ロマンスの辞典 の商品レビュー

望月竜馬(著者),ジュリエット・スミス

2024/10/02

ロマンチックに魂を売った者としては、おそらく必読の書。
505個の言葉が「あまーーーーい！！」と叫びたくなるような、気障な言い回しと解釈でもって収録されている。
対極にいる存在のリアリストという言葉でさえ、ロマンチストの手にかかればこの通り。当事者にとって世界はほんとうにそのように見えており、それこそ森羅万象にロマンスは宿っているんである。

〈幼馴染み〉恋愛の始発列車の同乗者。
〈片思い〉恋の夜明け前。
〈好都合〉雨の日に君が傘を忘れたときのような。
〈栞〉本の恋人。
〈名案〉そうだ、結婚しよう。
〈両思い〉恋の昼下がり。
etc...

私はわりと「嫉妬」「失恋」「絶望」「別れ」のほうに強くロマンスを見出すペシミストでもあるけれど、本書は恋や愛情や希望はもちろんのこと、そうしたネガティブな事柄でさえも"好きでたまらない"をスタート地点に、全肯定してくる振り切れた感じがあって、その清々しさが魅力だなと思った。
おかけで、これまでのたくさんの恋や、それにまつわる感情や景色を思い出しながら読むことができた。ロマンスに浸りたくなったときにはきっとまた手に取ろう。

想定も内容も素敵なので、自分へのプレゼントにも、だれかへのプレゼントにも最適な本だと思う。
ジュリエット・スミスさんによるイラストや挿画がとにかくお洒落で、醸しだされる世界観が大好き。
つい先日、運良く個展に足を運べる機会があってとてもうれしかった。小さいころ大好きだった英米文学に触れているような、なつかしさとワクワクが満ちてくる気持ちになる。

2024/07/17

結構前に、一目惚れして購入した1冊。
思わず「あまーい！」って言いたくなる辞典である。
ジュリエット・スミスさんのイラストも、とっても可愛くて素敵でした。
「裾」や「栞」がすごく好きでした！

2022/11/27

☆赤提灯　心の傷を酒で消毒してくれる、大人のための病院に掲げられた赤十字。
☆学校　努力や友情、恋や挫折を経験できる思春期の社交場
☆喫煙者　寿命を削ってダンディズムを守る都会の蛍。近年生息地は激減している。
☆裾　相手を引き止めるために作られたシャツの余白部分。指先でそっと摘むように引いて使う。

2022/09/19

ほんとにほんとにほんとに大好き！！！
言葉選びが好き。なんでこんな表現できるの？？？
もう何周もした。見た目も好き。全部好き。ベットに飾って寝る前にたまに読むと、毎回物事の捉え方とその言い換えの仕方に感動。

2021/12/16

人生：君を愛するには短すぎる期間。
　涙：君にもっとも似合わないアクセサリー。
無敵：恋をしているすべての者。
「ロマンス」を切り口に集めた言葉を、著者（職業＝ロマンチスト）の主観で解説した辞典。甘くてもう、おなか一杯･･･でも思わず上手い！とうなずく言葉もあって。風変わりな辞典を読んでみませんか？　　

2021/03/06

「愚痴」を「君の口から時々漏れ聞こえる心のチューニング音」と言い換える考え方には脱帽
ポジティブになれるし、恋愛って楽しいなって思わせてくれる

2021/02/07

「この発想はなかった！」と思った一冊。
はっきり言って、調べものをするには全く役に立たない辞典。
だけどページをめくるたび、くすぐったい気持ちになったり、ほっこりしたり、照れくさかったりと普段感じることのない感覚に襲われる。
ロマンスとは気恥ずかしさの塊だなと思った。

2019/02/11

さっきのレビュー消えちゃった。
望月さんの言葉は、ほんのりと頬にのせるチークみたく、何でもない言葉や他愛もない日常を淡いピンク色に染める。意識すれば、ロマンチックはどこにでも見つけられるんだと思うと、なんだか嬉しい。ドキドキする恋がしたくなる言葉遊び満載の辞典。