようになったこと、意味としては空気を読むのに似ていること、沖縄でもこの言葉が言説の中でよく使われていたこと、伊波...
事大主義という言葉は朝鮮の外交政策や性向の話という認識だったが、この言葉自体は孟子の言葉から福沢諭吉が作ったものであること、朝鮮を併合したことにより日本にこの言葉が向くようになったこと、意味としては空気を読むのに似ていること、沖縄でもこの言葉が言説の中でよく使われていたこと、伊波普猷という人物のこと、現代朝鮮半島でこの言葉の持つ意味など、勉強になった。
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