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いのちへの礼儀 の商品レビュー

4.6

9件のお客様レビュー

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2023/08/04

立岩先生の本から。生田先生も「「人格」を持つ」やってしまってる。p.179。しかし、山内先生の引用、立岩先生の紹介みたいなおかしな書き方はしてない。

Posted byブクログ

2023/04/08

動物倫理に興味がある訳ではなかったが、何の因果か読み始めたらおもろくて止まらず、3日で読んでしまった。 内容がかなり多岐に渡るので、それこそ作者の方が言うように、「もう少し慎重に考えるべきでは?」という箇所が出てくるし、最後の「希望の牧場・ふくしま」に関しては筆者なりの結論がしっ...

動物倫理に興味がある訳ではなかったが、何の因果か読み始めたらおもろくて止まらず、3日で読んでしまった。 内容がかなり多岐に渡るので、それこそ作者の方が言うように、「もう少し慎重に考えるべきでは?」という箇所が出てくるし、最後の「希望の牧場・ふくしま」に関しては筆者なりの結論がしっかりとは書かれていないし、あと所々で作者さんの個人的見解が色濃く書かれるので、人によってはアクの強さを感じてしまうだろう。 だがそんな事はさておいて、本書は面白い。ともかく、「書かねば」という初期衝動に近いようなパトス/情熱が文から感じられる。 牛さんや豚さん、鶏さんたちといった家畜の置かれている状況、それに「しんでくれてありがとう」(feat.谷川俊太郎)と"現状追認"している私たち! 間主体的関わりを廃した先の、deprivation(剥奪)に陥っている、"幸福な奴隷"である私たち……。 言葉•思考は研ぎ澄まされ刃となって私たちのこころを貫く。本書のタイトルにピンときた方は是非読もう。

Posted byブクログ

2023/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 人間が、その発生当初からオーバーキル(資源を枯渇させるまでに「取り過ぎ」ること)を行っていた事実から、愛玩動物としてのペットの立ち位置(これは度々語られる)、食肉用にされる動物たちが受けている残酷な仕打ち、いわばいきものではなく物体/消費対象/モノ化されている現状、野宿者たちと動物たち、文学においては動物たちがどう描かれるか、戦時中の動物たちと人間たち、原発事故下にて起きていた「地獄」、またその後に、ある人たちが行っ(てい?)た牧場活動……。  悲惨で残酷で、目を覆いたくなる現実が続く。それを、自分たちがほぼ何も考えずおおよそ当たり前に、流れ作業的に受け止めているということ、またその自分たちが企業等に、いわば「消費される立場になって疑問を抱かないでいる」事実に改めて愕然とした。スナウラ・テイラー著「荷を引く獣たち」を先に読んでいたから、食肉は実際できるところからではあるが減らし始めていたし、心の準備も少しはあるつもりだったが、別の角度から真実を突きつけられた感覚があった。  けれどまた、本書「いのちへの礼儀」は、「人間と動物」という二者について、間に引かれている境界線の位置を絶えず考えながら、だんだんに、線を引く、という思考そのものに異を唱えはじめる。前編で事実を突きつけられた上であるからこそ、後編でわたしたちが見て、実際に個人個人で考えていく「これから」が、ほんとうに大切なものになっていくだろうと思う。

Posted byブクログ

2023/01/22

地球上の哺乳類のうちたった4%しかいない野生動物と人間の関係(主に狩猟)はもはや昔物語 人間は、その他の動物(家畜、ペット)を、国家、資本、そして家族を通してどう翻弄してきたか あまりに深く重く、打ちのめされたような読後感 しかし読んで良かったと心から思う

Posted byブクログ

2022/05/21

人間と動物との関わりについて歴史的視点・文化的視点等から多角的に描かれていて読み応えのある内容。 衝撃的な内容も多いが、そもそも自分が口にしている肉がどんなプロセスを経て食卓に上がるのかほとんど知らないこと、また牛豚鶏羊等の動物を当然のように食料として捉えられるのは何故なのかにつ...

人間と動物との関わりについて歴史的視点・文化的視点等から多角的に描かれていて読み応えのある内容。 衝撃的な内容も多いが、そもそも自分が口にしている肉がどんなプロセスを経て食卓に上がるのかほとんど知らないこと、また牛豚鶏羊等の動物を当然のように食料として捉えられるのは何故なのかについて深く考えた事がなかったという事実の方に寧ろショックを受けた。 以前、「いのちをいただく」(文:内田美智子、絵:諸江和美、監修:佐藤剛史 / 西日本新聞社 2009年)を読み、自分は食べ物(になってくれた無数の命)によって生かされており、感謝を忘れてはならないという思いを強めたが、本書に触れてもう一歩踏み込んで「いのち」について考えなければただの表面的な感謝の形になってしまうと感じた。 「Ⅴ.戦争と動物たち」の中で、戦争時の動物殺処分は極限状態では国家及び国家に阿る市民が「最も弱い者」を犠牲にすることを示していることが指摘されており、まさに今の自己責任論や分断の傾向にも表れている。 一度ではなかなな飲み込みきれない部分があるので、何度か読んで考えを深め「いのち」との関わりについてより深く考えられるようになりたい。

Posted byブクログ

2022/03/19

章によってテーマが飛ぶのが読みにくく、著者の予断も多いので途中でやめた。最初のペットのところはちゃんと面白い。興味があうパートをうまく見つけられると面白く読めそう。

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2021/08/10

「動物論」として、縦横無尽に、著者の考えが積み上げられていく。「国家・社会・家庭」「ひと」「動物」、最後に焦点が結ばれる。

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2021/01/01

1万年前までは地球上の生物量の99%が野生動物だったが、現在は人類とその所有物として存在する動物が98%を占めるようになったらいし。衝撃だった。 日本ではアニマルフェアウェルの問題が取り上げられる機会が増えた。畜産、肉食、食糧危機...、ヒトによる命の利用を考えるきっかけを与えて...

1万年前までは地球上の生物量の99%が野生動物だったが、現在は人類とその所有物として存在する動物が98%を占めるようになったらいし。衝撃だった。 日本ではアニマルフェアウェルの問題が取り上げられる機会が増えた。畜産、肉食、食糧危機...、ヒトによる命の利用を考えるきっかけを与えてくれる本である。

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2020/01/12

前半は具体的で興味深い事例の紹介が中心で、勢い衰えることなく読み進めることができた。 アニマルライツとアニマルウェルフェアあるいは動物解放論と環境倫理学の対比や、イルカ追い込み漁の本当の問題点、生類憐みの令の再評価などはとても勉強にもなった。 家畜から動物園の動物、ペット、実験動...

前半は具体的で興味深い事例の紹介が中心で、勢い衰えることなく読み進めることができた。 アニマルライツとアニマルウェルフェアあるいは動物解放論と環境倫理学の対比や、イルカ追い込み漁の本当の問題点、生類憐みの令の再評価などはとても勉強にもなった。 家畜から動物園の動物、ペット、実験動物に野生動物へ至るまで、広範囲に渡る分析がなされ、読み応えがあった。 壮大な思考実験を仕掛けられている、と言ってもいい。 が、後半に入ると一気に論が抽象的になり、著者自身の主張がどこにあるのかよく分からなくなる。 特にラスト、原発事故絡みの記述は甚だ情緒的でさえあり、一番聞きたかった「で、どうなの?」という結論がぼやかされてしまった。

Posted byブクログ