モンスターマザー の商品レビュー
学校側当事者たちのの毅然とした態度は、 もしも週刊誌やTVワイドショー(の第一報)だけが 情報源だったら開き直り、逆切れ、隠ぺい(の団結) を感じてしまうかもしれない。 この自殺について母親の主張やその弁護士の主張は、 ある立場からすると正しいのかもしれないし、 一方当事者が発信...
学校側当事者たちのの毅然とした態度は、 もしも週刊誌やTVワイドショー(の第一報)だけが 情報源だったら開き直り、逆切れ、隠ぺい(の団結) を感じてしまうかもしれない。 この自殺について母親の主張やその弁護士の主張は、 ある立場からすると正しいのかもしれないし、 一方当事者が発信してそれしか知らないと、 それが真実であるように思える。 そこには認めさせない・妨げる見えない圧力、 地域・社会の閉塞、団結があるのではないか、 知られざる隠された・裏の世界があるのではないか と疑ってしまう。 でも、毅然とした態度には理由があるでは、と 報道に接して一瞬して感じた正義を、 疑う必要がある様だ。 疑うべきは流されている情報ではなく、流したものが信じるに足るものかどうかではないのか と思わされる内容。 この事件ではなく、それ以外の日常生活のあまりにも自分本位な主張に現れているようだ。 そんななかに親を選ぶことはできず、 そんな親のもとに生れ落ちても、 親への愛、こわれた親と社会をつなぐ使命 を感じて・背負って、ギリギリまで自分の家族を のぞむ世界にとどまらせるよう従い、 結果として自らの命を犠牲として、 魂を解き放った子供の悲しさ。 それを自らの世界の正当性を証明するために 利用したように思える親、それを支えた人々の 自分本位の清廉さと、我々が感じる毒々しさ。
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2005年長野県の丸子実業高校バレーボール部に所属する高校生が自殺する事件がありました。その原因をめぐり、生徒の母親と学校側(校長、担任、部顧問他)、教育委員会、バレーボール部員の保護者間で訴訟が繰り広げられたのですが、その経緯を追ったノンフィクションです。 本書によれば、自殺に...
2005年長野県の丸子実業高校バレーボール部に所属する高校生が自殺する事件がありました。その原因をめぐり、生徒の母親と学校側(校長、担任、部顧問他)、教育委員会、バレーボール部員の保護者間で訴訟が繰り広げられたのですが、その経緯を追ったノンフィクションです。 本書によれば、自殺に先立つ生徒の不登校に対しては学校側、教育委員会ともに懸命にこの生徒が登校できるように配慮していますし、バレーボール部の部員達も生徒の登校をずっと待ち望んでいたのです。生徒の母親は「いじめが原因だ」と一貫して主張していますが、学校関係者や部関係者の誰にヒアリンをしても「いじめ」と判断されるような事実はなく、自殺した生徒自身は一貫して学校に行きたがっていたというのが実情で、学校と生徒との間に強大な壁として母親が君臨していたというのが真実でした。 生徒の母親の異常とも思える言動に翻弄される関係者の様子。校長は母親からの殺人罪の刑事告訴の事実を知った時、「一体どうして、こうなるんだ…」と茫然自失となり、いじめの加害者として名前を挙げられた生徒は「えっ?俺?何で…」と信じられない気持ちになったと描写されています。生徒を救おうと親身になって懸命になった人ほど、理不尽な避難を母親から浴びせられるという状況になっていました。 この事件は母親側と学校側やバレーボール部の保護者間で複数の訴訟が入り乱れ、最終的に母親側の全面敗訴が決定しました。 しかし、「いじめ→学校側が悪い」との思い込みから、マスコミには相当偏った報道をされ、それに乗じて多数の抗議電話が殺到した結果、学校関係者が精神的にかなり追い詰められたり、何よりも何の罪もないバレーボール部の部員達が目標としていた大会に出場できなかったりと、深い傷を残す結果となりました。 本書前半は母親が学校関係者に理不尽な言いがかりをつけて事態が混乱する様子が、後半は訴訟の進展に伴う状況が詳細に描写されています。自分がもしもこの母親の攻撃の対象となる立場だったらと思いつつ読んでいると、本当に恐ろしいというか、薄気味悪い気がしました。 真摯に対応しようとする学校関係者の労力が、この様な人物への対応に浪費される状況がないように祈るばかりです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
怖い怖い。第三者が家庭のことに立ち入る難しさをひしひしと感じる。こんな保護者に対応してたら、まともな先生はすぐ疲弊してしまうわ…。 結論的に母親の方に問題があったというのはその通りだと思うけど、この母親、ちょうど先日読んだ『隣のサイコパス』に紹介されてるような、いわゆるサイコパスのように思われる。こんな母親の下で自殺をするまで追い詰められた子の気持ちを考えると心が痛いけど、こういうサイコパスな親には、精神科医などを交えて対応できるようにしないと何の解決にもならない気がする。
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何年か前に読んで衝撃を受けた「でっちあげ」が、書店店頭にずらりと並んでいて・・・新刊でもないのに、なぜ今頃?今更ながらドキュメンタリー番組でも作られるか、それをモデルに映画化でもされるとか? ・・・・と訝しんでみたところ、すぐ隣に本書が平積みされているのを見つけた。 (なるほど...
