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承久の乱 の商品レビュー

4.1

39件のお客様レビュー

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2022/12/23

この本は本当に分かりやすく、おもしろい。後鳥羽上皇の目指すところと頼朝と、その仲間たち、その後の義時とその仲間たちが護りたかったところのギャップを浮き彫りにするための背景を遡って分かりやすく説明してくれている。本郷先生曰く、乱そのものではなく、そこに至るまでが非常に重要であること...

この本は本当に分かりやすく、おもしろい。後鳥羽上皇の目指すところと頼朝と、その仲間たち、その後の義時とその仲間たちが護りたかったところのギャップを浮き彫りにするための背景を遡って分かりやすく説明してくれている。本郷先生曰く、乱そのものではなく、そこに至るまでが非常に重要であることも納得。さらにはこの乱の結果の歴史的な意味、そして個人的には三上皇配流の説明が分かりやすくまとまっていて、この流れを他の資料を見ていたのだけど、よく分からず困っていたので目から鱗。またそちらの資料に戻ってみよう。

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2022/11/12

「鎌倉殿の十三人」でやる前に何とか読みたいと思ってた。面白いし、読みやすい。これは予習にピッタリだ!

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2022/10/11

文字通り大河の予習です。 この新書は雑誌寄りなのかな?と思っているので、気楽に予備知識を得られます。 あとは義時がどれくらいダークに堕ちていくか?やね。これって本書の感想ではないですな、すいません。

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2022/05/16

『龍馬伝』以来、久々に放送を心待ちにしている 大河ドラマ『鎌倉殿と13人』。 平家を滅亡せしめ、いよいよ征夷大将軍に…という段階にたどり着いたというのに、義経追討の宣旨…そこに泰平さはなく、不穏な空気が漂う。 ただ、これはあくまでも前半の山場。今後は頼朝急死後に繰り広げられる...

『龍馬伝』以来、久々に放送を心待ちにしている 大河ドラマ『鎌倉殿と13人』。 平家を滅亡せしめ、いよいよ征夷大将軍に…という段階にたどり着いたというのに、義経追討の宣旨…そこに泰平さはなく、不穏な空気が漂う。 ただ、これはあくまでも前半の山場。今後は頼朝急死後に繰り広げられる、濡れ衣・謀殺・暗殺…血で血を洗うサバイバルトーナメントが待ち構える。 御家人の権力闘争となると大学受験の日本史程度の知識では歯が立たないので、承久の乱までの流れをより深く理解するべく中世史が専門の本郷先生の冴え渡る解説書を手に取った。 さて鎌倉幕府というと、朝廷政治から武家政権への転回点。以後650年間、武士が政治を司る起点となった。その先駆者である源頼朝には政権奪取後の〈平時の手本〉がなかった。有事には頼りになる強者揃いであったが、いかんせん字の読み書きができない武装集団。 そこで、行政事務を担う人材を求め、大江広元を筆頭に下級公家を片っ端からスカウトし、文官集団を組織し、統治力の整備に腐心。無手勝流に走らざるを得ないにもかかわらず、頼朝は政治家として現実課題に対処する、極めてプラグマティストな人であった。 著者はその鎌倉幕府を指して〈源頼朝とその仲間たち〉と表現。絶対的味方がいない中での天下取りには、御家人との良好な関係づくりが必須。 所謂『御恩と奉公』。いつの世も、土地をめぐる係争は同じ。豪族たちに〈ここはお前の土地だと安堵をしてやる〉。誰かが奪い取ろうとすれば、頼朝が時に武力を持って撃退する。代わりに、あいつを懲らしめるからすぐに来い!と言われれば駆けつけ、奉公に励む。あまりにも有名な、『いざ鎌倉』。 本書を読んで驚いたのは、ドラマにみる北条義時の父親である北条時政の描かれ方。NHKの番宣では愛すべき田舎侍と紹介されているが、実際は何の何のとんでもない権力闘争に明け暮れた人であった。 頼朝亡き後の〈13人による合議制〉を企図し、北条家台頭のきっかけを作るのはまだまだ序章。ライバルの有力御家人 梶原景時・比企一族を誅殺し、自らが殺害を命じておきながら実行犯を口封じで殺害なんて…どこを指して愛すべき人なのか。二代将軍 頼家の後継者問題においても周到な準備に整えるなど機を見るに敏な権謀術数の人であった。 息子の義時も然り。現時点では人の痛みを理解する心優しき人物として描かれるが、史実では父親を追放するなど、時政顔負けの悪漢。ドラマでは三浦義村が義時に対して『おまえ、鎌倉殿に似てきたぞ』というくだりは今後変貌していく義時を示唆しているが、はたしてその変貌たるやいかなるものか…。 源氏の棟梁といえども所詮流浪者。頼朝を一か八か担いだことから始まる時政・義時の権力闘争への旅路。突然、田舎侍の親子が歴史の表舞台に躍り出、覇者への階段を駆け上がる。 朝廷から武家への歴史の転換点でもありながら、北条父子にとっては自身の運命が宿命と悟った時から始まる国盗り物語とも読める。 頼朝の鎌倉入りから承久の乱までの41年間。その間の政治は〈頼朝とその仲間たち〉から〈義時のその仲間たち〉へと移り、承久の乱後はそれまでの血生臭さは一掃され、1世紀にわたり北条政権が本格稼働し、100年余りその地位を独占する。 本書は平易に書かれた学術書だけど、壮大な叙事詩を読み終えた感がある一冊。

