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帰去来 の商品レビュー

3.8

28件のお客様レビュー

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    5

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2021/06/23

志麻由子巡査部長が2015年から光和27年にタイムスリップして、警視として活躍する奇想天外な物語だ.張り込み中にナイトハンターと称された殺人犯に首を締められた志麻は、気が付いたらあちらの世界に飛んでいた.闇市が跋扈する世界で糸井ツルギや羽黒組の親分らのやり取り、高遠警視との抗争な...

志麻由子巡査部長が2015年から光和27年にタイムスリップして、警視として活躍する奇想天外な物語だ.張り込み中にナイトハンターと称された殺人犯に首を締められた志麻は、気が付いたらあちらの世界に飛んでいた.闇市が跋扈する世界で糸井ツルギや羽黒組の親分らのやり取り、高遠警視との抗争などの過程が楽しめた.こちらの世界では殺されていた父だが、あちらの世界では現役の大佐.由子と食事で会った大佐は直ぐにこちらの由子ではないことに気づいて、いろんなアドバイスをしてくれた.やはり親子だ.ツルギの息子ソウシとこちらの父の弟志麻朝夫が重要な役割を占めており、二つの世界を行き来するためのガジェットが判明して、話は急展開する.複雑なプロットだったが、意外にすんなりと入り込めたのは、著者の表現力が的確だったからかなと感じた.

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2020/08/20

人が絡みに絡むのでちょっと混乱。 いったい世界はいくつあるんだという思い。 主人公の活躍は爽快でした。

Posted byブクログ

2020/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自分は他に新宿鮫シリーズくらいしか読んでいないライト大沢readerですが、wikipediaの大沢在昌の項にこう書いているのを読んで、なるほどさもありなん、と。 --------- 執筆方法は「映像型」で、頭の中にスクリーンがあり、しばらく書いていると映画のようにスクリーンに上映され、やがて話の続きもそこに出てくるため、それを文字で文章化するのが執筆作業であると語っている。 --------- 明らかに冒頭、こいつ一番悪いんじゃねーの?と思わせていた「区長」が結局一度も姿を現さなかったのは、スクリーンのキャストの都合?笑 面白かった、、ですが、やはり2時間枠の「映画」の制約の故なのか、パラレルワールドへのタイムトリップというどデカいテーマが終わりに向かって集束していく様に予定調和とスケールの小ささを感じざるを得なかったです。大沢さん、途中から飽きちゃったのかな?と邪推したり。。 欲を言えば、タイムトリップの種である、いち家族の話よりも、このパラレルワールド全体の空気感をもっと味わいたかったです。 高遠だけではなく他の警視連中との情報戦とかも。 (以下蛇足) 他の作家と比較するのは愚にもつかないことだとはわかっているけれども、、 初野晴のハルチカシリーズの短編における残りが僅か2、3ページでありながらも異常な密度の濃さをキープした物語の味を知ってしまうと、他がどうしても薄味に感じてしまうのはどうしようもないのかもな、、などと考えたり。

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2020/01/20

細かいSF的設定は二の次の大沢在昌の力技。かといって、肝心のミステリー部分も今一つ。戦後日本を思わせるタイムトリップ先では殺人の動機は貧困に因るとする一方で、現代の殺人は理由もなく殺されるという大沢らしい指摘には同意するも、それが上手く結びついているとは言い難くラストは少々消化不...

細かいSF的設定は二の次の大沢在昌の力技。かといって、肝心のミステリー部分も今一つ。戦後日本を思わせるタイムトリップ先では殺人の動機は貧困に因るとする一方で、現代の殺人は理由もなく殺されるという大沢らしい指摘には同意するも、それが上手く結びついているとは言い難くラストは少々消化不良。

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2019/12/23

12月-14。3.5点。 ナイトハンターという殺人鬼、囮捜査をする女刑事。 被害に遭い気を失うが、気づくと別の世界に。 よくあるパラレルワールドものだが、スピード感あり。 さすがに読ませる。

Posted byブクログ

2019/09/09

大沢在昌にしては珍しい?!SFものだ。 『新宿鮫』のようなハードボイルド路線とはまた違う、こんな作風にもなれるのだなと目から鱗だった。 主人公の志麻由子は、ある事件で警官の父を亡くしている。 そして、自分が捜査一課にいるのは、父が殉職したためだと思っている。 階級は巡査部長。 ...

