吃音 の商品レビュー
吃音については、知ってるようで知らなかった世界が見えてきた。 訓練すれば治ると思っている人が多い世の中。良い傾向になる患者ももちろんいるがそういった傾向がでない患者もいる。ストレスや家庭環境によるところもあるが、脳の成長が芳しくないと出てくることもある吃音という症状。 吃音がある...
吃音については、知ってるようで知らなかった世界が見えてきた。 訓練すれば治ると思っている人が多い世の中。良い傾向になる患者ももちろんいるがそういった傾向がでない患者もいる。ストレスや家庭環境によるところもあるが、脳の成長が芳しくないと出てくることもある吃音という症状。 吃音があるがために、自殺を選んだ人たち、明日の食べるものも心配しなければならないような生活状況の方もいる。そんな人たちを少しでも助けられたらと吃音患者同士で助け合う。私たちができることは、このマイノリティに属している人たちをもっともっと理解してあげること。吃音という症状を理解してあげること。それだけで、吃音患者さんに対して接する対応が今よりずっと向上する。彼らに対してのストレスも軽減できて吃音症状に良好の兆しが見えるかもしれない。本書の中の高橋さんがおっしゃっていた、逃げ続けることは生きずらくすることという一文がでてきて、はっとさせていただきました。自分の向上できるかもしれないという部分から逃げ続けるのではなく、自分を生きやすくするために立ち向かっていく根性がすさまじく心に突き刺さってきた。民主党のジョーバイデンも何を隠そう吃音の持ち主で過去に苦しめられてきた人でもあるため、すごく興味がわいたトピックだった。誰しもが読むべき本だと思う。
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自分にとって吃音は未知のもので、知人にも吃音を抱えている人はいないようだ。それでも度々耳にする「吃音」って実際なんなの?という疑問があり、この本はそれをとてもわかりやすく説明してくれた。 筆者も吃音の当事者だったために実際に当事者の置かれた立場や環境、苦しみや挫折をより深く書けた...
自分にとって吃音は未知のもので、知人にも吃音を抱えている人はいないようだ。それでも度々耳にする「吃音」って実際なんなの?という疑問があり、この本はそれをとてもわかりやすく説明してくれた。 筆者も吃音の当事者だったために実際に当事者の置かれた立場や環境、苦しみや挫折をより深く書けたのだと思う。 あとがきには、吃音当事者の自助会やサポートの会の情報も載っている。吃音当事者の方はもちろん、吃音をよく知らないという方にも、読んでもらいたい本だった。これから吃音を持つ人たちが、より楽に暮らせる世の中になるよう、微力ながら心がけていきたい。
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言語通級担当として読むべきだと勧められ読んだ。私は、吃音のある自分を受け入れ、あるがままを生きられるように自己理解を進め、壁に当たったとき踏ん張れるように、助けを求められるように、一人じゃないって知っていられるようにと思って指導しているけど、それが全てじゃない。もっともっと当事者...
言語通級担当として読むべきだと勧められ読んだ。私は、吃音のある自分を受け入れ、あるがままを生きられるように自己理解を進め、壁に当たったとき踏ん張れるように、助けを求められるように、一人じゃないって知っていられるようにと思って指導しているけど、それが全てじゃない。もっともっと当事者に寄り添った指導や情報提供をしていく必要性を強く感じた。読んで本当に良かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
級長を務めていた中学2年のある日、自分がかけるべき号令の「おはようございます!」の「お」がどうしても言えなかった。それを隣の女の子とくすっと笑われたのをきっかけに、吃音は羽佐田の生活を支配するようになっていく。(p.52) 自由に話すことができず、その瞬間瞬間に絞り出せるわずかな言葉で意思を伝えるしかなかった中で、簡潔に確信を伝える術を彼は自然に身につけたのかもしれなかった。思うように伝えられないからこそ、伝えられる瞬間の貴重さを知っているのだろう。壇上の高橋が発する言葉にはまさに、彼が長年の苦悩の中で培ってきたものと、生きるために新たに手繰り寄せたものの両方が、刻まれていたのだ。(p.96) 異文化の中に身を置き、暮らす日々は、自分自身をいろんな意味で縛り付けていただろう価値観を壊してくれた。また、自らの意思次第で気ままに生きられる環境にいることは、日本でなんとなく感じていた「こうしなければ」という緊張感を遠ざけた。また、他言語圏にいる気楽さもあり、さらには、旅をしながら生きていく自分なりの方法が身についたことによる自信のようなものも、あるいは影響していたのかもしれない。(p.158) 70代で吃音のある男性が、ある日羽佐田竜二の元を訪ねてきた。吃音を治すための訓練をしたいと言ったという。羽佐田は答えた。年齢を考えれば、これからの人生の時間を訓練に使うより、吃音があるままでもご自分のしたいことに使う方がいいのではないですか、と。するとその男性はこう言った。 「残り、時間が……、少ないから、こそ、私は、訓練をしたいんです。死ぬ、までに、どうしても、思うように、話すという経験、を、してみたいの、です」 おそらくこの言葉にこそ、100万人の人たちの思いが詰まっているのではないかと思う。(p.207)
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私も吃音をもっています。現在は寛解しており、気付かれることはほぼありませんが、体調が悪い時には言葉につまることがあります。 本書を読んで、言いたいことがいえなかった幼少期を思い出しました。 友達との会話の中で、気の利いたことをは思いつくのに言葉にできず、情けない日々を送っていまし...
