承久の乱 の商品レビュー
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純粋に面白かったです。 ただ、やはり歴史書を唄うのであれば、史料と索引は必要かな。 あと初心者向けなら、年表をまとめて、家系図があればよかったんですが。
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テレビによく登場される本郷先生の本はこれまで読んだことなかったのだが、2021年は「承久の乱」からちょうど800年。再来年の大河ドラマも三谷幸喜脚本の『鎌倉殿の13人』が決定ということで、読んでみた。 武士の時代の本格的幕開けを告げる画期となった「承久の乱」だが、普通はあまり注...
テレビによく登場される本郷先生の本はこれまで読んだことなかったのだが、2021年は「承久の乱」からちょうど800年。再来年の大河ドラマも三谷幸喜脚本の『鎌倉殿の13人』が決定ということで、読んでみた。 武士の時代の本格的幕開けを告げる画期となった「承久の乱」だが、普通はあまり注目されない事件。後鳥羽上皇が鎌倉幕府を倒そうと挙兵。北条政子が鎌倉武士たちに檄を飛ばすシーンが何となく頭に浮かぶ程度であった。 本書はそのあまり馴染みのない「承久の乱」について、「東国国家論」(佐藤進一)説に近い立場から、「在地領主 vs.朝廷支配」の構図から明快に解説している。語り口は平易でありながら、重要なポイントはきちんと押さえられている印象。 たとえば、著者は「鎌倉幕府」なるものは存在しなかったと言い切る。あったのは、「源頼朝とその仲間たち」や「北条義時とその仲間たち」といった存在。その中における闘争で勝ち残ったのが、北条義時であった。 ほかにも謎の多い源実朝が暗殺された理由も説得的な説明であったし、後鳥羽上皇が文武に秀でて経済力があったにもかかわらず、完敗した理由もよくわかったように思う。 著者は日本社会は、「地位より人」が日本の歴史を貫徹する原理だという(99ページ)。とくにこの時期は院政というルールにない権力が重要な時代。この点の指摘は重要だと思われる。 国家構想については、後鳥羽上皇の「権威のピラミッド」vs.北条義時の「対面型主従関係」の対立に収斂し、その後、ながく日本史を規定していく。明治時代には「王政復古」となるわけであるが、幕末の朝幕関係から明治期の天皇主権時代への変化も、承久の乱あたりから考えてみるのも面白いかもしれない。 取りあえず、次は中公新書の坂井孝一『承久の乱』を読もうかと思う。
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個人的には、この「承久の乱(自分は「変」と習った世代w)」と「応仁の乱」の二つが、誰でもその名称を知っているのに、どんなことが起きたのか、具体的なことはほとんどの人が説明できない日本史の二大事件だと思っている。 「壬申の乱」もそれに近いのかなーと思うのだけれど、古代史はあまり興味...
個人的には、この「承久の乱(自分は「変」と習った世代w)」と「応仁の乱」の二つが、誰でもその名称を知っているのに、どんなことが起きたのか、具体的なことはほとんどの人が説明できない日本史の二大事件だと思っている。 「壬申の乱」もそれに近いのかなーと思うのだけれど、古代史はあまり興味ないのでとりあえずそれはいいw ただ、こうして「承久の乱」として書かれた本を読んでみると、「承久の乱」って、「乱」そのものは(歴史的な影響は別として)そんな大きな事件でもなく、また、それこそ「応仁の乱」のような複雑な話でもなかったんだなーと。 というのも、これは別に自慢でもなんでもなく、正直な感想なのだが、この本に書かれていたことって、ほぼ知っていたのだ。 もちろん、乱に直接関わったのが、推定で鎌倉側が1万数千騎。朝廷側が1700騎みたいな細かいことや、朝廷側の兵は、守護が大番役として都の警護させていた者たちだけだった(著者の推測)みたいなことまでは知らない。 でも、「瀬田の戦い」で朝廷側が橋の板を外しちゃったこととか、「宇治川の戦い」での北条泰時と家臣の会話とか。 