観光亡国論 の商品レビュー
昔、旅行会社にいたものとしては耳が痛い。 でも同時に団体旅行の限界を感じていたのも事実。 もっと個性豊かな内容の旅行がしたい!
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日本三大秘境の一つ、徳島県祖谷地方をご存知でしょうか。一つの出来事は心持ち次第で多種多様に広がっていきます。息子さんの進学で徳島との縁が色濃くなった古岡夫妻は、日本三大秘境の一つ、徳島県祖谷地方の茅葺き民家に宿泊したそうです。https://www.tougenkyo-iya.j...
日本三大秘境の一つ、徳島県祖谷地方をご存知でしょうか。一つの出来事は心持ち次第で多種多様に広がっていきます。息子さんの進学で徳島との縁が色濃くなった古岡夫妻は、日本三大秘境の一つ、徳島県祖谷地方の茅葺き民家に宿泊したそうです。https://www.tougenkyo-iya.jp/ 東祖谷に残る古民家を再生、活用する新しいもてなしの形をプロデュースしたのは、アメリカ人のアレックス・カー。彼は私たち日本人が気づかない日本の美しさを再認識させてくれて、また後世に伝えようと文化芸術活動の推進も精力的にしています。大切なものは何か?!外の目を取り込むことって気づかされます。 (by Furuoka)
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※このレビューにはネタバレを含みます
観光立国が観光客の急増で、京都の寺社は人がびっしり並び参拝もままならない。穴場もSNSで拡散されるや、たちどころに荒らされてしまう。観光公害、観光亡国にならないようにするのに必要なのは、適切なマネジメントとコントロール。アレックス・カー「観光亡国論」、2019.3発行。宿泊、オーバーキャパシティ、交通、マナー、文化などに言及されています。規制強化と規制緩和のバランス、入場予約制度と管理費(入場料)の徴収、車誘導から歩行方式に、看板公害の除去、旅行会社依存からの脱却など。
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空き家問題が進む日本で、古民家再生を軸にある種「ドラスティックにないやり方」で観光需要を満たす戦略を選んだ著者。 海外の主要旅行地が、その社会のあり方や住民たちに対しての意図せぬ範囲までの影響に反発し指針を変えていった中で 今後の日本社会を恒久的に下支えすべき観光事業の視座は、コ...
空き家問題が進む日本で、古民家再生を軸にある種「ドラスティックにないやり方」で観光需要を満たす戦略を選んだ著者。 海外の主要旅行地が、その社会のあり方や住民たちに対しての意図せぬ範囲までの影響に反発し指針を変えていった中で 今後の日本社会を恒久的に下支えすべき観光事業の視座は、コロナを契機に改めて考え直すべきなのだろう。
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アレックス・カー氏の著書はもう何冊か読んでいるので、既視感がある記述も多いんだけど、何度読んでも納得できる指摘が多い。 文字だらけ(禁止文言だらけ)の観光地や電線だらけの町並みは、見ていて気持ちがいいもんじゃない(東南アジアなみにカオスになるとあれはあれで面白い 笑)。 〈商...
アレックス・カー氏の著書はもう何冊か読んでいるので、既視感がある記述も多いんだけど、何度読んでも納得できる指摘が多い。 文字だらけ(禁止文言だらけ)の観光地や電線だらけの町並みは、見ていて気持ちがいいもんじゃない(東南アジアなみにカオスになるとあれはあれで面白い 笑)。 〈商店街が観光地されることで、それまでの町とは関係のない業者や商品が入ってきて、その地域全体の文化や個性が消えてしまう〉ことはしばしば起こる。 横浜の中華街が典型か。店の人が中華街の中に住まなくなったことも背景にあるようだ。同じ神奈川だと鎌倉の小町通りも。最近は駅の逆側の御成通りも観光地仕様になってきている。 一時期、さかんにクルーズ船を誘致しようなんていう動きがあった。だが、本書を読んでいる限りだと、どこもかしこも誘致というのは、うまくいかないようだ。 わざわざ環境破壊してまで、観光客の受け入れキャパのない街に数千人規模の豪華客船を誘致するメリットはない。コロナ禍でクルーズ船のイメージが悪くなり、当面は誘致なんて言葉も出ないのかもしれないけれど。。。
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基幹産業が重厚長大型から観光のようなサービス型に転換するという大きなパラダイムシフトの中で、国、地方がどう対応していくべきかの指針になるような一冊。個人的に、国内外問わず地方への観光客が増えれば、例え爆買い中国人とかであっても、その地方の経済が潤うと思ってたけど全くそうではないこ...
