こうして誰もいなくなった の商品レビュー
表題作は面白かった。『そして誰もいなくなった』を知ってても、「こうきたか!」という感じ。ショートショートが多くて、『こうして誰もいなくなった』以外はあまりガツンと来るのがなかった。 『謎のアナウンス』はわりと好き。
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人気ミステリー作家の新作はファンタジーからホラーまでバラエティに富んだ短編集。やはりあの名作を引用した表題作がたまらないw第10章やあとがきでは有栖川有栖による本家の解釈も楽しめる。人によっては野暮な試みと感じるかもしれないけど、個人的にはヒップホップ的で面白いと思う。
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恥ずかしながら有栖川さんの本ってあまり読んだ記憶がない私のレビューで申し訳ない。 作家デビュー30周年のこの本は前口上でも書いてある通り「有栖川さんの見本市」ということらしい。超短編から中編まで、ホラーからファンタジーからミステリまで、選り取り見取りの有栖川ワールドを堪能出来た...
恥ずかしながら有栖川さんの本ってあまり読んだ記憶がない私のレビューで申し訳ない。 作家デビュー30周年のこの本は前口上でも書いてある通り「有栖川さんの見本市」ということらしい。超短編から中編まで、ホラーからファンタジーからミステリまで、選り取り見取りの有栖川ワールドを堪能出来た。どれもこれもスパイシーで面白い作品ばかり。 中でもやはり中編の表題作「こうして誰もいなくなった」が印象に残る。アガサ・クリスティーの原典を未読なのでますます気になったのは言うまでもない。オチが知りたい。 有栖川有栖ビギナーには優しく嬉しい纏まった作品であった。
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【収録作品】館の一夜/線路の国のアリス/名探偵Q氏のオフ/まぶしい名前/妖術師/怪獣の夢/劇的な幕切れ/出口を探して/未来人F/盗まれた恋文/本と謎の日々/謎のアナウンス/矢/こうして誰もいなくなった
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様々な読み口の作品を集めた短編集。もうこのタイトルだけで買うっきゃない(笑)。 お気に入りはやはり表題作「こうして誰もいなくなった」。もうどこからどう見てもあのシチュエーションで起こる孤島の連続殺人、ってので、事件が起こる前からわくわくしっぱなしです。原典を知っていても知らなくっ...
様々な読み口の作品を集めた短編集。もうこのタイトルだけで買うっきゃない(笑)。 お気に入りはやはり表題作「こうして誰もいなくなった」。もうどこからどう見てもあのシチュエーションで起こる孤島の連続殺人、ってので、事件が起こる前からわくわくしっぱなしです。原典を知っていても知らなくっても楽しめる作品かも。 「線路の国のアリス」も大好き。鉄道にはまーったく興味がないのですが。「不思議の国のアリス」は大好きなので、「エキシャ猫」に大笑いしてしまいました。他にもアリス好きにはニヤリとさせられるような箇所がいっぱい。実に愉快な一作です。
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+++ あの名作『そして誰もいなくなった』を再解釈し、大胆かつ驚きに満ちたミステリに仕上げた表題作をはじめ、ラジオドラマ脚本として描かれ、小説としては世に出ていない掌編や、自殺志願者の恐怖と悔恨を描く傑作ホラー「劇的な幕切れ」、書店店長の名推理が痛快な日常ミステリ「本と謎の日々」...