大沢在昌にしては珍しい?!SFものだ。 『新宿鮫』のようなハードボイルド路線とはまた違う、こんな作風にもなれるのだなと目から鱗だった。 主人公の志麻由子は、ある事件で警官の父を亡くしている。 そして、自分が捜査一課にいるのは、父が殉職したためだと思っている。 階級は巡査部長。 決してエリートではない。 負い目を持った彼女は、追っていた犯罪者に襲われ、死を覚悟した。 その瞬間。 別の世界に彼女はいた。 パラレルワールド、「東京市警」の警視、志麻由子として。 彼女がそこに飛んだ理由、現実世界とのリンク、それは突拍子もなくて、あれがこれで、これがあっちで、と混乱した。 結末に向かうに従い、混乱し、驚きもした。 けれども、「私」として強く生きようとする由子の姿はかっこよかった。 弱さを知っていたから。 さて、本作で登場する向こうの元号は「光和」だそうだ。 その前が「承天」だそうで、おそらく元号は「昭和」から取ったのだろうと思うけれど、こっちの元号は「令和」なので、これをもじったのかと奥付を確認してしまった。 掲載期間は2009〜2018、2019年1月30日が第一刷だそうで、まさか、当てにきた?! 今だけの「考えすぎ」の楽しみもあり、驚きの多い物語だった。

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2019/09/05

最新作のパラレルワールド女性刑事ミステリー。大沢作品は、新宿鮫シリーズのみ読破と言っていいくらいなのでこのような作品も書くのかって感じ

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2019/08/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公は女性刑事 張り込み中に犯人に襲われてタイムスリップした。 そこはパラレルワールドなんだけど今の日本とは体制も違う。世界も。 東京市警察本部の警視である主人公の奮闘とタイムスリップの深層と家族を巡る謎の真相が明らかになる。 しかし、よくこんな物語を考えつくものだ。 しかも荒唐無稽さを超えて読ませてしまう。 素晴らしかった。

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2019/08/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

評価は 警視庁捜査一課の“お荷物”志麻由子は、連続殺人犯の捜査中に、何者かに首を絞められ気を失う。目覚めたのは異次元の「光和26年のアジア連邦・日本本共和国・東京市」だった。もう一人の自分は異例の出世をした“東京市警のエリート警視”。闇組織からは命を狙われ、警察内部でも汚職警官の摘発など、非情な捜査方法が非難を浴び、孤立無援であることを知る。戸惑いながらも彼女は、“エリート警視・志麻由子”となって捜査を継続するしか方法がなかった…。 快楽殺人犯ってのが気に入らないけど、設定は面白かった。警察が腐敗している戦後に踏ん張っていた女性警察官には是非生きて今の世界でも活躍して欲しかった。

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2019/08/08

連続殺人事件を追う女性刑事がパラレルワールドに飛んでしまい、異世界での別の捜査を進めるうちに、元の世界の事件とのつながりに気づく。 世界の国々の力関係を始め、日本の経済や人々の暮らしもまったく違う異世界で、元の自分よりもはるかに優秀なもうひとりの自分として生きることになった主人...

連続殺人事件を追う女性刑事がパラレルワールドに飛んでしまい、異世界での別の捜査を進めるうちに、元の世界の事件とのつながりに気づく。 世界の国々の力関係を始め、日本の経済や人々の暮らしもまったく違う異世界で、元の自分よりもはるかに優秀なもうひとりの自分として生きることになった主人公。開き直って、闇市を取り仕切るボスや腐敗した警察内部の人間たちをつぎつぎとやり込めていく姿は痛快だ。 時空の移動や事件の真相そのものよりも、親子の情をからめた主人公の成長ぶりがおもしろく、一気に読み終えた。

Posted byブクログ