絲的ココロエ の商品レビュー
双極性障害の当事者が語るあれこれ。なるほど、そうなのか、といろいろ思いました。私自身、傾向的にはこの手の病に近い人間だと自覚しているので、こういう本を読むことが、予防になっているような気がします。【2024年8月10日読了】
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双極性障害についてのエッセイ。 読みやすくてやさしくて、とても良い本だった。 ADHDとかも「障害」と名がついているけど、それはあるかなしかではなくてあくまでグラデーションなんだよなと思った。どこかに線を引くようなことじゃなくて。 もっとそれぞれが生きやすいような世界になればいい...
双極性障害についてのエッセイ。 読みやすくてやさしくて、とても良い本だった。 ADHDとかも「障害」と名がついているけど、それはあるかなしかではなくてあくまでグラデーションなんだよなと思った。どこかに線を引くようなことじゃなくて。 もっとそれぞれが生きやすいような世界になればいいと本当に思う。
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久々の絲ヤンの本。 30代で双極性障害を発症し、今に至るまで病と付き合っているという。今では投薬は全て無くなり、躁鬱症状も治まっているそうだ。 タイトルにもあるように、 「気のもちよう では治せない」 私は精神疾患を患ったことがないため、どのような精神状態、辛さなのかが分からな...
久々の絲ヤンの本。 30代で双極性障害を発症し、今に至るまで病と付き合っているという。今では投薬は全て無くなり、躁鬱症状も治まっているそうだ。 タイトルにもあるように、 「気のもちよう では治せない」 私は精神疾患を患ったことがないため、どのような精神状態、辛さなのかが分からないが、本書を読んであらかたは理解することが出来た。 「らしさ」との、付き合い方。 P105 「自分らしさにこだわると、、可能性を狭めたり、変化を拒否したり、好奇心を押し殺したりすることにつながる。それ故に苛立ちや生きづらさを感じてしまう原因になり得る」 これは納得できる。 自分らしい服、振る舞い、髪の毛、発言にこだわると、言動全てがその方向に寄っていく。 そのため正反対のそれら、または他人への視線が手厳しくなる。ガードが固くなってしまう危険性がある。 自分らしくないからしない。 それが積み重なると、無意識的にも自らの可能性を狭めてしまうことに繋がるのではないか。 なお、彼女は昔から女性的なものが苦手で化粧やオシャレ、恋愛を極力排除して生きてきたそうだが、大人になり、ある時点で受け入れようと決意した途端、心の硬さがふわっと緩んだといいうような旨を記している。 自分らしさの保持、並びに強固な拘りは、自分を窮屈にし苦しめてしまう諸刃の剣でもある。 いかに物事な拘泥せず、寛容に、やさしい視線を持って生きていくか。 それがひいては心地よい自分を作る基盤となるのだなと、自分の事のようにヒシヒシと実感した。
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絲山さん自身が当事者。 当事者の人、ご家族、医療関係者、そして多くの人に読んでいただきたい。病気への理解が広がりますように。
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小説家であり双極性障害(Ⅰ型)を患っている(現在は投薬はなく、通院のみ)絲山秋子によるエッセイ。 双極性障害、社会のこと、発達障害のことなどを分析、言語化し、淡々とした語り口で書いている。 淡々としているからこそ、躁状態やうつ状態の極端な状態ではなく、安定した状態で書かれている...
小説家であり双極性障害(Ⅰ型)を患っている(現在は投薬はなく、通院のみ)絲山秋子によるエッセイ。 双極性障害、社会のこと、発達障害のことなどを分析、言語化し、淡々とした語り口で書いている。 淡々としているからこそ、躁状態やうつ状態の極端な状態ではなく、安定した状態で書かれていることが分かり、内容は信頼でき、さらには安心感を与えてくれる。 読むとしたら、うつのどん底から上り、回復期に入ったときだろうか。 ”「気の持ちよう」で治るならば、それは病気ではない。”(p.19) この言葉に気持ちが救われた。 気持ちの持ち方で治らないからこそ、医療や医者、薬に頼るのである。精神疾患への偏見に対するカウンターの言葉だ。 今現在は投薬を必要としないほどに回復した筆者が言うからこそ説得力が増す。 その他印象に残った言葉。 「人間は自分の意思では虫歯ひとつ治せません」 (p.19) かつて後輩から「うつ病に関する本を買って読み始めました」と手紙をもらったときには、お見舞いよりも感激したものだ。当事者が欲しいものは、アドバイスや共感ではなく理解なのだと思った。逆に家族や友人に本をすすめて、まったく興味を示されなかったときは、ひどく失望した。(p.29)
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筆者の考え方や行動の癖とそれへの対処法などが書かれていた。悪く悪く考えてしまうのは、自分の感情をゆさぶってそれが解決した時の大きな愉悦に浸りたいのかもとか、深い洞察が多くて、なるほどと思った。 うまく言葉にできないが、わたしはあまりほかに読んだことがない冷静なエッセイで、好きだっ...
筆者の考え方や行動の癖とそれへの対処法などが書かれていた。悪く悪く考えてしまうのは、自分の感情をゆさぶってそれが解決した時の大きな愉悦に浸りたいのかもとか、深い洞察が多くて、なるほどと思った。 うまく言葉にできないが、わたしはあまりほかに読んだことがない冷静なエッセイで、好きだった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
絲山秋子さん、本当に誠実な方と思います。ご自分の病気とその治療、考えていること、気をつけていることを紹介したエッセイ「絲的ココロエ」(2019.3)を読んで、益々ファンになりました。メーカーの営業職として群馬県に赴任して1年、定年まで会社勤務のつもだったそうです。31歳、1998年に双極性障害を発症、休職、復職・転勤、1999年自殺未遂・・・。18年間服薬した薬はやめたけど、今も通院だそうです。二匹の犬との散歩では、ストレッチ、後ろ歩き、腹式呼吸などをされてるとか。30年喫煙も、風邪で吸えなくなり禁煙と
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対象の読者が何を必要としているかを的確に捉え、それに基づいて自分が提供できる経験や情報をきっちり整理し、尚且つ、それを読者が受け入れやすいように気を配りながら、わかりやすく面白い喩えを交えて淡々と示してみせる。さぞかし優秀な営業社員だったんだろうなと思う。もともと絲山秋子の小説も...
対象の読者が何を必要としているかを的確に捉え、それに基づいて自分が提供できる経験や情報をきっちり整理し、尚且つ、それを読者が受け入れやすいように気を配りながら、わかりやすく面白い喩えを交えて淡々と示してみせる。さぞかし優秀な営業社員だったんだろうなと思う。もともと絲山秋子の小説もエッセイも好きだったが、彼女のまた別の凄さというか魅力に触れた気がした。
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躁うつ病のことをメインに、精神疾患や発達障害、生活の中の違和感などについて、自分でも普段感じているけど言語化できないモヤモヤが詰まっていた。 読んでいて納得できる部分が多く、私には丁度いい本でした。
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絲山さんの作品に出てくる女性はとても潔くて魅力的な人が多いのだけど、絲山さんご自身がそんな方なんだと感じました。 障害に対する向き合い方はとても潔く、生き方も潔い。
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