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捨てられる銀行(3) の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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2022/10/01

金融機関の問題点について過去3作で十分に書いたからだろうけど、ちょっとポエム要素が多めに感じた。著者の主張は、終章にまとまっているので、終章をしっかり読めば十分かも知れない。金融機関と顧客の関係性について、SIerとかコンサルも同じだなと思うので、参考になる面もあったが、著者が議...

金融機関の問題点について過去3作で十分に書いたからだろうけど、ちょっとポエム要素が多めに感じた。著者の主張は、終章にまとまっているので、終章をしっかり読めば十分かも知れない。金融機関と顧客の関係性について、SIerとかコンサルも同じだなと思うので、参考になる面もあったが、著者が議論の下敷きにした文献の多くは既に読んでいたので、新しく何か得られた感は少なかった。熱量高めの共感を持っていろんな人物が描かれるが、冷静に読むと、実家太めの人が多い印象を持った。逆転の成功劇だけではなく、もっとたくさんあるだろう埋もれてしまった悲劇も知りたい。その悲劇にこそ、勉強すべきことがあると思うので。

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2021/01/02

捨てられる銀行シリーズ第3弾。地方銀行が地域を回すために、予測不能な未来に目を向けて、顧客本位で融資することの大切さを説く。 シリーズの中では、個人的には最も読後感はよくなかった。特に後半部分は銀行の話というより、筆者の考える組織論の話が中心で、トーンもネガティブ。取材量の豊富さ...

捨てられる銀行シリーズ第3弾。地方銀行が地域を回すために、予測不能な未来に目を向けて、顧客本位で融資することの大切さを説く。 シリーズの中では、個人的には最も読後感はよくなかった。特に後半部分は銀行の話というより、筆者の考える組織論の話が中心で、トーンもネガティブ。取材量の豊富さを加味して3点とした。

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2020/02/02

計測できない世界がテーマ 遠藤俊英新金融庁長官の現場主義 ①生産性向上支援チーム 現場で支援する金融庁と財務の混成チーム ②ネットプロモータースコア 顧客間の口コミと推奨 ③計測可能なKPIを廃止 森前長官の改革とは ①地域金融改革 事業性評価という価値観 ...

計測できない世界がテーマ 遠藤俊英新金融庁長官の現場主義 ①生産性向上支援チーム 現場で支援する金融庁と財務の混成チーム ②ネットプロモータースコア 顧客間の口コミと推奨 ③計測可能なKPIを廃止 森前長官の改革とは ①地域金融改革 事業性評価という価値観 ②資産運用改革 フィデューシャリーデューティ セゾン投信の中野社長を元に投信残高上位20銘柄のコストリターン、リスクリターンを公表 行かない革命 Z世代はインターネットで済ます トランザクションとリレーションバンキング 再編では解決にならない。 リレーションバンキング、菱形営業で 検査マニュアルとは ①経営管理 ②金融円滑化 ③リスク管理 リスク管理にかなり膨大な量を ↓ マニュアル廃止、別表と引き当て廃止 そして予想信用損失モデル導入

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2019/11/24

金融庁の森信親長官の金融検査マニュアル廃止宣言をきっかけに、旧態依然の銀行が変化してきている実態をレポートした面白い著書だ.ユーザー志向の考え方は銀行以外の業界では当たり前だったにもかかわらず、自分たちのノルマだけを達成して、利用者のことは無視してきた.利益の上がるはずのない投資...

金融庁の森信親長官の金融検査マニュアル廃止宣言をきっかけに、旧態依然の銀行が変化してきている実態をレポートした面白い著書だ.ユーザー志向の考え方は銀行以外の業界では当たり前だったにもかかわらず、自分たちのノルマだけを達成して、利用者のことは無視してきた.利益の上がるはずのない投資信託を小金を持った高齢者に勧めて、暴利をむさぼる.このような銀行が存在価値はない.改善の様子が示されているのにほっとした感じだ.