私も吃音をもっています。現在は寛解しており、気付かれることはほぼありませんが、体調が悪い時には言葉につまることがあります。 本書を読んで、言いたいことがいえなかった幼少期を思い出しました。 友達との会話の中で、気の利いたことをは思いつくのに言葉にできず、情けない日々を送っていました。寛解したことで記憶に蓋をし、すっかり忘れていましたが、今の仕事において「わかりやすさ」に注力し、評価してもらっているのは、当時の悔しさをバネにした努力の結果だということに気付きました。 吃音との向き合い方はそれぞれだと思いますが、今の私を形成した重要な「個性」だと思える年月を歩んできました。
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身近に吃音の人がいて、毎回電話が大仕事になっていたり、話がスムーズに進まなかったり、人の言葉にかぶせるように話してその場をしのいで毎日を生きていて、まあとても大変そうだ。慣れていない人は、吃音を聞いたときにサッとその場を離れることもある。 私はその身近な人物以外に吃音持ちの人に...
身近に吃音の人がいて、毎回電話が大仕事になっていたり、話がスムーズに進まなかったり、人の言葉にかぶせるように話してその場をしのいで毎日を生きていて、まあとても大変そうだ。慣れていない人は、吃音を聞いたときにサッとその場を離れることもある。 私はその身近な人物以外に吃音持ちの人に出会ったことがないので、読んでみた。 普通に話すためだけに死ぬほどの努力をしている人がたくさんいる、というのはけっこう胸が締め付けられる。 吃音の原因が未解明のようなので、 治るものではないという現実。 こういう状態に対して、ただ絶望してひきこもるのではなく、いろいろ仲間を作って、社会的地位のある人はそこを使って、フォロー体制をネットワーク化していくのはとても大事だと思う。 孤独にしてはいけない。 みんなが希望を持てますように。
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伝えたいことがうまく伝えられない。 そういう場面がたまにあるので軽い気持ちで本書をとってみた。吃音の定義は、「言葉につまること、すなわちどもること」。が、吃音が自分が思うより本当の当事者にとってはずっと深刻な問題である。 本書によれば、残念ながら、なぜ吃音が起こるのかは、そのメカ...
伝えたいことがうまく伝えられない。 そういう場面がたまにあるので軽い気持ちで本書をとってみた。吃音の定義は、「言葉につまること、すなわちどもること」。が、吃音が自分が思うより本当の当事者にとってはずっと深刻な問題である。 本書によれば、残念ながら、なぜ吃音が起こるのかは、そのメカニズムはわかっていない。数値的に言えば、幼少期の子供の5%の割合で吃音が発症する。そのうち、8割が成長とともに自然に消えるが残りは吃音が残る。すなわち計算上では人口の1%、日本でいえば100万人くらいが吃音を抱えている計算になる。 本書ではその症状を抱える大人が、いかにして現実と闘っているかを書く。疎外感を感じ、時には自死をも選ぶまで追い詰められる吃音。自分はそういった声を今まで知らなかった。
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息子が幼少期酷い吃音がありました。 今年小学生になりましたが不思議な事にあれ程心配していた吃音の波がなくなり、現在はスラスラと話しています。 思い当たるのは年長の時の劇で主役を演じ人前で話すことに自信がついたのかな?という事くらい。 (本番でもペラペラで全くどもりませんでした。)...
息子が幼少期酷い吃音がありました。 今年小学生になりましたが不思議な事にあれ程心配していた吃音の波がなくなり、現在はスラスラと話しています。 思い当たるのは年長の時の劇で主役を演じ人前で話すことに自信がついたのかな?という事くらい。 (本番でもペラペラで全くどもりませんでした。) 完全に治ったのか??? まだわかりません。 今後吃音が出て、不登校やいじめに繋がらないか… そんな心配がよぎる事もあります。 この本にも読んでて辛い場面がいくつかありました。 よくわからない吃音を少しでも理解したくて手に取りましたが、やはりよくわからずじまいでした。 まだまだ未知の分野なので、近い未来研究が進み吃音が治る!と胸を張って言えるそんな世の中になれば良いな。
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6/12 TVめざましテレビで尾崎世界観さん紹介 言葉にならないものでも伝えるべきことはある―話題の一冊です。
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抑制の効いた文章が素晴らしい。 これを読んで、吃音というものがなんなのか、やはりよくわからない。わからないものだということがわかるだけだ。 ただそのよくわからないものが、人をどのように苦しめて、人はどのように乗り越えようと足掻くのか、そこにこの本の面白さがあった。 後半で出てくる...
抑制の効いた文章が素晴らしい。 これを読んで、吃音というものがなんなのか、やはりよくわからない。わからないものだということがわかるだけだ。 ただそのよくわからないものが、人をどのように苦しめて、人はどのように乗り越えようと足掻くのか、そこにこの本の面白さがあった。 後半で出てくる、横隔膜の話、その話がどうなっていくのか知りたい。
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