四百三十円の神様 の商品レビュー
どこにでもいそうな登場人物たちだが、色々なことを抱えながら生きている。クスッと笑えたり、胸に残る短編集。 「いれずみお断り」は心が震えた。「俺よりずっと上等な父親だったよ」この一言に涙が溢れた。
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加藤元さんの作品を読んだのは、本書で4冊目となりました。 初めに読んだ『嫁の遺言』☆5の衝撃があまりにも「凄く」、続いて読んだ『金猫座の男たち』☆4、『ごめん。』☆5にも深い感銘を受け、加藤さんの全作品を読むと決心した後の1冊目が、本書『四百三十円の神様』です。 以上の経緯を...
加藤元さんの作品を読んだのは、本書で4冊目となりました。 初めに読んだ『嫁の遺言』☆5の衝撃があまりにも「凄く」、続いて読んだ『金猫座の男たち』☆4、『ごめん。』☆5にも深い感銘を受け、加藤さんの全作品を読むと決心した後の1冊目が、本書『四百三十円の神様』です。 以上の経緯を経て読んだ本書の評価ですが、☆4となりました。 『嫁の遺言』と同じように全7話で構成される短編集であることから、どうしても比べてしまうことで、ちょっと損をしたのかもしれません。 もし、加藤さんの最初の作品として本書を読んだのならば、☆5だったと思います。 それほどまでに、本書は面白いと同時に、共感できる場面・文章がいくつも含まれており、十分に楽しませてもらった「傑作」でした。 (私のささやかな決心の正しさが証明されたことでもあり、とても嬉しいですね!) 収録されている全7話の全てが面白く、またテーマもバラエティーに富んでおり、加藤さんの作家としての実力を改めて実感できたのですが、本書のタイトルでもある『四百三十円の神様』と『いれずみお断り』、『鍵は開いた』は、「傑作」揃いの収録作品の中でも秀抜でした。(ラストで目頭が熱くなる方が多いのでは?) また、本書の解説を書かれている方(田口幹人さん・書店員)は、『嫁の遺言』でも書かれているのですが、その内容・文章がとても素晴らしいですね。 プロの文芸評論家とは違った、加藤さんの作品に惚れ込んだ一読者の視点からの解説となっており、大いに共感しながら読んでいました。 両作品の解説を読めば、加藤さんがどのような作家であるか、また、作品がいかに面白くて優れているか理解出来ると思います。 これほどの解説にお目にかかれるのは、なかなかない事かもしれません。 最後に、『嫁の遺言』、『金猫座の男たち』の本文や、あとがき、解説に「おとぎ話」という言葉が出てきますが、本書でもある作品の文章と解説(帯にも)に出てきます。 確かに、加藤さんの作品を読んでいると「大人のおとぎ話」の世界にいるような感覚になっていることに、ふと気づくことがあります。 もしかすると、私が加藤さんの作品に魅了される一番の理由は、それかもしれません。
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とっても読みやすい本。 短編なせいもあるけど、気楽に気軽に読み終えられます。 わたしはたまたま、この本の前に億り人になるって言う、やたら盛大に借金して、投資せよ! そしたら、一か月で億万長者だ!っていう本と、月15万で楽しく暮らす。ひっそり生きる。っていうとても若い人とは思え...
とっても読みやすい本。 短編なせいもあるけど、気楽に気軽に読み終えられます。 わたしはたまたま、この本の前に億り人になるって言う、やたら盛大に借金して、投資せよ! そしたら、一か月で億万長者だ!っていう本と、月15万で楽しく暮らす。ひっそり生きる。っていうとても若い人とは思えない、非好奇心の若者のリアル本を読んだあとに、 四百三十円の神様っていうフィクション読んだもんだから。 大変申し訳ないんだけど、ノンフィクションのパンチ力半端なさ過ぎて、いや四百三十円って、億万長者にもなれなければ、15万で細々くらす若者にしてみたら、しょーもないっていう。なんとも言えない、現実と非現実のギャップ。しかも、 現実のほうが激しめ。 っていう本の読み方してしまったもんだから。 読んで頭からサラーと流れて行ってしまって、読んでる間はそこそこ楽しんだけど、 じゃ、全体通してどうだった?って聞かれたら。 いやーなんだろ。 凄まじい現実をマイルドに表したフィクション。みたいな感じかな。笑 ホント、案外その辺のママの話聞いてるほうが、モノすごいストーリー背負ってたりするもんなのよね。 笑 #現実は小説より激しめ #どうってことない金額 #どっちつかず #また、わたしはなんでこんな金がらみの本を選んだのか #精神的な何かか!? #神のお導きか #億万長者から四百三十円まで #どうなのよ #なんなんだ? #月15万生活のひっそりした若者 #お金はあるけど経験少なめ #経験貧乏 #まさに!!!!
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しっかり 長編かと思ったら 短編集でした(ちゃんと確認しろ!!) さくさくと読めて中々面白かった 作中の1つ 【腐ったたぬき】は面白かった 文芸部の子達が、意外と皆内容うろ覚えな【分福茶釜】について 論理的に現実的に意見を言い合う感じ こういうの大好き でもやると嫌がら...