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2022/04/26
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2022/4/8 読了  鎌倉幕府の政治史が読みやすく、わかりやすい表現になっている。頼朝誠治は駿河、伊豆、相模、武蔵の在地領主だけの"頼朝とその仲間たち"政権だ、朝廷は権威に頼るだけの権門主義政治だ、というわかりやすい例え。それが承久の乱の北条軍勝利で西国の荘園も義時の手に渡り、650年に及ぶ武士政権の礎になった、という話に納得。

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2022/04/05
  • ネタバレ

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承久の乱にいたるまでの幕府の内幕というのが、いわば薄氷の上でバランスをとっていたかのよう。権謀術数というか、だれもが権力を握ろうとするドラマのよう。

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2021/07/08

源頼朝が作った鎌倉幕府がたった三代で終わってしまったわけがようく分かった気がする。たしかに鎌倉時代は大河にもあまり見当たらないような気がするし、小説もない。子供の頃に読んだ何かで義経は可哀想な弟、頼朝はワルイ奴という話しかアタマに残って無かったもんな。 著者が言うように、この時代...

源頼朝が作った鎌倉幕府がたった三代で終わってしまったわけがようく分かった気がする。たしかに鎌倉時代は大河にもあまり見当たらないような気がするし、小説もない。子供の頃に読んだ何かで義経は可哀想な弟、頼朝はワルイ奴という話しかアタマに残って無かったもんな。 著者が言うように、この時代は本当に仁義なき戦いの時代で、昨年の大河の明智光秀みたいな考え方してたら、気が狂うようなことになっていたんじゃなかろうか。 「御恩」と「奉公」が結局は承久の乱の勝敗を決し、それから約650年の長きにわたる武士の世何始まるきっかけになった…とまでは学生当時考えもしなかったな。 面白かった。

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2021/02/03

承久の乱といえば北条政子の演説により武士団が結束して勝利を掴んだという話ばかり印象に残るが、実は乱に至るまでのに権謀術数が非常に面白いと認識させてくれた。また、鎌倉幕府の本質は土地の安堵の保証で結びついた頼朝とその仲間達であるとの指摘も腑に落ちるものでした。本郷先生は、鎌倉時代の...

承久の乱といえば北条政子の演説により武士団が結束して勝利を掴んだという話ばかり印象に残るが、実は乱に至るまでのに権謀術数が非常に面白いと認識させてくれた。また、鎌倉幕府の本質は土地の安堵の保証で結びついた頼朝とその仲間達であるとの指摘も腑に落ちるものでした。本郷先生は、鎌倉時代の専門家でもあり、実にノリノリで書いておられるのがわかる。

Posted byブクログ

2021/01/28

面白い。これから、この本郷先生の本を探して、読みたくなった。古代から連なる武の系譜が、この時代から戦国、江戸へと、自分たちのイメージする武士へと繋がって、理解できるようになった。

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2020/11/30

鎌倉幕府とは、「頼朝とその仲間たち」が土地の安堵を目的として立ち上がった権力であった。 (「幕府」という言葉はこの当時なく、使われるようになったのは江戸後期からだという)

Posted byブクログ