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闇冥 の商品レビュー

3.8

7件のお客様レビュー

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2023/10/28

山を愛する人に悪い人はいない、とは言えない。世代を超えて、親の因果が子に報い。 登山の本といえば、困難を乗り越えて、大団円というのを、多く呼んできたが、こうした物語もあって、人間は変わらないのだなぁと感じた。

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2022/06/05

松本清張『遭難』、新田次郎『錆びたピッケル』、加藤薫『遭難』、森村誠一『垂直の陥穿』の4編が収録された山岳ミステリーアンソロジー。 「冬山は極限の密室」で、荒れ狂う大自然の中で、卑小な人間が持つ心の奥の闇を描くには、山岳小説が最適と、編者の馳星周氏。 それゆえ、主に遭難がテーマと...

松本清張『遭難』、新田次郎『錆びたピッケル』、加藤薫『遭難』、森村誠一『垂直の陥穿』の4編が収録された山岳ミステリーアンソロジー。 「冬山は極限の密室」で、荒れ狂う大自然の中で、卑小な人間が持つ心の奥の闇を描くには、山岳小説が最適と、編者の馳星周氏。 それゆえ、主に遭難がテーマとなっており、どの作品もハッピーエンドとはいかない内容である。 初出が昭和30年・40年代で、いささか古さを感じさせるところもあるが、何れも山岳小説ファンには見逃せない作品といえる。

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2021/09/09

山での究極状態を利用すれば計画的な殺人が可能になる。それを利用した山岳ミステリ4編のアンソロジー。 加藤薫氏の作品が収録されているのが貴重。他の大御所の作品の動機が復讐や恋敵等でやや陳腐で引いてしまったのに対し、加藤薫作品では若者群像の中での意識下で曖昧にしており、作品としての迫...

山での究極状態を利用すれば計画的な殺人が可能になる。それを利用した山岳ミステリ4編のアンソロジー。 加藤薫氏の作品が収録されているのが貴重。他の大御所の作品の動機が復讐や恋敵等でやや陳腐で引いてしまったのに対し、加藤薫作品では若者群像の中での意識下で曖昧にしており、作品としての迫力が違う。筆者自身が学生時代に鹿島槍に登り、仲間4人が行方不明になったことがベースにあるらしい。

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2020/11/30

作家馳星周が選んだ全4篇の山岳ミステリー。いずれも良い意味で後味が悪い。 山好きの友人に借りた一冊。読後にも残る違和感。これぞミステリーの魅力なのだろう。雪山という閉鎖的な空間。人は緊急避難的に悪人になるし、物証も残らない。いずれもそんなストーリー。 松本清張:遭難 新田次郎...

作家馳星周が選んだ全4篇の山岳ミステリー。いずれも良い意味で後味が悪い。 山好きの友人に借りた一冊。読後にも残る違和感。これぞミステリーの魅力なのだろう。雪山という閉鎖的な空間。人は緊急避難的に悪人になるし、物証も残らない。いずれもそんなストーリー。 松本清張:遭難 新田次郎:錆びたピッケル 加藤薫:遭難 森村誠一:垂直の陥穿

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2019/11/16

「山岳ミステリー・アンソロジー」と題してあるが、謎解きを楽しむというよりは、オチの印象が強い作品集だった。 タイトル通り、どれも後味が悪い。 馳星周さんはこういうのが好きなのね。 最近、富士山での滑落事故のニュースがセンセーショナルに報じられた。ああいうのは論外だとしても、どれ...

「山岳ミステリー・アンソロジー」と題してあるが、謎解きを楽しむというよりは、オチの印象が強い作品集だった。 タイトル通り、どれも後味が悪い。 馳星周さんはこういうのが好きなのね。 最近、富士山での滑落事故のニュースがセンセーショナルに報じられた。ああいうのは論外だとしても、どれほど入念な準備と計画をしても、どれほど慎重に行動しても、どれほど真摯に山と向き合っていても、事故は起こる。 それが厳しい山という自然。 ましてやそこに人間の作為(故意にしろ過失にしろ)が加われば…。 昭和三十三年~四十六年に書かれた作品なので時代を感じる。当時の登山風景はこんな感じか、という部分と、人間の心理は現代と変わらないなという部分とがあった。 山で亡くなった人も辛いが、山で仲間を亡くした人も(色々な意味で)辛い。 以下、簡単な感想。 松本清張「遭難」 これって彼的には成功なのか? むしろ「ますます疑惑は深まった」となりそうだが。 新田次郎「錆びたピッケル」 ええっ? あなたまでが言う? 同志じゃなかったの? 加藤薫「遭難」 彼女は天然なのか、計算なのか。『女はつよい』というより、女は怖い。 森村誠一「垂直の陥穽」 因果は巡る。ミステリーというよりホラーなオチ。

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2019/04/29

登山の趣味はないけれど、ここに収められた4編は実に堪能することができた。それぞれが秀作でありサスペンスの王道であり1部はホラーとまで感じた。読むことで幸せであった。(作品がハッピーという意味ではないです)

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2019/03/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ヤマケイ文庫のラインナップには珍しいミステリのアンソロジーだが、しっかり『山』がテーマである。本当にブレないな、ヤマケイ文庫……。 山岳ミステリは昔からひとつのジャンルとして存在していて、矢張り魅力的な舞台だ。 収録作の著者はビッグネームばかり、選者は馳星周と、面白い要素しか無い本書は、期待に違わぬ面白さだった。松本清張とか森村誠一とか、ずいぶん久しぶりに読んだ気がするが、やっぱり面白いんだよなぁ。

Posted byブクログ