炯眼に候 の商品レビュー
信長の周囲の人のお話から信長を語る連作短編集。 やっぱり木下昌輝はすごいや。歴史小説はあんまり興味のなかった私ですら確かにこの辺謎だわーって思ってたことを、こんなことあったかも!って思わせるし、読みやすいし登場人物達が生き生きしてるし。 最後の話で綺麗にまとまって落ち着いた先も凄...
信長の周囲の人のお話から信長を語る連作短編集。 やっぱり木下昌輝はすごいや。歴史小説はあんまり興味のなかった私ですら確かにこの辺謎だわーって思ってたことを、こんなことあったかも!って思わせるし、読みやすいし登場人物達が生き生きしてるし。 最後の話で綺麗にまとまって落ち着いた先も凄かった。 解説の天野さんも書かれてるけど、手垢の着いた信長をここまですごい。 信長かっこいいです。 しかしこの信長ですら明智の謀反は読めなかったのね…この信長なら察知してそうな感じすらしてしまう笑
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2021年末の大掃除で発掘した本です、この本は2021年の間に読む本の様ですね。読みかけになっていたために、評価は「★一つ」にしております。内容が不満足だったわけではありません。 2021年12月29日作成
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史書の記述をもとに独自の解釈で織田信長を描いた連作短編集。彼が登場する場面は少ないが、恐ろしいまでに先を見通す存在感がすごい。 戦国時代に関しては高校の歴史で習ったくらいの知識しかないが、それでも十分面白かった。 毛利水軍を迎え撃つ鉄船の話「鉄船」、明智光秀視点で長篠の戦いを描い...
史書の記述をもとに独自の解釈で織田信長を描いた連作短編集。彼が登場する場面は少ないが、恐ろしいまでに先を見通す存在感がすごい。 戦国時代に関しては高校の歴史で習ったくらいの知識しかないが、それでも十分面白かった。 毛利水軍を迎え撃つ鉄船の話「鉄船」、明智光秀視点で長篠の戦いを描いた「鉄砲」、そしてラストの本能寺の変「首級」がベスト。
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信長家臣太田牛一の著した『信長公記』の一節を手掛かりに、著者の想像力と創造力で信長の「炯眼」を描き出した連作短編集。 どこまでが史実で、どこからがフィクションなのか、考えるのも楽しい。 「運ハ天二在リ、死ハ定メ」と兜に前立をつけた武者、合戦で奪った大将首で左右される手柄、鉄砲の威...
信長家臣太田牛一の著した『信長公記』の一節を手掛かりに、著者の想像力と創造力で信長の「炯眼」を描き出した連作短編集。 どこまでが史実で、どこからがフィクションなのか、考えるのも楽しい。 「運ハ天二在リ、死ハ定メ」と兜に前立をつけた武者、合戦で奪った大将首で左右される手柄、鉄砲の威力を知らしめる秘策等々、信長の近辺の人物の動向を描写することにより、信長の炯眼を表出させる。 最終章『首級』では、黒人奴隷を主役に本能寺の変を語り、信長の首の謎を解き明かしている。 光秀の謀反も、彼が信長に仕える前からの宿願と捉えていて、「本能寺の変」の新しい解釈かと。 信長については、つい最近、垣根涼介著『信長の原理』を読んだばかりだが、宮本昌孝著の文庫本も刊行されたようなので、読み比べてみよう。
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炯眼に候。 織田信長って帯にでかでかと書いてあるが、 周辺から見た織田信長という感じ。 だから面白いのか。 歴史は全然詳しくないが、 そんな私でも楽しめた。 水鏡はいまいちぴんとこなかったが、 偽首あたりでかなり面白くなり、 そこからはほとんど一気読みだ。 今週は仕事上で...
