新宿の猫 の商品レビュー
新宿ゴールデン街。 夢ちゃんと「猫の家族図」 「金のあじさいと銀のあじさい」のエピソードがとても悲しい 猫しか信じられなかった…
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新宿ゴールデン街を舞台にした奇跡。 色弱ゆえ希望の就職活動が出来なかった山ちゃんは、テレビ界の構成作家を師と仰ぐ。たくさんの視聴者を喜ばせるために奮闘するも空回り。生活に疲れた時、ふと立ち寄ったゴールデン街の小さな飲み屋で夢ちゃんと出逢う。何やら訳ありの夢ちゃんに次第に惹かれてい...
新宿ゴールデン街を舞台にした奇跡。 色弱ゆえ希望の就職活動が出来なかった山ちゃんは、テレビ界の構成作家を師と仰ぐ。たくさんの視聴者を喜ばせるために奮闘するも空回り。生活に疲れた時、ふと立ち寄ったゴールデン街の小さな飲み屋で夢ちゃんと出逢う。何やら訳ありの夢ちゃんに次第に惹かれていくが、やっぱり訳ありで思うようにいかないところが、まるで猫のようだ。 飲み屋に集う面々が皆個性的で、自分もカウンターで飲んでいるような錯覚を覚える。 結末は・・・「あん」や「カラスのジョンソン」と同様、ちょっと悲しい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
よく耳にはするが、行ったことのない 「新宿ゴールデン街」 そこの小さな居酒屋での人間模様、猫もよう それぞれの暮らしが厳しくて切ない あがいている人人猫 いやあ猫は達観してるかな ただラストがとても穏やかだったので 静かな気持ちでページを閉じることができた 散りばめられた詩がいいな うちの近所の保護猫の家族図、絵が下手だからなあ 残念 描けないよ ≪ 猫たちの 秘密分け合い でも離れ ≫
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何と生々しくかつ温かい描写なのだろうと思ったら、半分自伝の小説だそう。 人生におけるままならなさ、自分を貫こうと奮い立つ日、上手くいかない苦しさ、それをいなす日々、その日々の中でみつける楽しさも、時折来るどうしようも無く辛い出来事も、辛さが薄れていく年月も、全てが丁度良い温度で...
何と生々しくかつ温かい描写なのだろうと思ったら、半分自伝の小説だそう。 人生におけるままならなさ、自分を貫こうと奮い立つ日、上手くいかない苦しさ、それをいなす日々、その日々の中でみつける楽しさも、時折来るどうしようも無く辛い出来事も、辛さが薄れていく年月も、全てが丁度良い温度で綴られている。 仰々しいかもしれないけれど、この小説は人間讃歌、とさえ言いたい。
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もう「叫ぶ詩人の会」の歌を聞いて以来,ドリアンのファンになってしまったので,評価は付けられない(5以外にない(^^;;)。 さて本書について… 新宿に住む十数匹の野良猫を題材にして小説が書けることが面白い。主人公の山ちゃんという男性(ボク)。小さな焼き鳥屋の店員の夢ちゃんと...
もう「叫ぶ詩人の会」の歌を聞いて以来,ドリアンのファンになってしまったので,評価は付けられない(5以外にない(^^;;)。 さて本書について… 新宿に住む十数匹の野良猫を題材にして小説が書けることが面白い。主人公の山ちゃんという男性(ボク)。小さな焼き鳥屋の店員の夢ちゃんという女性。その焼き鳥屋に集まる常連は,なかなかクセのあるメンバーだ。 小説の常で,内容についてちょっとでも紹介すると,読むときのドキドキさがなくなる。だから,これ以上は書かない。 ただ,いろんな創作や文学や芸術は,一般大衆の大多数を相手にするのではなく,目の前にいる一人に向けて行うものではないか…という作者の訴えには,納得する。 この小説も,1人に向けて書かれたもの。その1人は,わたしであり,あなたである。そして,このレビューも,今,これを読んでいるあなたに向けて書こうと思って書いているのである。
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構成作家の卵である「ボク」は明日の見えない闇の中でもがいていた。 そんなある夜、何となく立ち寄った新宿ゴールデン街にある花梨花という小さな居酒屋で、野良猫を可愛がる夢ちゃんという女性店員と出逢う。客には無愛想だが不思議な優しさを秘めた夢ちゃんに「ボク」は惹かれてゆく。 2人は次第...