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2019/09/22

未来の金融―捨てられる銀行3― 橋本卓典 捨てられる銀行、非産運用、未来の金融とジャーナリスト橋本氏による金融庁の改革ルポタージュ。部門が銀行系であることや、自分自身が金融庁の管轄下の保険会社にいることもあり、非常に勉強になる。個人的に、入社前に読んだ時より、アクチュアリティを...

未来の金融―捨てられる銀行3― 橋本卓典 捨てられる銀行、非産運用、未来の金融とジャーナリスト橋本氏による金融庁の改革ルポタージュ。部門が銀行系であることや、自分自身が金融庁の管轄下の保険会社にいることもあり、非常に勉強になる。個人的に、入社前に読んだ時より、アクチュアリティをもって読むことが出来た。  主に、20年程前の不良債権問題の対応策として金融庁が策定した金融庁マニュアルの功罪を解き、現在生じている金融排除や、反対に銀行があるべき姿にフォーカスしている。引当金等を厳格に定めた金融庁マニュアルは不良債権問題で破綻寸前の金融機関に対しての緊急策であり、20年間使う代物であるとは当時の策定者も考えていなかった。融資先の格付けにより、融資額を決める画一的な方法論により、志はあれど信用のない事業者が融資を受けられない「金融排除」という事態は、明らかにマニュアル主義の終着地点であり、まさしく捨てられていく銀行の態勢に他ならない。信用のない事業者に融資することは、マニュアル的にはリスクを背負う悪の行為であり、現状では実績こそないが未来の成功を見極める目利きを持った人は少なくなっているという。本来的に、金融機関は金融機能を通じて経済全体の活性化と国民の富の増大にこそレゾンデートルがある。機械的な格付けによる融資枠の決定という外部への潔癖性と、回転販売という内部からの腐敗に筆者は警鐘を鳴らし、あるべき金融機関の姿をリレーションバンキングに見出す。  本来、お金を貸すだけならだれでも良いが、その中で、選ばれるためには、銀行が持つ関係性とお金回りの知識による事業者の全体的なバックアップが必要である。金融機関として、点と点をつなぐという付加価値提供の在り方は、保険会社に勤める自分も頷ける。商品性や保険周辺の知識はさることながら、当社が持つ多くの関係先をむずびつけることは、付加価値提供の一つの在り方であると思う。ワンピース考察で結末予想というものが良くあるが、ルフィがレッドラインを沈め、東西南北の海を統一することで、世界が一つになるという考え方は面白い。社会は、あらゆるもので分け隔てられている。それが悪いことではないが、リレーションバンキングでビジネス界のワンピースを作るくらいの夢を持っても良いかもしれないと、粛々と考えた。

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2019/09/07

第1章 金融革命とポスト森金融行政 メインバンクを変える地方の雄/森金融革命とは何だったのか/地域金融革命と資産運用改革/現場主義者・遠藤新長官の頭の中/地域生産性向上支援チーム/何が変わり何が変わらないのか/「行かない革命」の脅威/銀行再編の限界/預金送金決済が銀行から消え...

第1章 金融革命とポスト森金融行政 メインバンクを変える地方の雄/森金融革命とは何だったのか/地域金融革命と資産運用改革/現場主義者・遠藤新長官の頭の中/地域生産性向上支援チーム/何が変わり何が変わらないのか/「行かない革命」の脅威/銀行再編の限界/預金送金決済が銀行から消える日/アリペイが起こす信用革命 第2章 20年の金融ルールが変わる 検査マニュアルとは何だったのか/別表が招いた金融排除/引当が一変する/五味元金融庁長官の証言/「検査マニュアル」はどう変わるか 第3章 「共感」と金融 共感が世の中を動かす/保険の魔術師と呼ばれる男/飛騨から生まれた「育てる金融」/金融業者のクラウドファンディング/鶴岡を世界一にした金融マン 第4章 さよなら銀行 追い詰められた支店長/客を売ったメガバンク/衝撃の金融庁臨店/銀行は人に不幸を売る仕事?/相手にするのはAKとKK/商工中金の闇/ 第5章 「計測できない世界」にどう対処するか スルガ銀行が示すもの/本当のリスクとは何か/大きくなる誘惑/鎌倉投信・新井の新たな挑戦/リレーションシップ・インパクト論/「計測できない世界」に