基幹産業が重厚長大型から観光のようなサービス型に転換するという大きなパラダイムシフトの中で、国、地方がどう対応していくべきかの指針になるような一冊。個人的に、国内外問わず地方への観光客が増えれば、例え爆買い中国人とかであっても、その地方の経済が潤うと思ってたけど全くそうではないことを知って、今までの考え方がいかに短絡的やったんや、、となった。「2020年に4000万人の訪日外国人旅行者」は難しくなったけど、アフターコロナで観光業が盛んになった時には必ず役に立つようなことが書かれてました。 ・人口減少と空き家問題という大問題を抱える中で、成長余地が十分に残された観光産業の育成は日本にとって数少ないそれらの救いの道。ただ観光も万能ではない(バルセロナの例) ・観光立国を果たすには世界の誰をも受け入れた上で、その状況をコントロールするのいう構えが重要 ・ティッピングポイント ・観光立国が早急に必要とされていたのは都会ではなく地方部なのに、民泊新法で全国一律での管理になった。日本のマネジメントとコントロールにおける従来のシステムの弱さが如実に表れてしまった。その土地の実情を肌で知る自治体が足元を照らした条例やルールを作る動きになれば、地域の生活文化は救われる ・地方は美しい自然がある一方で、新しい産業機運に乏しく仕事、雇用の問題とともに空き家も多い。エアビなどの新しい仕組みで活性化する余地もあるり ・アルベルゴ・ディフーゾ ・タイのパーイ、徳島県の祖谷の事例 ・オーバーキャパシティ→総量規制+誘導対策で対応するも、観光産業が持つ経済的なインパクト低下もある。観光のオーバーキャパシティ問題を緩和する市場原理としての予約制度の導入か入場料の設定。一律に入場料を徴収するのではなく、融通が効く制度を設計する。 ・パーク&ライド ・地域全体の魅力に焦点を合わせるのではなくスポットとしての有名寺院や歴史遺産の魅力だけに頼ってしまうのが、地方の観光振興が陥りがちな典型的なミス。 ・車優先の考え方は前世紀的な固定観念 ・古民家再生の地元経済への影響→地場の工務店は古民家再生を手がけることでプレハブ住宅とは違った床張りや壁の塗り方に関する知識や技術を蓄積できる、空間の中にふさわしい家具も要するため、県内の家具職人や木工職人にも仕事の機会が生まれる、宿泊施設であれば維持管理に携わる人も必要なので雇用も発生。都会から田舎に移住したい場合、農業や林業はハードルが高いが観光業に携わるのであれば少し低くなるため人口定着にもつながりうる ・様々な文化や生活習慣を背景に持つ観光客に対してどのようにマナー喚起するか→マナーゲート設置、飛行機や新幹線内でのマナー講座(飛行機の緊急時対応の説明のように簡潔に要点だけを述べる)、NYのタクシーでドミンゴがアナウンスをするように日本の著名人やアニメキャラによるアナウンス、罰金。看板は必要性を吟味し、必要であればデザインと位置に留意した上で設置。 ・文化継承の際のゾンビ化とフランケンシュタイン化、稚拙化 ・クォンティティーツーリズム→クオリティーツーリズム
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2020年には年間4000万人の訪日外国人 観光客を目標としている日本。 その目論見はコロナで外れてしまいまし たが、それを別としてもあちこちで 観光客だらけの状況を見て「このままで 日本は大丈夫なのか?」と感じた人は 多いと思います。 何よりその観光地の受け入れるキャパシ ...
