1,800円以上の注文で送料無料

えーえんとくちから の商品レビュー

4.4

71件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/11/19

どんなに疲れていても、すっと、優しく、あたたかく、心と体の緊張をほぐしてくれる ずっと手元に置きたい詩集の1冊

Posted byブクログ

2024/11/01

2009年26歳で亡くなった、笹井宏之さんの短歌集。 没後10年を機に未発表原稿を加え文庫化されたもの。 重度の身体表現性障害を患い、ほとんど寝たきりの生活をされていたようです。 巻末にはエッセイ、あとがきにて療養生活のことが書いてありました。 どの短歌もとてもみずみずしい言葉で...

2009年26歳で亡くなった、笹井宏之さんの短歌集。 没後10年を機に未発表原稿を加え文庫化されたもの。 重度の身体表現性障害を患い、ほとんど寝たきりの生活をされていたようです。 巻末にはエッセイ、あとがきにて療養生活のことが書いてありました。 どの短歌もとてもみずみずしい言葉で溢れており、感性の豊かさ、言葉のもつチカラを感じました。 この短歌集はまさに青春。 優しいけれど、どこか切ない。 実は短歌や俳句、私は苦手としていました。 この作品を読んで言葉のもつチカラや短い文で表現される美しさを感じ、苦手意識が吹っ飛び逆にどんどん興味が湧いてきました。 この本は私を変えてくれたと思います。 10代の多感な頃に感じていた豊かな感覚、感性のようなものを呼び覚ましてくれます。 NHKの番組で知って図書館で借りた本ですが、手元に置いておきたいと思った1冊です。 近々買おうと思っています。 また読み返したいです。

Posted byブクログ

2024/10/05

やさしい生命賛歌 作者の慈悲深い心とやわらかい言葉で紡がれる短歌は、読む人のささくれをそっと包んでくれるでしょう。

Posted byブクログ

2024/09/27

初期の作品はピュアで瑞々しい。 それが次第に諦念とも取れるような歌に。 私にはちょっと前衛すぎる(要は意味わからん)かな…という歌も多かったけれど、この人の今でなければできなかった作品群なのでしょう。

Posted byブクログ

2024/08/30

短歌集は本作品が初めて。 突飛な作品も多く意味を汲み取ることが難儀ではある。でも、著者の世界の結びつける力の特異さ、達観した視点が全編を通して感じられた。 作品の裏に隠された虚脱感を、表現によって少しのユーモアを交えて非現実的なものへ昇華していり。そこに著者の世界に対する根源的...

短歌集は本作品が初めて。 突飛な作品も多く意味を汲み取ることが難儀ではある。でも、著者の世界の結びつける力の特異さ、達観した視点が全編を通して感じられた。 作品の裏に隠された虚脱感を、表現によって少しのユーモアを交えて非現実的なものへ昇華していり。そこに著者の世界に対する根源的な信頼感があるように思える。その優しさに触れるようで、作品から生への肯定を受け取った、そのような体験。 折に触れて何度も味わいたい作品です。

Posted byブクログ

2024/08/20

あんまり好きにはなれなかったが、その中でも気になった作品。 戦争が優しい雨に変わったらあなたのそばで爪を切りたい 左手に携帯電話ひらく朝誰より早い君のおはよう 切らないでおいたたくあんくるしそうほんらいのすがたじゃないものね 清いものになりたいといういっしんでピアニカを吹...

あんまり好きにはなれなかったが、その中でも気になった作品。 戦争が優しい雨に変わったらあなたのそばで爪を切りたい 左手に携帯電話ひらく朝誰より早い君のおはよう 切らないでおいたたくあんくるしそうほんらいのすがたじゃないものね 清いものになりたいといういっしんでピアニカを吹き野菜を食べる 手袋のなかが悲しき思ひ出に満たされてゐて装着できぬ ゆつくりと私は道を踏みはづす金木犀のかをりの中で

Posted byブクログ

2024/08/04

この本で印象的だったのは、 風という言葉が、何度も出てきたこと。 若くして亡くなった作者にとって、 風がいのちを表しているのかと わたしは感じた。 どんな人が書いたのかを知ることも、 読書の奥深く楽しむ一つだと思う。

Posted byブクログ

2024/09/05

【鹿大図書館の所蔵情報】 https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB27529845 【選書ツアーコメント】 「きんいろのきりん あなたの平原で私がふれた唯一のもの」 ふわりとしたユーモアに...

【鹿大図書館の所蔵情報】 https://catalog.lib.kagoshima-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB27529845 【選書ツアーコメント】 「きんいろのきりん あなたの平原で私がふれた唯一のもの」 ふわりとしたユーモアに切なさがにじむ短歌集 ゆるやかな言葉の繋がりが三十一文字の世界を広大に拡げます 短歌に触れたことのない方、本を読む時間がない方も手に取ってみてください

Posted byブクログ

2024/07/07

NHKの理想的本箱で紹介されていた本。 あまり句集を読んだことないからすごく新鮮。 若い時分の清々しさもありつつ、病床で紡がれたどす黒さみたいなものが混在していてそれがまたユニーク。 「この星に消灯時間がおとずれるときも手を繋いでいましょうね」が一番好き。

Posted byブクログ

2024/06/22

特にすきなうた5つ、わたしの解釈と想像 p18.葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある 母だと思っていた母が、わたしの知らないわたしの生まれる前の、母が母ではなかった時の表情をふとみせたとき、知ったときのおどろきとはがゆさ p19.蜂蜜のうごきの鈍ささへ...

特にすきなうた5つ、わたしの解釈と想像 p18.葉桜を愛でゆく母がほんのりと少女を生きるひとときがある 母だと思っていた母が、わたしの知らないわたしの生まれる前の、母が母ではなかった時の表情をふとみせたとき、知ったときのおどろきとはがゆさ p19.蜂蜜のうごきの鈍ささへ冬のよろこびとして眺めてをりぬ はちみつがとろとろしないようになることで冬の寒さと季節の移り変わりに気づく。なにげない日常を取りこぼさない繊細さ p72.ひろゆき、と平仮名めきて呼ぶときの祖母の瞳のいつくしき黒 ひらがなはなぜかかわいくてやさしい。名前を呼ぶ祖母のやさしい声色と、そのときの美しく強くやさしい瞳の色 p108.しあきたし、ぜつぼうごっこはやめにしておとといからの食器を洗う ぜつぼうしてもいい、でも目の前にはやらなければならないこと。これにまだ気づいてやらなければと思えるうちはきっと生きていける、ぜつぼうをごっこあそびにして現実を生きることで今日のわたしは救われる p135.生きてゆく返しきれないたくさんの恩をかばんにつめてきちんと 恩返しはきっと、まだ生きていくわたしが、きちんと生きていくこと。日々わたしを大切にすること。わたし自身がもらった命を生き抜くこと。

Posted byブクログ