あと、「承久の乱」のクライマックスともいうべき、北条政子が御家人を前に演説する場面って、実は安達景盛を通してだったとかも、この本を読んでみれば、「あー、そうそう。そうだったよね」みたいな。 いや、それが安達景盛という人だったとまではおぼえてなかったけどw それは、「乱」以前の、鎌倉幕府をめぐる様々な出来事や内幕についても同じで。 読みながら、この辺は結構知ってたなーという感じだったんだけど、なんだろう? ずいぶん前に『逆説の日本史』の鎌倉幕府編を読んだ時、あまりに面白くて、鎌倉時代の歴史ついて書かれた本を2冊くらい読んだから、その記憶なのかな? ていうか、大河ドラマの「草燃える」は子供の頃見ていたから、その記憶もあるんだろう。 「草燃える」は凄惨な話のオンパレードで(だって、鎌倉時代だw)、子供心にもウンザリなドラマだったけど、この本を読んでみると、意外と史実に沿っていた(この本とそんなに違和感がないという意味で)んだなーと、今さら感心した。 (ま、「草燃える」は娯楽目的のドラマだから、北条政子は御家人たちを前に直接演説ぶってたけどw) そういう意味じゃ、昔の大河ドラマって、今みたいに視聴率至上でつくられてないせいなのか、視聴者に媚びた部分が少なくてよかったなぁー。 ……と、この前に読んだ『関ケ原合戦は「作り話」だったのか』と比べて、やけに感想が少ないのだがw、それはこの本が面白くなかったということではなく、読んで納得してしまったからということが大きいと思う。 いや、だからって『関ケ原合戦は「作り話」だったのか』は納得しなかったというわけでは全然ないのだがw、そこは一般読者が読む「新書」なんだから。一般読者にちょっとは媚びて書いてよ、と思うのだ(爆) (ま、大河ドラマの方は、視聴者に媚びない方が面白くなると思うけどねw) 著者は、あとがきで「ちゃんとした日本史の本を出すことはなかなか難しい」云々と書いているが、そういう意味では、教科書のように出来事がこま切れで出てくるのでなく、流れと因果関係がわかるようになって、よかったと思う。 ただ、それは「承久の乱」だったから、という面もあるような気もしないでもないでもない…、のかな?(爆) 冗談はともかく、鎌倉時代は無茶苦茶面白いのに、そのくせあまり詳しくは知らなかったりするので、また次を期待!
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日本史のターニングポイントとなる承久の乱について鎌倉時代研究の第一人者が読み解く。なぜ北条義時は後鳥羽上皇に勝てたのか。その勝因をあえて一言で言うならば、組織原理の差だったと著者は語る。中央の権威から、在地領主すなわち現場に根ざした力と組織への歴史的パワーシフトだった―とも。詳細...
日本史のターニングポイントとなる承久の乱について鎌倉時代研究の第一人者が読み解く。なぜ北条義時は後鳥羽上皇に勝てたのか。その勝因をあえて一言で言うならば、組織原理の差だったと著者は語る。中央の権威から、在地領主すなわち現場に根ざした力と組織への歴史的パワーシフトだった―とも。詳細→ http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou28103.html
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藤原氏は鎌足・不比等の活躍のあと長い歳月をかけてライバルを失脚させ権力の座を不動のものにしました。これもえげつないと思いますが、鎌倉幕府において北条氏(時政・義時)がしてきたことの方がえげつない。短期間でライバルを根絶やしにして天皇家も屈服させて、権力を奪取します。土地の完全収奪...
藤原氏は鎌足・不比等の活躍のあと長い歳月をかけてライバルを失脚させ権力の座を不動のものにしました。これもえげつないと思いますが、鎌倉幕府において北条氏(時政・義時)がしてきたことの方がえげつない。短期間でライバルを根絶やしにして天皇家も屈服させて、権力を奪取します。土地の完全収奪を目指す殲滅戦を生き抜いてきた北条氏が相手では、いかに文武に秀でた後鳥羽上皇とて、かなう敵ではありませんでした。ちなみに「承久の変」って習いました。今は「承久の乱」と教わるのですか?