2020年には年間4000万人の訪日外国人 観光客を目標としている日本。 その目論見はコロナで外れてしまいまし たが、それを別としてもあちこちで 観光客だらけの状況を見て「このままで 日本は大丈夫なのか?」と感じた人は 多いと思います。 何よりその観光地の受け入れるキャパシ ティと訪問者数が釣り合っていない「オ ーバーキャパシティー」状態です。 仮にそのキャパシティーをクリアしたと しても、それはそもそも一時的なSNSで の加熱であった場合は、熱が冷めれば誰 も見向きもしなくなる「宴の後」が待っ ています。 他にもマスコミでもよく見かける、不法 民泊や食べ歩きのマナーの問題など、 挙げればキリがないです。 コロナで忘れていますが、「第二の開国」 と言われる観光客の大挙訪問は再び訪れ ます。 その時にあるべき姿をきっちり考えるべ き方向性を導く一冊です。
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観光分野に実際に取り組んでいる方には、 書かれている内容は極めて当たり前の指摘だと思う。 ただ、何度もカー氏が指摘されるように行政の「時代遅れの観光政策」については処方箋がいくつあっても足りないのは現実。 この本を読むべきは、行政関係だったり政治家の皆様。
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訪日外国人激増を前に起こる混雑や混乱、文化の破壊…。世界的に広がる「観光公害」の正体とは?今備えなければ日本は「亡国化」する
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インバウンドが2000万人を突破、今年は3000万人を上回る、2020年には4000万人だと、浮かれている間に、国内の観光名所は大変なことになっているようです。 たとえば京都。 既に清水寺や二条城といった超の付く名所だけでなく、京都駅南側のお寺や神社でも、今は人で溢れ返っています...
インバウンドが2000万人を突破、今年は3000万人を上回る、2020年には4000万人だと、浮かれている間に、国内の観光名所は大変なことになっているようです。 たとえば京都。 既に清水寺や二条城といった超の付く名所だけでなく、京都駅南側のお寺や神社でも、今は人で溢れ返っています。 伏見稲荷大社は、鳥居が「インスタ映えする」として、いつ行っても鳥居の下に人がびっしりいて参拝もままならない。 美しい禅庭のある東福寺も紅葉の季節になると開門からすぐに、庭を一望できる通天橋の上に人が連なり、立ち止まることも出来ないのだとか。 他の有名観光地でも、「観光公害」とでも呼ぶべき事態が起きています。 これでは、「観光立国」どころか「観光亡国」だというのが著者の見立て。 では、インバウンドは不要なのか。 いえ、そうではありません。 「適切なマネージメントとコントロールが必要」と著者は説きます。 具体的なアイデアも提出しており、注目しました。 たとえば、祇園に「花見小路レーン」、観光名所に「マナーゲート」を設けたり、大型バスや公共の乗り物の中で「マナー講座」を義務化したり…。 いずれもやや突飛な発想ですが、「そもそもイノベ―ティブなアイデアというものは、常識の外から出てくるもの」と著者は指摘します。 神社仏閣に数多ある「撮影禁止」の看板の撤去には、私も賛成です。 世界的には、有名な博物館や美術館でも撮影を解禁するのが今の流れだそうです。 「ゆるキャラ」や「顔出し看板」もそろそろいいのではないでしょうか。 本書にはこのほか、「クオンティティ(量)よりクオリティ(質)を」「地域のプライドを取り戻すことが重要」など真の観光立国を成し遂げるための貴重なヒントが盛りだくさん。 私の住む空知はインバウンドが大挙して押し寄せるような観光地ではありませんが、インバウンドが少ないからと言って嘆く必要はなさそうです。 まずは地域の資源を発掘し、それを磨いて、できれば結んで、本当にこの空知が好きだという人に何度も来てもらい、お金を落としてもらう。 そんな観光を目指すべきではないかと、本書を読んで思いました。
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