おやすみの歌が消えて の商品レビュー
Rhiannon Navin の ONLY CHILD の邦訳.読み始めて3日目に,川崎での痛ましい事件が起こり,偶然とはいえ目の前の出来事としてこの物語を読むことになってしまった. 終始6歳の少年の視点で描かれた家族の姿は,読者である自分の子供たちや家族との向き合う姿勢を問わ...
Rhiannon Navin の ONLY CHILD の邦訳.読み始めて3日目に,川崎での痛ましい事件が起こり,偶然とはいえ目の前の出来事としてこの物語を読むことになってしまった. 終始6歳の少年の視点で描かれた家族の姿は,読者である自分の子供たちや家族との向き合う姿勢を問われているようで思うところがあまりにも沢山あった. 通勤電車で目頭が熱くなりながら読み進め,最後の20ページは夜ひっそりと眼を赤くしながら読了. 翻訳も素晴らし仕事でした.
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6歳になるザックが通う小学校で銃乱射事件が起きた。 ザックは生き延びたが、10歳のアンディが撃たれて死亡した。 この小説は幼いザックの一人称で書かれている。両親をはじめとした大人たちがザックに向ける言葉や態度を、びっくりするくらいまっすぐにザックは受け取ってしまう。幼いがゆ...
6歳になるザックが通う小学校で銃乱射事件が起きた。 ザックは生き延びたが、10歳のアンディが撃たれて死亡した。 この小説は幼いザックの一人称で書かれている。両親をはじめとした大人たちがザックに向ける言葉や態度を、びっくりするくらいまっすぐにザックは受け取ってしまう。幼いがゆえに。 ザックのまっとうな違和感や悲しみの深さが、すごく胸に来る。 読む前は、あらすじや題材から、道徳的で退屈な小説なような気がしていたが、そんなことはなかった。銃撃事件という重い事件はあるものの、そこに生きる人たちが、一生悲しみにくれたまま生きることはできない。喜びや楽しみがあることを教えてくれる。 読み終えて、翻訳家さんであーなるほどってなった。それは面白いはずだよね。 文体からして「アルジャーノンに花束を」を思い出した。そのものでしか語れない文体ってあるなぁ。
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秀逸な児童書だと思う。 アメリカの学校での銃乱射事件。 遠くの国の、関係ない話ではなく、実際に子どもが巻き込まれ、家族が変わっていく様子が子ども目線でよくわかるので、とにかく読めば、現実感がすごいと思う。 小学生高学年なら読めるかなー 他人事ではない感に涙がでた。 マジックツリー...
秀逸な児童書だと思う。 アメリカの学校での銃乱射事件。 遠くの国の、関係ない話ではなく、実際に子どもが巻き込まれ、家族が変わっていく様子が子ども目線でよくわかるので、とにかく読めば、現実感がすごいと思う。 小学生高学年なら読めるかなー 他人事ではない感に涙がでた。 マジックツリーハウスがモチーフに使われているので、読んだことある子どもに、次の読書のステップとしても。
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小学校で銃乱射事件が起こり、6歳のザックは 10歳の兄を失う。悲しみの中でのいなくなった とてもいい子だったような兄の扱われ方に対する 違和感(実際、兄のアンディは反抗挑戦性障害 (ODD)で親はかなり手を焼いていた)、犯人と その家族に対するザックの母親を中心とした 遺族たちの...
小学校で銃乱射事件が起こり、6歳のザックは 10歳の兄を失う。悲しみの中でのいなくなった とてもいい子だったような兄の扱われ方に対する 違和感(実際、兄のアンディは反抗挑戦性障害 (ODD)で親はかなり手を焼いていた)、犯人と その家族に対するザックの母親を中心とした 遺族たちの行動、犯人の親との和解まで、 読み応えのある本でした。 ただし、読み進めている間、違和感を感じました。 解説にも苦慮した部分とありましたが、6歳の ザックの一人称で物語が進むため、嘘っぽくならず かつ読者に飽きさせないようにする、というのは なかなか至難の業だったようで、訳者の方も 小学3年までに習う漢字のみを使用しています。 が、やはり小1と小3ではかなり違う。。 時々「あれ?この子何歳だったっけ?」と 混乱してしまいました。文章にさらっと「さ来週」と 出てきたりしますが、「6歳で再来週は分かるん だろうか?」と我に返ったりしました…。
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六歳の男の子の目線というのがよかったんだろうな。 銃撃戦で兄を喪った男の子がなんとか自分と家族を救おうと奮闘する姿がとにかくいじらしくそして頼もしい。 わたしは母親ではないからなおさら、この母親にとてもイライラしてしまったけれど、愛する我が子を喪うとこうなってしまうのかな。 ...
