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蠕動で渉れ、汚泥の川を の商品レビュー

3.7

17件のお客様レビュー

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2022/01/22

私のブログ http://blog.livedoor.jp/funky_intelligence/archives/1994808.html から転載しています。 西村賢太作品の時系列はこちらをご覧ください。 http://blog.livedoor.jp/funky_inte...

私のブログ http://blog.livedoor.jp/funky_intelligence/archives/1994808.html から転載しています。 西村賢太作品の時系列はこちらをご覧ください。 http://blog.livedoor.jp/funky_intelligence/archives/1998219.html 本作品は、貫多が横浜の造園会社に勤務する前に東京で勤務した洋食店「自芳軒」での話。先輩や上司への毒付きあり、岡惚れあり、犯罪すれすれの行為ありと、安定の貫多が楽しめる。 かつての私(私も飲食店でのアルバイト経験が複数あり、似たようなことをしたり、思ったりした)と被ることもあり、その共感が西村賢太作品の面白さなのだろう。 二度目の感想 http://blog.livedoor.jp/funky_intelligence/archives/2007344.html 寛多が洋食屋で住込バイトする話。これも非常に中毒性のある作品。20代まで飲食店でアルバイトしていた経験のある私には特に堪らない。特にオーナーとの微妙な関係が絶妙。そしてオーナーの妻も。こういう奴たくさんいたなぁ、何て懐かしさを思い興させてくれる作品である。もっと多くの人に読まれるべき作品だと思う。

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2021/03/02

びっくりするぐらい非モテダメ男の青春奮闘記 「彼は見た目は野良犬ながらも 、その根は余りにも貴族気質にでき過ぎてしまっていた 。そしてまた 、見た目は若きお菰風ながらも 、その根は余りにも坊っちゃん気質にでき過ぎてしまっていた 。」という文から伺えるように、主人公はとにかくプラ...

びっくりするぐらい非モテダメ男の青春奮闘記 「彼は見た目は野良犬ながらも 、その根は余りにも貴族気質にでき過ぎてしまっていた 。そしてまた 、見た目は若きお菰風ながらも 、その根は余りにも坊っちゃん気質にでき過ぎてしまっていた 。」という文から伺えるように、主人公はとにかくプライドが高くて、被害者意識の塊。バイト先の人間とか割とふらっとに見ているはずなのに、自分は馬鹿にされてる、疎まれてると思い込み暴虐な限りを尽くす。もう少し自己肯定感が高くて、他者に歩みよれば普通の関係性を築けるのにと思いながら読み進めていた。 でも、こういう北町貫多的な卑屈性は自分の中にも心辺りあるなと思い、深淵を覗いてると思ったら、自分の深淵の部分を見つめ直していた。 「確かに自分は 〈青春の落伍者 〉にはなりつつあるが 、しかしながら 、まだ 〈人生の落伍者 〉には至っていないのだ 。」という文がまた心に染みる。

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2020/12/19

自分がいい奴でも悪い奴でも 自分からは逃げられない。 日記が続かない理由は、破くから。 嫌な思い出は全部破って捨てる。 記憶に重石を置いて、忘れるまで置いておく。 腐った記憶がドロドロになってやっと燃やせる。

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2019/11/23

『苦役列車』以来、西村作品二作目。『苦役〜』より前の17歳の貫多が主人公。この頃からもう既に貫多でしたw どうしようもないこの感じがとても良いです。アキコさん?だったか、噂の彼女が出てくる作品が読みたいですね(^^ まあ、この調子だとあまり変わらなそうですが…彼は。

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2019/04/29

17歳の自分勝手な青年の話。気分を害す思考が多く、読んでいて不快に思う。クズな主人公を読みたい方はぜひ!

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2019/03/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ざっくりと言えば、17歳の貫太が洋食屋でアルバイトを始め、住み込みになり希望を抱くが、辞める、というだけの話。 終盤に至って気づくが、そういえば彼はまだ文学に開眼していないのだ。 探偵小説などを読んではいるが、田中英光の名前が出てこないあたり、そうらしい。 著者には「小説にすがりつきたい夜もある」という芯を食ったエッセイ集があるが、 少年貫太は「すがりつきたい気持ち」だけがあって「何にすがりつけばいいのか」がわかっていないのだ。まだ。 すがりつきたいものがわかっているだけ幸せともいえる。 それにしても書いているものは同じ。 とはいえ長いぶん、溜まりに溜まった鬱憤を晴らそうとする終盤の畳みかけるような罵詈雑言は、しびれるくらい面白い。

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2019/01/26

こんな青春も、存在する―。17歳。中卒。日雇い。人品、性格に難あり。しかし北町貫多は今日も生きる―。無気力、無目的に流浪の日々を送っていた貫多は、下町の洋食屋に住み込みで働き始めた。案外の居心地の良さに、このまま料理人の道を目指す思いも芽生えるが、やがて持ち前の無軌道な性格から、...

こんな青春も、存在する―。17歳。中卒。日雇い。人品、性格に難あり。しかし北町貫多は今日も生きる―。無気力、無目的に流浪の日々を送っていた貫多は、下町の洋食屋に住み込みで働き始めた。案外の居心地の良さに、このまま料理人の道を目指す思いも芽生えるが、やがて持ち前の無軌道な性格から、自らその希望を潰す行為に奔りだす―。善だの悪だのを超越した、負の青春の肖像。渾身の長篇私小説! 痛い、痛すぎる。でも読んでしまう。

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