ニューカルマ の商品レビュー
主人公が2度もマルチにハマって本当に愚かだなと思いつつ、人生がうまくいかないタイミングで甘い言葉をかけられ、靡いてしまう事は誰しもありそう。 何より友人は大切。
Posted by
人生で一番大切なのは人間関係なんだなと 改めて思いました。 これからも今まで築いてきた人間関係を 大切にしたいと思います
Posted by
「地面師たち」からたどり着きました。 青年がマルチ商法にハマった先の盛衰や破綻が描かている。 古い友人からの連絡を無視できなかったり、警戒しながらもセミナーに参加したり、結局、流さられるままに入会したり...と、その後も何度も「ここで踏みとどまればよいのに」と思う場面があった...
「地面師たち」からたどり着きました。 青年がマルチ商法にハマった先の盛衰や破綻が描かている。 古い友人からの連絡を無視できなかったり、警戒しながらもセミナーに参加したり、結局、流さられるままに入会したり...と、その後も何度も「ここで踏みとどまればよいのに」と思う場面があった。 マルチで繋がる関係は結局のところ、金で繋がっているだけで、金が切れた瞬間に胡散霧散になるのところが興味深い。 主人公を取り巻くマルチに浸かってしまった人々の、一見利他のようでいて私利だけを追い求め、本音を隠し耳障りのよい言葉で懐柔していく様子には、全く別の生き物を見ているようだった。 さらに、マルチでの成功が潰えた頃には、平場の社会で築き上げてきた人間関係や信頼を失い、本人の価値観も歪んでしまい、全うな社会での再生の路も閉ざされてしまう。 おそらくこの主人公は、例に漏れず、揺るがない幸せや確たる人生が欲しかったんだと思う。 それをマルチの中に見出し、希求した。 ウルトリアからニューカルマへと、主人公は、より中枢部に近いところへ上り詰めるが、どこまで行っても、風向き一つでトカゲの尻尾切りをされてしまうところがイカロスの羽を見ているようでした。
Posted by
主人公がテンポよく破滅に向かい、一度ならず二度も救われたのにまた破滅に突き進む蛾みたいな奴で面白くもしんどかった。 MLMは勿論碌なもんじゃないんだけど、女子供の青さや労働者の閉塞感につけ込んだマインドコントロールは何処にでもあるよなぁ
Posted by
この作者の作品を読むといつも感情がヒリヒリする。 何かに追われている、あるいは行き急ぐ人たちが登場するから同調してしまうのだろう。 マルチ商法は私も勧誘されたが断った。誘った友人は熱に浮かされた目をしていて、壮大な夢を語ってくれた。「なぜこの話に乗らないの?信じられない。理解でき...
この作者の作品を読むといつも感情がヒリヒリする。 何かに追われている、あるいは行き急ぐ人たちが登場するから同調してしまうのだろう。 マルチ商法は私も勧誘されたが断った。誘った友人は熱に浮かされた目をしていて、壮大な夢を語ってくれた。「なぜこの話に乗らないの?信じられない。理解できない」と連呼していた。完全に洗脳されている。 その友人は今は熱病から醒めて平凡な日々を送っている。この小説の主人公はどうしているのだろう?今も世界の片隅でマルチ商法に酔う人たちがいるのだろうか?
Posted by
一度その味を知ってしまうと···という人の脆さや危うさをネットワークビジネスという題材を通してとても興味深く、主人公の危うさにハラハラしながら一気に読んだ。金、権力、野望、夢。人の幸せってなんだろね。
Posted by
マルチの実態とマルチと知りながら利用して成り上がろうとする若者の苦しみが伝わってきてあっと言う間に読み終えました
Posted by
広告で良く目にするネットワークビジネス。 自分がもし手を出してしまったら?を追体験させてくれるストーリーだった。 ネットワークビジネスには夢がある。武器に出来る能力も無く、会社に不安を抱きつつ過ごす日々に、成功のための裏ワザを教えて教えてくれる。 改めて巧妙で合理的な仕組みだと...
広告で良く目にするネットワークビジネス。 自分がもし手を出してしまったら?を追体験させてくれるストーリーだった。 ネットワークビジネスには夢がある。武器に出来る能力も無く、会社に不安を抱きつつ過ごす日々に、成功のための裏ワザを教えて教えてくれる。 改めて巧妙で合理的な仕組みだと考えさせられた。それは深みに進んでしまうのも無理は無い。 本作ではその裏側と待ち受けているであろう現実と、伴う心情の変化を歯軋りしてしまう程のリアリティを持って表現している。 目の前の上手い話に乗っかるより、勉強して自分の武器を作り、今の仕事で実績を残して行くことこそが今の自分にとっては最も幸せになる方法かなと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「給料とは別に、百万円入ってきたら、良いと思いませんか?」 勤めていた会社の業績不振によるリストラの危機で将来への不安を抱えた主人公。旧友からの誘いで、初めは否定的だったネットワークビジネスに次第にのめり込んでいく様子を描いた作品。 (感想) 自分も、ネットワークビジネスには「成功、夢、仲間」という甘い響きの言葉を餌に人々を騙してお金を儲ける悪徳なビジネスというイメージがあり非常に嫌悪感を持っている。 ストーリーの序盤は、そんな悪質なネットワークビジネスにのめり込む主人公が破滅の道を辿る物語だと思って読み進めていたが、 途中から、「あれ、ネットワークビジネスって、やり方次第では誰も損をせず、必ずしも悪いものではないのでは…?」と思ってしまうような説得力があり、読み手の価値観やスタンスが足下から揺らぐ瞬間があった。 結局のところ、そううまくはいかないのだが、ネットワークビジネスにハマる人の心理のようなものを擬似体験するような構成となっていて、単純にネットワークビジネス否定本ではないという点に著者の筆力の巧みさを感じた。 不安を抱える中、騙され、裏切られ、懲りずに何度も絶望を経験した主人公がストーリーの最後にした決断は果たしてハッピーエンドなのかバッドエンドなのかは、読み手により意見が分かれるところだと思ったが、主人公の本気で人を幸せにしたいという気持ちは本物だと思わせるような描写もあり、不思議な読後感だった。 「自分は絶対にネットワークビジネスなんかに騙されないぞ」と思っている人ほど楽しめる内容だと思います。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
狭小邸宅に続き、2冊目。未来に希望が持てず、簡単に儲かり、自己承認欲求も満たせる上手い話に巻き込まれていく若者の様子が描かれている。興味深いのは、親友であり、議員として「真っ当な道を行く」タケシとの対比。ネットワークビジネスはその性質上、人を不幸にするものと認識されるが、「皆を幸せにする」という目的はタケシが描くそれと近似する。では何が正しく、何が間違っているのか。ネットワークビジネス=悪と簡単に判断できないところに気持ち悪さを残しつつ、故に自身の中の軸(≒善悪を判断する基準)なくしては、いつしか「こんなはずではなかった」自分になってしまうのだと思う。 「いいも悪いんもないんよ……世の中。腐ってんだからさ、根本から」(p.272)
Posted by