六歳の男の子の目線というのがよかったんだろうな。 銃撃戦で兄を喪った男の子がなんとか自分と家族を救おうと奮闘する姿がとにかくいじらしくそして頼もしい。 わたしは母親ではないからなおさら、この母親にとてもイライラしてしまったけれど、愛する我が子を喪うとこうなってしまうのかな。 ラストにはとても救われたし、この家族がまた三人で強く生きていってほしいとおもう。 子どもの言葉にはほんとうにいろいろと気づかされる。 わたしも幸せのひけつを試してみようっと。
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ある日6歳になるザックの学校が銃撃犯に襲われる。大混乱の中、ザックのクラスは先生とともに難を逃れた。迎えに来た両親と会えたが、兄のアンディがいない。アンディは、銃撃犯により亡くなっていたのだ。アンディが亡くなったことで混乱する両親。ザックも不安定になり、オネショをしたり、もどした...
ある日6歳になるザックの学校が銃撃犯に襲われる。大混乱の中、ザックのクラスは先生とともに難を逃れた。迎えに来た両親と会えたが、兄のアンディがいない。アンディは、銃撃犯により亡くなっていたのだ。アンディが亡くなったことで混乱する両親。ザックも不安定になり、オネショをしたり、もどしたりしてしまう。犯人は30年もの間、学校の受付として皆に愛されていたチャーリーの息子だった。 息子を失ったことで不安定になったママは、矛先をチャーリーに向ける。変わっていくママ。ますます不安になるザックは、アンディの部屋のクローゼットのなかに秘密基地を作り、自分と向き合う。しかし、ママは チャーリーを追い詰めていく。 銃撃犯襲撃の学校から始まるストーリーは、すべて6歳のザックの視線で語られる。漢字を6歳レベルに限定したひらがな混じりの文章が効果的。ザック自身の心理もよく表現されている。辛く悲しい現実を、受け入れていく家族の厳しさがよく描かれていた。 母親や父親を愚かと言うことはたやすい。しかし、それほどまでに子どもを事件で失うことは過酷なのだ。過酷な中で必死に生きるザックの健気さに、やっぱり涙してしまった。
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つらさ、怒り、さみしさ、全部抱えながら考え続ける6歳の少年。子どもは本質から目を背けられないのかもしれない。そんな子どもを支えられる大人にならないといけない。
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- ネタバレ
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あぁ、ザック!なんてすばらしい子!! いま、もし目の前に彼がいたら、思い切り抱きしめてその柔らかな髪にキスをしたい。 そして、こころからありがとうと言いたい。 6歳の少年に、私はものすごく大切なことを教えられました。家族が突然大きな悲しみに襲われたとき、その悲しみをどうやって乗り越えるか。そしてどうしたらもとの「家族」に戻れるのか。 大切な人を理不尽な暴力で亡くした時、大人は多分その怒りや悲しみを誰かにぶつけることで自分の気持ちをおさめようとするでしょう。だけどそれが本当は何の解決にもならないということを、幼い子供の方が本能的にわかっているのかもしれない。 これを読んで、私は母親の気持ちに痛いほどの共感を覚えました。その狂気のような怒り、自分を本当に必要としている幼い弟の手さえはねのけてしまうほどの混乱。そのおおもとにある、最後となった朝の自分への後悔。 容疑者の両親を攻撃することで、自分を責め、その罪を認めることを回避しようとする無意識の本能。 だけど、本当はその「罪」や「現実」と母親と父親こそが向き合うべきで。そのきっかけを一生懸命作ってくれたザックのけなげさに涙が止まりませんでした。 彼が、秘密基地の中で向き合った現実。そして見つけた、道。彼の純粋な心とやさしさと勇気に圧倒されました。 読みながら、最初は悲しみが、そして、最後には温かい愛がのどに詰まって苦しいほどでした。 6歳の少年が、世界を変えます。きっとこの物語は世界を変える。 私はザックにはなれない。でも、彼が両親を救うためにたくさんの人が彼を支えていた。その支えにならなれる気がする。誰か、私を必要としてくれる人の役に立てるような、そんな人になりたい。
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