構成作家の卵である「ボク」は明日の見えない闇の中でもがいていた。 そんなある夜、何となく立ち寄った新宿ゴールデン街にある花梨花という小さな居酒屋で、野良猫を可愛がる夢ちゃんという女性店員と出逢う。客には無愛想だが不思議な優しさを秘めた夢ちゃんに「ボク」は惹かれてゆく。 2人は次第に距離を縮め、猫についての秘密を分け合い、大切な約束をするのだが…。 読んでいる最中に、これはもしかしたら、程度は分からないけれど作者の実体験も入っているのかな?と思った。というのも、夢ちゃんは詩作が趣味で、その夢ちゃんに影響されて主人公も詩を書き始めるくだりがあって、2人が書いた詩も作中に登場するから(作者は詩人でもある)。 新宿ゴールデン街にある小さな居酒屋の描写も妙にリアリティがあって、いかにも実在しそうな雰囲気。 読み終えた後にある一部分がノンフィクションであることが明かされて、やっぱり、と納得した。 「ボク」は色弱というコンプレックスを、夢ちゃんは生い立ちの壮絶さと斜視気味であるというコンプレックスを抱えていて、生きる上でのハンディを感じた経験から生きづらさを抱えながらもどうにか生活を立てていた。 そんな2人だからこそ、多く言葉を交わさなくても分かり合える部分があったし、惹かれ合ったのだと思う。 それが実を結ばないとしても、ずっと心の中に在って忘れることはない相手というのは実際にもいる。同じ世界の中で幸せでいてくれることを心から願える相手。 ドリアン助川さんの小説には生きづらさを抱える人が多く登場する。読んでいて共感する部分もあるし、うまく立ち回れない登場人物に胸苦しくなることもある。 だけどいつも優しい。他人から見れば幸福な人生には見えないかもしれないけれど、それぞれ幸せなかたちを見つけて生きていく人たちの姿が描写されているから。 読み終えた後はじーんと温かい気持ちになる。 この小説もそうだった。すぐ側にいそうな平凡な人たちのひっそりとした人生ドラマが、丁寧に綴られていた(ちなみに猫の描写もとても丁寧だった)。 「ボク」と夢ちゃんの、お互いを守り大事に思う気持ちが眩しく、そして切ない物語だった。
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あっというまに読んだ。 目。瞳。 みんな違う色だし、みんな違うものが見える。 でもそこがすてきなところ。 そして最後の注釈がまたいい。
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1962年生まれ、ドリアン助川さん、初読みです。「新宿の猫」、2019.1発行。新宿ゴールデン街が栄えた時代、斜視の夢ちゃん22歳が働いている「花梨花」という居酒屋を舞台にした物語。猫たちは自分の家族として、17匹の猫の家族図を冷蔵庫に貼り、廃墟となったホテルの一室で猫たちを世話...
1962年生まれ、ドリアン助川さん、初読みです。「新宿の猫」、2019.1発行。新宿ゴールデン街が栄えた時代、斜視の夢ちゃん22歳が働いている「花梨花」という居酒屋を舞台にした物語。猫たちは自分の家族として、17匹の猫の家族図を冷蔵庫に貼り、廃墟となったホテルの一室で猫たちを世話し続ける夢ちゃん。そんな夢ちゃんに魅かれる構成作家で色弱の山ちゃん。「猫たちに幸せあれ」、そんな気持ちがこみあげてくる作品です。
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テレフォン人生相談のドリアン助川さんとして知っていたのですが、小説はどうなのかなあと、読んでみました。やはり優しい人の書かれる小説だなあと思いました。これからも色々読んでみたいです。
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お互いの気持ちを最後に詩として表現しているところが、読んでいて一番ホッとした場面だった。 別々の道に別れてしまったけど、再び会うことができ本当に良かったと思えた一冊だった。
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