+++ あの名作『そして誰もいなくなった』を再解釈し、大胆かつ驚きに満ちたミステリに仕上げた表題作をはじめ、ラジオドラマ脚本として描かれ、小説としては世に出ていない掌編や、自殺志願者の恐怖と悔恨を描く傑作ホラー「劇的な幕切れ」、書店店長の名推理が痛快な日常ミステリ「本と謎の日々」など、一作たりとも読み逃せない名作揃い。有栖川有栖作家デビュー30周年記念を飾る、華麗なる傑作作品集!! +++ 本のタイトル通り「こうして誰もいなくなった」が勿論メインなのだが、そのほかの掌編や短編もバラエティ豊かで、愉しめる。「こうして~~」では、ネット社会で、世界中のどことでも繋がれる現代といえども、舞台設定によって孤島の密室殺人事件が成り立つものなのだと再認識させられる。ネットに頼りすぎる現代人にとっては、ネットから遮断された時点で、恐怖が倍加されるかもしれない。クリスティの時代とは別の怖さでもあろう。そして、さらりと描かれてはいるが、現代の自覚なき罪の深さの告発でもあるように思う。さまざまなテイストの物語を味わえて愉しい一冊だった。
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有栖川有栖のノンシリーズ作品集。ラジオでの朗読のための掌編からミステリ中編まで様々な作品が楽しめます。 少し不思議な物語からファンタジー、ホラー、そしてもちろん本格ミステリまで。シリーズ物ではないので却って作者の色合いが強く出ているとも感じさせられます。 男女が迷い込んだ館の正...
有栖川有栖のノンシリーズ作品集。ラジオでの朗読のための掌編からミステリ中編まで様々な作品が楽しめます。 少し不思議な物語からファンタジー、ホラー、そしてもちろん本格ミステリまで。シリーズ物ではないので却って作者の色合いが強く出ているとも感じさせられます。 男女が迷い込んだ館の正体、線路の国に入り込んだ少女アリス、幾度となく繰り返される怪獣の夢、心中を試みた劇的な幕切れ、未来人が襲来する乱歩パスティーシュ、本屋で起こる謎、そして表題作クリスティの「そして誰もいなくなった」をリライトした中編作品。 変幻自在に様々な味わいがあり、懐の深さを感じさせます。そして読後感はどれも実にシャープで軽やか。それこそが作家有栖川有栖の本質なのでしょう。 印象に残るのはやはり表題作「こうして誰もいなくなった」。クリスティの名作を下敷きとし、現代によみがえらせたというだけでも面白いのですが、そこに原典にはない名探偵を登場させる遊び心。しかもその探偵の思い切ったキャラクター造形。これは読み切りの一回きりだからなのか、ものすごい探偵を出してきたなと思ったら、推理は実に正統派。これぞ有栖川ミステリと思わされる美しい流れを見せてくれます。 今までにもノンシリーズ作品集はありましたが、今作が一番遊び心に飛んでいるかも。これからますます軽やかに様々な顔を見せてくれそうです。
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追記:時間ができたので再開。表題にもなっているメイン作品を読んで評価がアップ!原作を知らなくても楽しめるストーリーと結末。これを最初に持ってきてほしかった。 決して退屈なわけではないのだが、読後感が、で?となるものが多かった。好きな人は好きなのかもしれないが。半分もいかずにやめ...
追記:時間ができたので再開。表題にもなっているメイン作品を読んで評価がアップ!原作を知らなくても楽しめるストーリーと結末。これを最初に持ってきてほしかった。 決して退屈なわけではないのだが、読後感が、で?となるものが多かった。好きな人は好きなのかもしれないが。半分もいかずにやめてしまった。
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ごった煮(笑) 私は、鉄道のアリスと、本と謎の日々が好きかな。 本屋の話はシリーズで書いて欲しいぐらい。
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ノンシリーズの中短掌編作品集。 アンソロジーで短編の内の4作は既読だったし、全体的にファンタジー色の濃い作風の物が多かったのがやや残念だったが、中編の表題作が傑作だったので救われた。題名から判る様にクリスティの『そして誰もいなくなった』を下敷きにした物で、あの作品で有栖川さんが感...
ノンシリーズの中短掌編作品集。 アンソロジーで短編の内の4作は既読だったし、全体的にファンタジー色の濃い作風の物が多かったのがやや残念だったが、中編の表題作が傑作だったので救われた。題名から判る様にクリスティの『そして誰もいなくなった』を下敷きにした物で、あの作品で有栖川さんが感じた違和感を、「自分ならこう書く」と独自のアイデアを加えて創作したとの事。あの作品のパスティーシュは多くのミステリ作家が書いているが、中編でここまでの完成度は凄い。短い分、少し説明不足の点も感じられたが、とても面白かった。
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