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2019/12/29 教科書的な事実は知っていたけど、その背景にあるものまで深く考えたことがあまりなかったので、それを考えるキッカケになった。 頼朝が作り上げたものはあくまでも土地の安堵によるつながりであり、2代、3代となっていくとそのつながりは薄れていった。北条氏が台頭してくる...
2019/12/29 教科書的な事実は知っていたけど、その背景にあるものまで深く考えたことがあまりなかったので、それを考えるキッカケになった。 頼朝が作り上げたものはあくまでも土地の安堵によるつながりであり、2代、3代となっていくとそのつながりは薄れていった。北条氏が台頭してくるのは体制ではなく人のもとで権力体制が出来上がっていたからという話にも納得。北条時政、義時はすごくしたたかで、謀略や知略に秀でていたんだなとも思いました。 時政と周囲の人々との繋がり、義時と時政の親子関係にも改めて注目です。 そして、当時は鎌倉幕府としての支配体制ではなく、頼朝が作り上げた東国の権力体制と、俺たちの支配下じゃね?と思っている朝廷サイドとの巧妙な政治の駆け引きがあったことも承久の乱の背景にあったこと。実朝暗殺のあと、後鳥羽上皇が反乱を起こしたけど1万vs1700程度では到底歯が立ちませんね、とも思いました。 後鳥羽上皇は三関の守りも固めてなかったとのことで、作戦ミス感は否めないと思います。そして、なぜ後鳥羽上皇サイドが兵力をあまり集められなかったのかについても言及されています。 この承久の乱がきっかけで西国の方へも鎌倉幕府の支配が広がり、六波羅探題が置かれて、いよいよ朝廷の出る幕がほとんどなくなってしまった。朝廷が存続のために裁判サービスを始めるけども武力もないから幕府から借りたり、基準はといえば空気、慣例で判断するということでガバガバだったんだなーとも改めて思いました。 律令が古すぎるから、客観的な法という判断基準を武士の世の中の実情に合わせて御成敗式目を作った泰時はさすがだなと思います。 歴史って色々な繋がりがあって面白いです。
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誰もが日本史上の重要トピックとして覚えた経験はあるが、敗れた後鳥羽上皇が隠岐島に島流しにされたこと、北条政子の演説で鎌倉武士がひとつにまとまったことくらいで、実はよく知られていない「承久の乱」。 そもそも後鳥羽上皇はなぜ幕府に戦いを挑んだのか? 「錦の御旗」を敵に回して勝利したリーダー、北条義時はどんな人物だったのか? 承久の乱に至るまで過程や承久の乱がもたらした影響などを、 時の時代背景や人物相関などの観点からわかりやすく説明している。 鎌倉幕府を語る上でキーマンとなる北条氏について、 とても明確な解説である。 「武士の時代」を決定づけたのは、まさに北条義時と後鳥羽上皇そして承久の乱である。
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「応仁の乱」以降、中世の歴史学者による、新書が面白い。本書も例外ではない。研究による背景はあるのだろうが、読み物としても、読者を飽きさせない。 もう一つの「承久の乱」も読んでみよう。
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日本史における重要なターニングポイントとされる「承久の乱」について解説する本。京都朝廷が鎌倉武士に完膚なきまでに叩きのめされた衝撃は大きいのであった。朝廷が「西国の守護」たちを政治的に押さえたにも関わらず、西国の土豪たちが(東国から来た落下傘の)守護の言うことを聞かなかったため戦...
日本史における重要なターニングポイントとされる「承久の乱」について解説する本。京都朝廷が鎌倉武士に完膚なきまでに叩きのめされた衝撃は大きいのであった。朝廷が「西国の守護」たちを政治的に押さえたにも関わらず、西国の土豪たちが(東国から来た落下傘の)守護の言うことを聞かなかったため戦力にならなかったという観察は、歴史から得られる大きな教訓と言える。
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素直に評価すれば、わかりやすく、面白く読める本です。ということで、著者の狙いは達成されていると思います。願わくば、これよりもう少しく詳しく学びたい読者のために、参考文献等の紹介ぐらいはつけてほしいところです。
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