しっかり 長編かと思ったら 短編集でした(ちゃんと確認しろ!!) さくさくと読めて中々面白かった 作中の1つ 【腐ったたぬき】は面白かった 文芸部の子達が、意外と皆内容うろ覚えな【分福茶釜】について 論理的に現実的に意見を言い合う感じ こういうの大好き でもやると嫌がられるんだよね(笑) 歌とか聞いてて 徳永英明 壊れかけのradio 【♪♪何も聞こえないぃ~♪♪】 うん もう壊れてるじゃん… とか aiko カブトムシ えぇ…少し背の高い彼の耳によせたオデコ 甘い匂いに誘われた私はカブトムシ… カブトムシは甘さで集まって来たり、好んでもなくて…発酵した樹液に集まる …てことは彼氏の耳は発酵している可能性があるから…病院に行った方が…中耳炎かな? と言うと 色んな人から怒られる… ※だから結局 話が変わるけど俺が何が言いたいかって言うと… 【施設のトイレとかで、手を洗う時にやたら小さい洗面台って たまにあるけど…水とか外に跳ねてイライラするよね!】って事!!
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※このレビューにはネタバレを含みます
*”助けて。一生のお願いだから”夜明けの牛丼屋。バイトの岩田が眠気と戦っていると、派手な女が転がり込んできた。懇願する彼女に一体なにが!?(「四百三十円の神様」)動物病院に立派な刺青を入れた老人がやってきた。クセのある彼は弱った拾い猫を次々と連れてくる。だが、彼は急に姿を見せなくなり、心配した獣医が彼の家を訪ねると!?(「いれずみお断り」)心を揺さぶる、注目女性作家の珠玉短編集* そこはかとなく懐古感漂う短編集。損得でも理屈でもなく、情に寄り添った物語たち。 割り切れない思いや哀しみを抱えつつ、それを抱えたまま悲観することなく次に歩みを進めていく主人公たち。ごくごく普通の人たちが、飄々と淡々とユーモア交えつつやり過ごす様がいい。どのお話も、最後はふわりと温かい気持ちにさせてくれます。 中でも、特に響いたのは「鍵は開いた」。 確かに、誰かのほんの一言で、心の錠前がカチリと開く瞬間がある。いつか、自分のほんの一言が鍵となって、誰かの固い錠前が開くことがあれば嬉しい。
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どの話も読み終わると胸がじんわり温かくなるようなお話でした。たぬき以外は。 勝ち負けで言えば負けた話なのですが、負けにも色々あって、それが他者を励ましたり助けたりすることもあるのだなあと。結果は負けだけど、真摯に立ち向かう姿が素晴らしいのだろう。 たぬきは、腐っているのはたぬき...
どの話も読み終わると胸がじんわり温かくなるようなお話でした。たぬき以外は。 勝ち負けで言えば負けた話なのですが、負けにも色々あって、それが他者を励ましたり助けたりすることもあるのだなあと。結果は負けだけど、真摯に立ち向かう姿が素晴らしいのだろう。 たぬきは、腐っているのはたぬきではなく見ている貴方です。読書は自由だけど、全部をそっちにねじ曲げるのは、私は好きではないな。
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※このレビューにはネタバレを含みます
短編7編の構成のこの作品。表題作も 面白かったですが、「腐ったたぬき」の 意外な話の流れからのそっちかいっ! って展開や「いれずみお断り」の 獣医さんと刺青を入れた老人との関係や 娘さんとのラストなんかも時に そうすることも正解だななんて思いました。 「鍵は開いた」の話の展開が ちょっと好きかも。ただ全体的に 登場する夫や父がまぁだらしないというか とんでもない男性陣ばかりで読んでて こっちが申し訳なく思っちゃうくらい ダメダメな男性陣でした・・・・ 加藤元さんの作品は初読みだったので 他の作品の男性陣も基本的には こんな感じなんだろうか・・・ とにもかくにもさらっと読める短編集でした。
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7つの物語の短編集。どの作品もなんとも言えない切なさがあって、そこはかとない郷愁が漂っている。そして、誰が読んでも必ず何処かに自分と重なる部分があるように思う。『腐ったたぬき』は笑った!物語の解釈って自由だな。笑
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『四百三十円の神様』読了。 元さんの作品はいつも人間の弱い部分やずるい部分がつぶさに描かれていて、そしてどことなく昭和の香りがする。 今よりも人と人との繋がりが濃厚だったと思えた時代。それと同時に繋がった負の鎖を容易に断ち切ることができなかった時代。家族だったり、学校だったり。 ...
『四百三十円の神様』読了。 元さんの作品はいつも人間の弱い部分やずるい部分がつぶさに描かれていて、そしてどことなく昭和の香りがする。 今よりも人と人との繋がりが濃厚だったと思えた時代。それと同時に繋がった負の鎖を容易に断ち切ることができなかった時代。家族だったり、学校だったり。 本作は短編集で個々の作品のテイストは様々だけど、自分が生き抜くためにそこから逃げたっていいじゃない、それも前に進むための方法だよ、と言っているように思える。 人間は弱い生き物だからちょっとくらい失敗してもやり直せる。そう思えたら、今の世の中も少しは生きやすいのかもしれない。
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やっぱり人生って素敵で面白い。世知辛い世の中だけど、この世界は愛に溢れている。心を揺さぶる現代における大人のおとぎ話。 しんどい毎日だけど、本作を読み終えるとちょっと元気になれる。牛丼店にいた神様や刺青男の最期、そして往年の大女優など、有名無名関係なく各々の歩んできた道がある。そ...
やっぱり人生って素敵で面白い。世知辛い世の中だけど、この世界は愛に溢れている。心を揺さぶる現代における大人のおとぎ話。 しんどい毎日だけど、本作を読み終えるとちょっと元気になれる。牛丼店にいた神様や刺青男の最期、そして往年の大女優など、有名無名関係なく各々の歩んできた道がある。それを優しく紡ぐ作者の器量は、今後のブレイクが楽しみだ。
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