炯眼に候。 織田信長って帯にでかでかと書いてあるが、 周辺から見た織田信長という感じ。 だから面白いのか。 歴史は全然詳しくないが、 そんな私でも楽しめた。 水鏡はいまいちぴんとこなかったが、 偽首あたりでかなり面白くなり、 そこからはほとんど一気読みだ。 今週は仕事上でいろいろ立て込んでいたこともあり 読書タイムが決して多かったわけではない。 その中で、この本を読むことが かなり癒しタイムになった。 感謝。 信長の首のありかは諸説あるようだが、 この切り口はまた斬新で、 前後の話と整合性をとれるように してあるのもさすがだなあ。 自分の歴史に対する浅はかな知識のために この本のよさを充分に語れないのが残念。
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家臣等身近な人物による「織田信長像」をまとめた連作短編集。 炯眼=物事をはっきりと見抜く力、鋭い眼力のある信長。 確かにこれ程世の行く末を見極めた武将はなかなかいない。 炯眼によりテッペンまであと少しの所まで登り詰め、家来からの信頼も厚かった信長。 けれど一方で、炯眼であったが故に敵も多かったこともまた事実。 男の嫉妬は表に出しづらいため、知らず知らずの内に根深くなっていくものだ、と改めて知る。 あの時代であると吐き出す場もなかっただろう。 男達の悲哀…普段強がっているだけに一層哀れに思う。 けれどラストの描き方はしてやったり、とちょっといい気分。 未だに謎めいた信長の最期も、こういう結末だといいのだけれど。 『弾丸』『首級』が良かった。
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これぞ、木下昌輝の真骨頂。 読み進める度に震えが止まらなくなる。 『敵の名は、宮本武蔵』と同じように、織田信長を周囲の者たちの目線で描く。 『宇喜多の捨て嫁』を初めて読んだときのような高揚感。 木下昌輝が新たな名作を生み出した。
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信長礼讚!とは少し異なるように感じた。 さまざまな状況で現れる信長が、印象深い言動を周囲の心に刻んでいく。 耳にしたことのあるエピソードの裏に、こんなドラマが? おもわず声を上げたり、文字どおり息をのんだり。 いちばんの衝撃は、最後の『首級』。 必読!
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信長の洞察力からの判断で数々の困難に打ち勝ち登り詰める短編集、色々な逸話は実は物事を測る炯眼にて起こるべく起こったとの内容。天気を読み数々の鉄砲での戦果を挙げた裏には、今も低気圧が近くなると身体の節々が痛くなる病癖を利用したとの真実性がある内容で面白く読めた。
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「宇喜多の捨て嫁」でファンになった木下さんの作品。 仏罰すら恐れない信長にまつわる、様々なエピソードを木下流に合理的に読み解くとこうなる、という連作集。 己の姿が映らねば三年以内に死ぬという言い伝えのある井戸の水鏡 今川義元の首を巡る、服部兄弟と毛利兄弟の争い 信長を狙撃した罪...
「宇喜多の捨て嫁」でファンになった木下さんの作品。 仏罰すら恐れない信長にまつわる、様々なエピソードを木下流に合理的に読み解くとこうなる、という連作集。 己の姿が映らねば三年以内に死ぬという言い伝えのある井戸の水鏡 今川義元の首を巡る、服部兄弟と毛利兄弟の争い 信長を狙撃した罪で自らは惨殺されたものの、なぜか妻子は許されたその理由 ”呪われた一族”である山中の猿を軍師にまで重用した信長の思惑とは 浮くはずのない鉄甲船を海戦で使う木下藤吉郎の秘策とは 武田軍を次々と撃破した鉄砲運用の仕方 そして信長最大の謎、本能寺の変で消えた信長の首級の行方 当時の人々からすれば不思議であったり、この世の理とは離れた、それこそ宗教的神秘的なものと思われるような事柄であっても、或いはとても人間業では成し遂げられないという事柄であっても、信長の『炯眼』にかかってはこの通り、見事その真相を解き明かし、その先を読むことが出来るという内容。 現代の観点からすれば素人でも納得出来る内容だけに興味深い。ただところどころ強引な理由づけかなと思われるものもある。それもご愛嬌というところか。 特に山中の猿の能力を把握した上での戦い方、信長のいくつかの戦で無謀とも言えるやり方が成功したのは、実はこういうことがあったのかもとも思える。 仏罰神罰など恐れない、己の目で見て確かめたものでなければ信じない、合理的な信長の『炯眼』は確かに素晴らしいけれど、『天下布武のためならば命を種銭にすることも厭わない』というその徹底した論理が早すぎる死を呼び込んだのかも知れない。
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