メアリー・スーを殺して 幻夢コレクション の商品レビュー
乙一のひとりアンソロジー。作品解説まで自分でやっているのに笑いました。 乙一の『山羊座の友人』は言わずもがなですし、中田永一の『宗像くんと万年筆事件』で思わず宗像くんに心の中で拍手を贈りました。同じく中田永一の『メアリー・スーを殺して』は中高生に推し。 山白朝子は怖くてもの悲し...
乙一のひとりアンソロジー。作品解説まで自分でやっているのに笑いました。 乙一の『山羊座の友人』は言わずもがなですし、中田永一の『宗像くんと万年筆事件』で思わず宗像くんに心の中で拍手を贈りました。同じく中田永一の『メアリー・スーを殺して』は中高生に推し。 山白朝子は怖くてもの悲しく、胸がしん、となりました。 越前魔太郎は解説にもありましたが、クライヴ・パーカー(ヘルレイザー)っぽく、容赦なく怖かったです。 一冊で色々な味が楽しめて、どの話も面白く、とても楽しい読書でした。
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乙一の一人アンソロ集。この人何やってるんだろうと思いつつも、多彩な引出しに脱帽。 中田永一が高確率で刺さりまくるんだけど、今回は乙一の「山羊座の友人」がクリティカルヒットした。 書かれている話の内容は残酷で、犯人とされた子どもと、友人でもない子どもが二人で逃避行する話なんだけど、これがまーよかった。殺された子、いじめられっ子からいじめっ子になったの?思わず四度見くらいしたわ。 中田永一「宗像くんと万年筆事件」これもよかった~~!いじめに立ち向かうのって勇気がいるよね。簡単に信じられなくなるし間違った方向に正義感がいくこともある。しかしおもしろかった。宗像くん、君は一番かっこいいよ。 山白朝子は読んだことあるけど、越前魔太郎は所見だった。 すらすらと読みやすい文体!憧れる! 面白かったー!
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面白かったです、乙一さんのアンソロジー。 七つの短編はどれも良かったです。 ミステリーホラーファンタジーという感じで、なるほど幻夢コレクションですもんね。 どのお話も哀愁が漂う様な切なさがあり、それでいて登場人物たちは実に淡々としている、でもポッと灯るような情熱があります。 なん...
面白かったです、乙一さんのアンソロジー。 七つの短編はどれも良かったです。 ミステリーホラーファンタジーという感じで、なるほど幻夢コレクションですもんね。 どのお話も哀愁が漂う様な切なさがあり、それでいて登場人物たちは実に淡々としている、でもポッと灯るような情熱があります。 なんていうか、不思議な空気感ですよね、乙一さんという方の書くストーリーは。 解説にありましたが、乙一さんは「映画シナリオの書き方」を参考にしながら構成を考えて、思想は削ぎ落とされる、と。 とても興味深かったのですが、私には理解するのは難しく… イメージ出来ず… 実際に起きた事件事故・災害や出来事などをベースにされていたりして、読んだ後にそちらにも興味が広がったりと、とても楽しみました。 乙一アンソロジー、次の一冊も読みたいです。
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乙一さんの作品が20年ぶりくらいに読みましたが、作品に出てくる少年のどこか頼りなく、正義感はあるがそれを実行する勇気がいまひとつ足りない感じがとても懐かしいなと感じました。 それぞれの作者の描き方が違い非常に楽しめました!
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どの話も奇抜な設定でやはり面白かった。 表題にもある「メアリー・スー」が、二次創作や夢小説で作者の願望が不快なまでに投影されたハイスペック愛されキャラの総称であると知って、そんなものにも名前があったのかと驚いた。 特に好きだった話は、表題作「メアリー・スーを殺して」(中田永一著...
どの話も奇抜な設定でやはり面白かった。 表題にもある「メアリー・スー」が、二次創作や夢小説で作者の願望が不快なまでに投影されたハイスペック愛されキャラの総称であると知って、そんなものにも名前があったのかと驚いた。 特に好きだった話は、表題作「メアリー・スーを殺して」(中田永一著)と「エヴァ・マリー・クロス」(越前魔太郎著)。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 奇想ホラーの名手・乙一を筆頭に、 感涙ラブコメの中田永一、異色ホラーの山白朝子、 そして'10年以降沈黙を守っていた越前魔太郎、と鬼才4名が揃い踏み、幻夢の世界を展開する。 そしてその4名を知る安達寛高氏が、それぞれの作品を解説。
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本書は短編?が纏まっている作品になっている。 乙一先生別名義でも執筆されてるのアツい ・宗像くんと万年筆事件(中田永一さん) 例えば、メインヒロインに立場譲る、サブヒロインが幸せになってくれないかな、と妄想する事があると思う。 こちらの終わり方は、その様な願望を抱かせて終わって...
