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いつもそばには本があった。 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2023/03/31

わずか125ページの小著だが、人文学的知とはどういうものなのかを教えてくれる。特に論文の引用数だけで全てを評価しようとする風潮に警鐘を鳴らしている。 著者達が読んだ本を紹介しながら、往復書簡のように話が展開していき、たいへん勉強になる。

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2021/02/03

著者たちとあまり学生時代を過ごした年代が変わらないので、この本でふれられている”あの時代”の雰囲気はよくわかる。なぜか浅田彰の本がベストセラーになって、ドゥルーズ=ガタリの『アンチ・オイディプス』などという本が平積みになったりしていた時代だった。ちょっと前には「朝日ジャーナル」な...

著者たちとあまり学生時代を過ごした年代が変わらないので、この本でふれられている”あの時代”の雰囲気はよくわかる。なぜか浅田彰の本がベストセラーになって、ドゥルーズ=ガタリの『アンチ・オイディプス』などという本が平積みになったりしていた時代だった。ちょっと前には「朝日ジャーナル」などという雑誌があって、”人文的な教養”が価値のあるものと考えられていた時代でもあった。この本はちょっと懐古的に感傷的になっているような印象もあるが、それを踏まえた著者たちの現代への問題意識もわかる。ただ、両者がバックグラウンドとする仏哲学が『知の欺瞞』後にどれだけアクチュアリティを持てているか、単なる”妄想”になっていないかの自己認識みたいなものは聞きたかったな、とは思った。

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2019/07/19

新しい形式である。対談でもない。往復書簡でもない。同時代を生きてきた二人のなかで本を介した記憶や思想のネットワークがつながり、広がる。アクチュアルな哲学に興味のある人ならば、引き込まれるはず。いわゆるエッセイやガイド本ではない。 ・アーレントは最後まで実存主義を離れなかったには...

新しい形式である。対談でもない。往復書簡でもない。同時代を生きてきた二人のなかで本を介した記憶や思想のネットワークがつながり、広がる。アクチュアルな哲学に興味のある人ならば、引き込まれるはず。いわゆるエッセイやガイド本ではない。 ・アーレントは最後まで実存主義を離れなかったには目からウロコ。 ・内田義彦の『作品としての人文科学』。論文としての人文科学ではなく。 ・答えではなく、問いが人文科学。

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2019/08/29

國分功一郎さんらが書物という経験を語りあう一冊。 人文書を中心とする100冊を越える書物たちについて「連歌」のように語り合う書、注目です!

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2019/05/04

本の題名からして魅力的だが、國分さんの名前は、つい最近、能動でもなく受動でもない中動相を調べていて、『中動態の世界』に出会い、この人どういう人だろうと思っていたところだったから、思わず手にとって読み始めた(珍しく図書館の本だ)。國分さんは早稲田の政経の出身だが、専門は哲学・現代思...

本の題名からして魅力的だが、國分さんの名前は、つい最近、能動でもなく受動でもない中動相を調べていて、『中動態の世界』に出会い、この人どういう人だろうと思っていたところだったから、思わず手にとって読み始めた(珍しく図書館の本だ)。國分さんは早稲田の政経の出身だが、専門は哲学・現代思想。一方の互(たがい)さんは東大で博士号を取った人だが、研究者にはならず、岩波。講談社の編集者としてやってきた人だ。ところが、世の編集者がそうであるように、互さんは自分でも本を書き、和辻哲郎賞とかサントリー学芸賞なども獲得するほどの実力者である。専門は言語論、思想史。この二人が往復書簡のかたちで、読んだ本をめぐって議論を展開しているのだが、出てくる本がぼくが読んだことのないものばかり。もちろん、ソシュールとか、スピノザとかラカンとか名前は知っているが、縁遠い。人生70年近くやってきて、自分の読書範囲がいかに狭かったかを痛感させられた。しかし、今後読むかといわれると、おそらく一部を除いて読むことはないだろう。そういう本ばかりなのだが、二人が自分の読書体験史の中で語ると、とても魅力的に見えるのである。

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2019/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人文科学の社会科学科が進んでいる。そこに存在してしまっている実存、さまざまな喜びと苦しみを抱えてそこに行きえつぃ待っている実存から遡って、自分にとっては不明瞭な行為や言葉の背後に潜む動機に向かおうとするとこrに人文学の神髄はあるのではないかと

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2019/03/19

國分功一郎と互盛央が交互に書き綴る、一種の読書エッセイ。 文中に挙げられている本は基本的に哲学や思想などの人文書である。 序盤に『読書ガイドではない』と宣言されているのが面白い。しかし『違う』と言われるとガイドとして使いたくなるのが人間というもので(天邪鬼)、ページ下部に載ってい...

國分功一郎と互盛央が交互に書き綴る、一種の読書エッセイ。 文中に挙げられている本は基本的に哲学や思想などの人文書である。 序盤に『読書ガイドではない』と宣言されているのが面白い。しかし『違う』と言われるとガイドとして使いたくなるのが人間というもので(天邪鬼)、ページ下部に載っている書影をチェックしているのだった。 文庫化されているものもけっこうあるが、人文書は品切れにならずに細々とでも売り続けられていることが多いので、取り敢えず本屋に行ってみるか……。

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2019/03/17

國分先生の本ということで飛びついて買った。一気に読んだ。 互さんとお二人で連歌のように「本」について語っていくという試みがまず面白い。互さんは、國分先生のことが大好きなんだと思う。國分先生も互さんを信頼し甘えている節がある。ガイドブックではないということだが、紹介されている人文書...

國分先生の本ということで飛びついて買った。一気に読んだ。 互さんとお二人で連歌のように「本」について語っていくという試みがまず面白い。互さんは、國分先生のことが大好きなんだと思う。國分先生も互さんを信頼し甘えている節がある。ガイドブックではないということだが、紹介されている人文書の数々には未読のものの方が多い。お二人の読書遍歴を追体験したくて、図書館で予約したり、ネットで注文したりした。「知っている」と「知らない」の間を楽しむ充実した時間をいただいた。たった一箇所、参照を促された『ドゥルーズの哲学原理』は「いつもそばにあったけれども読んでいなかった」ので最後まで読もうと思う。

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