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2019/06/09

 今、金融機関の状況は非常に厳しい。これまでの姿を維持することに腐心しているが、それが本当に難しくなってきたことを実感しているから、もがき苦しんでいる。  本書を通じて浮かび上がることは、確かに現実のものとしてほぼわかるものであり、実際に金融の現場にいる自分としても納得いくところ...

 今、金融機関の状況は非常に厳しい。これまでの姿を維持することに腐心しているが、それが本当に難しくなってきたことを実感しているから、もがき苦しんでいる。  本書を通じて浮かび上がることは、確かに現実のものとしてほぼわかるものであり、実際に金融の現場にいる自分としても納得いくところが多い。  「金融」という仕組みの中に入って、そもそも自分は何をしたかったのか、ということをまた考えさせられる一冊だった。  金融業務は情報の仕事である。これほど大量の情報が世に溢れかえる時代となって、情報の非対称性を利益の源泉として金融仲介を行ってきた既存の金融機関にとって、出る幕はますます少なくなってきている。その状況を見つめなおしてみて、本書が言うところの「計測できない世界」であり、“共感”なのだろうと思う。次はどのような“共感”を育んでいくのか、ということになろうか。

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2019/05/05

2019年 2冊目 第1作目では金融政策の変化に伴い、地銀に対するニーズが「健全な財務体質」から「事業性評価と地域貢献」に変化したことに触れ、広島銀行をはじめ優れた経営マインドをもつ金融機関に触れていた。 第3作目となる本作では、もう一歩踏み込み、クラウドファンディングや菱形...

2019年 2冊目 第1作目では金融政策の変化に伴い、地銀に対するニーズが「健全な財務体質」から「事業性評価と地域貢献」に変化したことに触れ、広島銀行をはじめ優れた経営マインドをもつ金融機関に触れていた。 第3作目となる本作では、もう一歩踏み込み、クラウドファンディングや菱形のリレーション構築等、具体的な事例について触れられており、リレーションシップモデルの銀行に関する理解がより深まったと思う。 同時に金融庁を慮った既存の経営体質を維持することで、現場の若手が離脱していくワーストイグザンプルにも触れられており、金融業界のものとしては少し耳が痛い内容であった。

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2019/04/30

序章 計測できない世界 第1章 金融革命とポスト森金融行政 第2章 20年の金融ルールが変わる 第3章 「共感」と金融 第4章 さよなら銀行 終章 「計測できない世界」にどう対処するのか 著者:橋本卓典(1975-、東京都、ジャーナリスト)

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2019/04/07

今の銀行に対して危機感を抱かせてくれる良書。 計測できない世界にこそ本質的なものがあるのに銀行は計測できる世界にしようとする。 フィデューシャリーや事業性評価をノルマ目標にしたりするのは最たるもの。 普通の何も考えない人が最も危険で、悪のスイッチを押されて盲目的に顧客の利益を...

今の銀行に対して危機感を抱かせてくれる良書。 計測できない世界にこそ本質的なものがあるのに銀行は計測できる世界にしようとする。 フィデューシャリーや事業性評価をノルマ目標にしたりするのは最たるもの。 普通の何も考えない人が最も危険で、悪のスイッチを押されて盲目的に顧客の利益を喪失させていく。 顧客の犠牲に成り立つ利益を追求するしかなくなる。 こういう時代にこそ、本質的な顧客本位とリレーションシップバンキングを進める必要ある。

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