本書は短編?が纏まっている作品になっている。 乙一先生別名義でも執筆されてるのアツい ・宗像くんと万年筆事件(中田永一さん) 例えば、メインヒロインに立場譲る、サブヒロインが幸せになってくれないかな、と妄想する事があると思う。 こちらの終わり方は、その様な願望を抱かせて終わってしまったので、後味がフワフワしている。 汚い子と仲良くできたり、話しかけるという優しさが私には無かったので、心洗われました。 その後の展開を本当に読んでみたい。 面白かったです。
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ほぼ乙一さんしか読まないのですが、“1人アンソロジー”ということで手に取りました。 1冊を通して優しさや切なさ、残酷さ、恐怖感が共存していて、たまにちょっと面白いセリフや表現が出てくる感じ。改めて、この方の不思議な世界観の魅力を感じました。 展開がちょっと苦手だったのは表題作。特...
ほぼ乙一さんしか読まないのですが、“1人アンソロジー”ということで手に取りました。 1冊を通して優しさや切なさ、残酷さ、恐怖感が共存していて、たまにちょっと面白いセリフや表現が出てくる感じ。改めて、この方の不思議な世界観の魅力を感じました。 展開がちょっと苦手だったのは表題作。特に好きだったのは本命の「山羊座の友人」と、「宗像くんと万年筆事件」。
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山羊座の友人:贖罪の山羊。誰かを犠牲に自分が虐めの標的を逃れる卑怯な選択。切れ味が凄い作品。ミスリードあり。 宗像君と万年筆事件:貧乏でむさ苦しい宗像君は見事な推理で主人公を陥れた犯人を暴く。
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どの乙一も良い! 作家によって書き分けているものの、全てにちゃんと乙一が流れている。 7つの物語全て好きだった。 乙一さんは痛覚の表現をしないため、 残酷でグロい描写でも肉体的な痛みを連想させにくくし、読者に嫌な不快感を与えることが目的ではなくちゃんとストーリーに目を向けてほし...
どの乙一も良い! 作家によって書き分けているものの、全てにちゃんと乙一が流れている。 7つの物語全て好きだった。 乙一さんは痛覚の表現をしないため、 残酷でグロい描写でも肉体的な痛みを連想させにくくし、読者に嫌な不快感を与えることが目的ではなくちゃんとストーリーに目を向けてほしいという意図を感じるところがとても好きだと改めて感じた。
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“幻夢”全7編の4人のアンソロジー。又は、乙一さんのオムニバス。あるいは、コレクション。 乙一さんは、感性派というかストーリーセンスが秀逸な作家さんと思っていました。ごめんなさい。もちろんそれもそうなのですが、策略家ですし謀略家ですよ。複数のペンネームを持つ方は多いと思いますが、...
“幻夢”全7編の4人のアンソロジー。又は、乙一さんのオムニバス。あるいは、コレクション。 乙一さんは、感性派というかストーリーセンスが秀逸な作家さんと思っていました。ごめんなさい。もちろんそれもそうなのですが、策略家ですし謀略家ですよ。複数のペンネームを持つ方は多いと思いますが、一冊にコレクションできる作品力。解説までご本人が登場する大胆さ。 「メアリー・スーを殺して」(中田)は、現実生活への幻夢の投影、リアルの重視が殺害方法。「愛すべき猿の日記」(乙一)は、持ち主の生活感に変化を生み出していく、一つのインク瓶の存在。この2作は、作者の創作活動の始点のように思えました。 「山羊座の友人」(乙一)は、乙一さんらしい作品で、ファンタジー部分をも現実的に思わせる切ないミステリー。良作です。 まさかの小学校学級会仕立て「宗像くんと万年筆事件」。宗像くんのキャラクターが好感度高し。 ホラー・青春・怪談にミステリー絡めて贅沢な一冊だと思います。
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