何年か前に読んで衝撃を受けた「でっちあげ」が、書店店頭にずらりと並んでいて・・・新刊でもないのに、なぜ今頃?今更ながらドキュメンタリー番組でも作られるか、それをモデルに映画化でもされるとか? ・・・・と訝しんでみたところ、すぐ隣に本書が平積みされているのを見つけた。 (なるほど、著者の新作が文庫化されたのを機にした増刷キャンペーンか) ということで、即、購入。 同時進行でのんびりと2冊の小説を読んでいる最中だったにも関わらず、それら読みかけの2冊を脇に追いやっての一気読み。 その名の通り「モンスター」な母親の為してきた所業の数々と、それに敢然と立ち向かった学校関係者、弁護士、そして亡くなった少年の友人たちの闘いの軌跡。 前半は、読んでいて気分が悪くなってきた。いったいなんなんだろう、あの母親は…。 そして、彼女に加担した某弁護士さん。 事件(?)発端当初の周囲の誠意が全く通じない。 言葉が届かない。 会話にならない。 まるで、同じ日本人、いや同じ人類ではない何者かであるとしか思えない。まさしくモンスター(怪物)。 あんな人物がもし身近にいたと想像したら・・・・恐怖でしかない。 次第に明かされてゆく(おそらくは)真実。 そんな親の下で生活してきた少年の心情を慮ると、哀しすぎる。。。 裁判で潔白を証明された人々には、法的には無実であっても6~7年間にわたり蒙った心労と裁判費用、ずたぼろに傷つけられた名誉と自尊心、という現実が残る。 少年時代にニュース報道で目にした記憶がうっすらと残るこの事件の真相がこのように壮絶なものであっただなんて、思いもしなかった。 こういう裁判の判決が下った時にこそ、「あの事件の真相は、実はこうだた」という内容の報道がセンセーショナルに展開されるべきだと思う。 それこそが、人権に考慮した報道といえるのでは? 丸子実業の先生たちやバレー部保護者達に多分に感情移入した語り口となっている文章は、、、、それでも!! 母親の所業やら自殺事案発生当初及び裁判過程、判決後のメディアの報道姿勢と照らせば、プラスマイナスしてもプラスが残る位の公平さは保っているかと。 報道の在り方、メディアを利用し情報を受け取る側のリテラシーなど、少年の自殺を取り巻く騒動以外にもたくさんの問題提起を含んだ本書は、一人でも多くの人に読まれるべきだと思う。 ★5つ、10ポイント。 2019.02.21.新。 ※本に書かれているだけでなく、実生活のあちこちであれだけの「モンスター」ぶりを隠し切れないあの母親が、少なくともその年齢まで通常に社会生活を送ってこられていることが、不思議。 職場の人間は、誰も本性を見抜けないのか? 事業主は、採用を見送ったり解雇したりはできないのか? ※そんな人間が3度の離婚。 裏を返せば、3度結婚しているということ。3度も結婚できる程の魅力が、どこにあるのか? ※あの母親の下で育てられ、あの騒動の渦中で青春を過ごした次男は、まともな大人になれているのか? (未成年にして家庭内で堂々と喫煙。ほか、何をしても母親は彼を叱らない、という記述あり) 彼も今頃は30歳目前のいい大人のはず。。。。 怖い。 ※最終章。遺書の平仮名の読み方に関するくだりは…著者の予断とも、言えなくもないが・・・・・・・・・。でも、第三者も同じような証言をしていることを考えると、そうでもないのかも…。 ※同じく最終章。 少年の自殺の第一報を報じた記者への取材申し込みの経緯と、息子の自死を発見する直前に送信されたメールの文面とを関連させた記述の仕方・・・・。 もしかして? もしかして?? もしかして??? はっきりと書かれてはいないが、それらのことから福田さんが考えたのであろう“真実”を想像すると、鳥肌が立つ。
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HONZだったか、本の雑誌のランキングだったか、そのあたりからピックアップしたもの。今回の文庫化に伴い入手。内容はタイトルからうかがい知れるようなものだけど、まあ胸糞悪いこと。一番感心したのは、さすがエリートバレー部のメンバーっていうか、年頃の高校生が、奇天烈おばさんに対して、声...
HONZだったか、本の雑誌のランキングだったか、そのあたりからピックアップしたもの。今回の文庫化に伴い入手。内容はタイトルからうかがい知れるようなものだけど、まあ胸糞悪いこと。一番感心したのは、さすがエリートバレー部のメンバーっていうか、年頃の高校生が、奇天烈おばさんに対して、声を荒げたり、何なら直接的報復に打って出なかったこと。ここまでいくと本物の化け物だけど、おそらく相手を見て、反撃には合わないだろうっていう確信のもと、安全圏からの物言いが堪らなく不快。最終的に、当然というか、まあ妥当な判決を見たとはいえ、そのために失われた時間や気持ちは戻ってこない。不運だったと嘆くしかない現状。まともな人にとって、こんな人災とは出会わないことを願うしかないのでしょうか。色々と考えさせられる不条理。
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不登校の男子高校生が久々の登校を目前にして自殺する事件が発生した。かねてから学校の責任を異常ともいえる執念で追及していた母親は、校長を殺人罪で刑事告訴する。弁護士、県会議員、マスコミも加わっての執拗な攻勢を前に、崩壊寸前まで追い込まれる高校側。だが教師たちは真実を求め、反撃に転じ...
不登校の男子高校生が久々の登校を目前にして自殺する事件が発生した。かねてから学校の責任を異常ともいえる執念で追及していた母親は、校長を殺人罪で刑事告訴する。弁護士、県会議員、マスコミも加わっての執拗な攻勢を前に、崩壊寸前まで追い込まれる高校側。だが教師たちは真実を求め、反撃に転じる。そして裁判で次々明らかになる驚愕の真実。恐怖の隣人を描いた戦慄のノンフィクション。 「でっちあげ」もひどい内容だったが、こちらはもっと恐ろしい。学校も教育委員会も、さほどミスはしていないのに。
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